当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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中国RoHS(II)管理規則の公共サービスプラットホームの運用が開始されました

2019年11月8日更新


2019年11月1日から中国RoHS(II)管理規則により特定製品について有害物質の非含有が義務化されました。 この規制は第2段階と言われます。


2019年6月14日のコラムで適合宣言の仕組みを紹介しています。 その後、適合宣言が具体化し、11月1日の施行に合わせて適合宣言の手順と適合宣言品目を公開する公共サービスプラットホームの運用も開始されました。

1. 绿色产品标识使用管理办法による適合宣言の状況

適合宣言は绿色产品标识使用管理办法によるマーキングが要求されます。

https://www.tkk-lab.jp/post/whatsnew20190611


「目録」(資料1)に含まれる電器電子製品の供給者は、電器電子製品の有害物質の非含有である適合性評価を完了するために、「国家推進自発的認証」または「自己申告方法」を選択します。


中国RoHS(II)管理規則の定義では「電器電子製品は、電流あるいは電磁場により稼動する、または電流および電磁場の生産・運搬・測定を目的とする定格電圧が直流1500ボルト以下、交流1000ボルト以下の設備および附属製品を指す」としていますので、附属製品も対象となります。


2. 自己申告方法

电器电子产品有害物质限制使用供方符合性声明规则(電器電子機器の有害物質使用制限供給者適合性宣言規則)により、供給者適合宣言を報告できる供給者は、生産者および授権代表者です。 国外の生産者は、現地法人、輸入業者または販売者などを授権代表者(資料2)として選択できます。


http://gkml.samr.gov.cn/nsjg/rzjgs/201905/W020190517629494178562.docx


供給者適合宣言の報告は、製品の上市後30日以内にしなくてはなりません。


http://gkml.samr.gov.cn/nsjg/rzjgs/201905/t20190517_293827.html


供給者適合性宣言規則に定める宣言の内容は次です。


供給者適合宣言の内容には、製品が有害物質の規制を満たすことの規定及び関連技術の支援書類が含まれており、少なくとも以下のものが含まれていなければならない。


(1)供給者の名称と連絡先

(2)電子機器名称、仕様、技術文書番号、技術文書分類

(3)宣言内容および関連する宣言資料の真正性、完全性及び適合性についてのコミットメント

(4)許可者署名、企業印鑑などを含む追加情報


技術文書の要求は次です。


ž 電器電子製品の供給者は、公共サービスプラットホームにより、適合報告を技術援文書としてアップロードすること。

ž 適合報告により、製品が電器電子製品有害物質限界量の要求に適合していることを証明できること。

ž 以下の2種類の方法から選択できる。

(1)供給者が委託した検証・検査測定機関により、関連標準に基づき宣言を行う製品中の有害物質に対して検査測定を実施し、製品の検査測定報告を作成する方法である

検査測定機関は、生産者の所有する相応の技術力を有する実験室または資格を備えた第三者の検証・検査測定機関でもよい。

(2)すべての組立品、コンポーネントおよび部品、原材料の有害物質に対する判定により供給者が適合報告を整理して作成する方法である。


登録は自己宣言順法報告システム(打开自我声明符合性报送系统)を利用して行います。


http://sdoc.cnca.cn/mcsr/loginindex


登録手順は、10月8日に电器电子产品有害物质限制使用供方符合性声明使用手册(電器電子機器有害物質使用制限供給者宣言の取扱説明書)が公示されました。


http://chinarohs.miit.gov.cn/dynamic/queryOneIndustryDynamic?id=2a110eb1-2e51-4026-a5d8-76c475a51d84


登録はユーザー登録、供給者適合宣言情報を入力します。


技術文書等はPDF化(Max 100MB)して、アップロードします。


適合製品は公共サービスプラットホームに登録し、登録情報は公開されます。


登録状況は11月2日時点で3,967件が登録されています。


http://chinarohs.miit.gov.cn/selfDeclaration/queryDeclaration


3.CCCの適合宣言

2018年6月11日に中国国家認証認可監督管理委員会(CNCA)は、CCC強制製品認証目録と実施方式の変更を公告しました。


http://www.cnca.gov.cn/xxgk/ggxx/2018/201806/t20180615_56710.shtml


この公告により、一部の製品では、強制的な製品認証管理が適用されなくなり、また、一部の製品は、強制的な製品認証管理の対象ではなくなりました。


同じく、2018年10月1日より、一部の製品に自己適合宣言方法が追加されました。 関連する企業は、指定された認証局が既存の方式で認証を行うか、「强制性产品认证自我声明实施规则(強制製品認証自己宣言実施規則)」に基づき、製品が継続的に強制製品認証要求に適合できることを自己宣言方式で証明し、製品適合性情報の届出を完了することができるようになりました。


http://www.cnca.gov.cn/xxgk/ggxx/2018/201806/W020181026350585108818.docx


自己宣言方式は、型式試験を行い、適合性情報登録し、自己宣言を行う適合性評価方式です。 適合性情報の登録は「適合性情報報告システム」で行います。 この登録の後にQRコードが記された自己宣言書に署名することによって登録の手続きは完了となります。


http://sdoc.cnca.cn/mcsr/login


強制製品認証自己宣言の実装規則では、登録情報は次となります。

a)国内生産者の事業登録証明書

b)事業者登録証明書の認定代表者(海外生産者にのみ適用可能)

c)製品の説明

d)標準情報に基づく型式試験

e)試験報告書

f)自社または指定された検査室情報および関連する資格証明書(該当する場合)

g)工場の品質保証能力の自己検査報告

h)生産者/認定代理人によって署名された自己宣言


RoHS(II)管理規則とCCCの自己適合宣言の入力情報は若干異なりますが、運用は同じになると思われます。


4. 国家推進自発的認証

RoHS管理規則の適合宣言は2011年8月に、国家统一推行的电子信息产品污染控制自愿性认证实施规则:CNCA-RoHS-0101:2011(国家統一で普及する電子情報製品汚染源制御:自発的認証実施規則)が公示され、2011年11月から実施されました。


http://www.cnca.gov.cn/cnca/zwxx/ggxx/images/2011/08/26/EC13366C6520C8C512BA8EFCFED08CBA.pdf


この実施規則による適合宣言方式が、电器电子产品有害物质限制使用合格评定制度实施安排(電器電子製品有害物質合格評定制度の実施規則)の附属書1になっています。


附属書1は、自発的認証実施規則の部分記述となっていますので、自発的認証実施規則を確認する必要があります。


http://www.cesi.cn/rohs/201907/5294.html


自発的認証実施規則の基本的な考え方は「源流管理」です。


最終製品のプリンターやエアコンなどが、適合しているためには、構成しているユニットが適合していることが必要です。ユニットが適合しているためには、構成している部品が適合している必要があり、部品が適合しているためには、使用している材料が適合していなくてはなりません。


川下企業が上流企業の適合性を確認する必要がありますが、この確証が従来は認証証書のコピーを提出していました。 今後はクローバの葉の形のCGP(China Green Products)マークと認証機関のロゴを組み合わせたマーキングと認証機関の認証番号、自我声明编号(適合宣言番号)が利用されるようになります。


「源流管理」では、製品を構成するユニット、部品や材料等の適合宣言は、自発的認証実施規則による認証機関の認証と自己宣言等が混在することになります。


2019年5月21日に既存評価結果を受け入れるガイド(案)の绿色产品合格评定结果采信指南(征求意见稿)(グリーン製品適合性評価結果採用ガイド(パブコメ案))が告示されました。


http://www.cnca.gov.cn/bsdt/ywzl/bzhgl/rzrkhybzgl/xwdt/201706/W020170601584000447549.zip


このガイドの目的は、「グリーン製品の適合性評価における既存の評価結果を受け入れるための手順と要件を規定」としています。


RoHS管理規則の適合宣言は、認証機関の認証番号、自我声明编号(適合宣言番号)やCCCなどの各種適合宣言に組み合わせとなります。

5. 根拠文書

自発的認証実施規則の附属書2(生産者汚染制御(RoHS)管理能力の要求)で、ISO9001:2008の管理責任者(5.5.1項)や製品実現(7項)の要求事項があります。


自発的認証実施規則の認証方式(Type1~Type4)で、Type4の工場審査では、附属書2の検査が行われます。


Type1~3では、附属書2の内容が書類審査の対象となります。

2012年5月に工業情化部から电子电气产品污染控制企业符合性声明规范(電気電子製品汚染管理企業適合制限規格)が発行されました。


http://www.miit.gov.cn/n1146285/n1146352/n3054355/n3057542/n3057554/c5917276/part/5917278.doc


この規格では、適合宣言の根拠文書の組み合せの一つして、“风险评估报告(リスク評価報告)”、“污染控制程序文件(汚染管理システムマニュアル)”または“污染控制体系证书(汚染管理システム証明書)がありあます。


汚染管理システムは、ISO9001にRoHS管理規則の要求事項を統合したGB/T31274:2014(电子电气产品限用物质管理体系 要求 電子電気製品における使用制限物質の管理体系 要求事項)が2015年4月から運用されています。


適合宣言のベースとなるマネジメントシステムは、ISO9001にRoHS(II)管理規則の要求を取り込んだシステムが要求されます。


マネジメントシステムの運用は、リスクベースとなります。電器電子機器に特定有害物質が含有するリスクの評価は、GB/T 36560-2018/IEC 63000:2016(电子电气产品有害物质限制使用符合性证明技术文档规范 電気電子製品への有害物質の使用管理の適合証明技術文書規格)となります。


IEC 63000:2016はEU RoHS(II)指令の整合規格のEN 505812012と調和されています。 さらに、EN50581:2012は2023年12月にIEC 63000:2016の翻訳規格のEN63000:2018に置き換えがされます。


中国RoHS(II)管理規則の適合性の技術文書は、EU RoHS(II)指令と同じように、IEC 63000によるリスクベースでの順法説明が要求されます。 そして、リスク管理はISO9001によることになります。


欧中の順法説明のための技術文書(TD:Technical Documentation)は同じとなります。 しかしながら、中国RoHS(II)管理規則の適合性の技術文書は中国語(簡体字)、EU RoHS(II)指令は公用語の一つ(英語)で記述しなくてはなりません。


中国RoHS(II)管理規則の適合性の関する情報は、これまで断片的であり、相互の関係は理解ができない部分が多々ありました。 用語の違いなどで理解できていない部分もありますが、ジグソーパズルのピースが揃ってきて、全体が見えてきました。


資料1:第1次目録

(i)冷蔵庫(ボックス型 800リットル以下)

(ii)エアコンディショナ(定格冷却能力≤14000ワット))

(iii)洗濯機(洗濯量10kg以下で乾燥機能を含む)

(iv)電気温水器(500リットル以下)

(v)プリンター(各種)(印刷領域≤A3、印刷速度≤60枚/分)

(vi)コピー機(印刷領域≤A3、印刷速度≤60枚/分)

(vii)ファックス(スキャン機能を含む)

(viii)テレビ(チューナーがないがTV用であれば含める)

(ix)モニター(LCDやCRTを含む)

(x)マイクロコンピュータ(ディスクトップ、ハンドヘルド、タブレット等)

(xi)モバイル通信・携帯電話(GSM/ GPRS、CDMA、CDMA1X等規格)

(xii)固定電話(IP電話を含む)


資料2:授権代表者(登録代理人)

日本国内にある授権代表者で、筆者が確認できた組織

(i)(一社)産業環境管理協会 国際化学物質管理支援センター

http://www.jemai.or.jp/

(ii)株式会社アルテリエ

https://www.arterie.co.jp/


(松浦 徹也)


引用URLは、URLが多いので、文中に記載しました。

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