当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q539.登録物質の再輸入

2019年6月6日更新


【質問】Q539

EUでREACH規則による登録済と表示された化学物質を輸入し、日本国内で日本国内の化学物質を微量混合しています。

製品(混合物)をEUに輸出する場合は、1トンを超えない見込みですので登録義務はないと思っていますが正しいでしょうか。

【回答】

REACH規則ではEU域内において1物質につき年間1トン以上を製造または輸入する場合には登録義務が発生します。

REACH規則の対象はEU域内の事業者に限定されるので、登録の義務者は貴社ではなく、貴社の輸出先であるEU域内の事業者になります。

登録義務者が登録時の情報や評価時の対応に関する情報に乏しく登録が不可能な場合や製品情報が輸出先に知られるのを防ぎたい場合は、唯一の代理人を専任して、登録業務を行わせることが可能です。


混合物自体の登録は不要ですが、混合物を構成する物質は登録義務の対象となります。

登録が必要であるかについては、物質ごとのEU域内での輸入量または製造量により判断されます。


ご質問の貴社の製品の登録義務ついては、構成するEU域内より輸入した登録済の化学物質と日本国内の化学物質の個々についてEU域内に輸出された場合に登録義務の要件に該当するかで判断することになります。


REACH規則第2条7項(c)ではEUから輸入した登録済の化学物質を再びEUに輸出する(再輸入)に関して下記内容で適用免除事項が記載されています。


(c)第II篇に従って登録され、サプライチェーンの関係者によって欧州共同体から輸出され、同一のサプライチェーンの同じまたは別の関係者により欧州共同体へ再輸入される物質そのもの又は混合物に含まれる物質であって、これらの関係者が以下の事項を示すもの。

(ⅰ)再輸入する物質が輸出した物質と同一であること

(ⅱ)輸出された物質に関し第31条または第32条に従った情報が提供され

ていること


貴社が輸出する製品(混合物)のうち、EUより輸入した化学物質に関しては再輸入品の要件に該当し、たとえ年間の輸出量が年間1トン以上の場合であっても登録義務が免除になります。


一方、日本国内で混合する日本を国内の化学物質に関しては、EU域内で未登録、年間の輸出量が1トン以上の場合は登録義務の対象になります。輸出量が微量で年間1トン未満であれば、登録する必要はありません。


そのため、貴社の製品をEU域内に輸出するに際しては、登録を行う必要はありません。


ただし、EU域内の輸入者が貴社以外の事業者からも同一の化学物質を輸入していて、輸入量の総額が年間1トン以上の場合には、登録義務の可否はEU域内の輸入者の年間輸入量により判断されるので、貴社からの輸出量が年間1トン未満の場合であっても、EU域内の輸入者は当該化学物質の登録を行う必要があります。

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