当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q546.認可と制限について

2019年9月19日更新


【質問】

REACH規則では、認可対象物質と制限対象物質に同じ物質が掲載されていることがありますが、どちらが優先されるのでしょうか。

【回答】

REACH規則の「認可と制限」は下記のように整理できます。

・認可: 「認可対象となる物質そのもの若しくは混合物に含まれる物質の使用、又は成形品への物質の組み込み」を対象。EU域内での、「物質の使用」を対象としており、認可を付与した場合のみ使用が認められる。


・制限: 「危険有害性の物質、その混合物およびそれを含有する成形品の製造、上市及び使用」を対象。条件を規定して、製造、上市、使用を制限されている。


REACH規則においては、認可と制限は相互に補完をして、物質のリスクに応じた規制を行っています。 同じ物質が認可と制限の両方のリストに収載されていても、重複して規制されることはありません。 EU域外で製造された認可対象物質を含有する成形品の上市については、認可の対象ではありません。 しかし、その成形品について、上市を制限されているならば、遵守する必要があります。


フタル酸エステル類を例にして、この関係をご説明します。

DEHP、BBP、DBP、DIBP等の4種のフタル酸エステル化合物は、認可対象物質として特定されています。4物質ともに2015年2月21日に日没日を迎えているため、認可が付与されない限り、EU域内で上市と使用が禁止されています。 ただし、認可対象物質はEU域外から輸入される4種の化合物を0.1%以上含有する成形品については、その成形品の上市が制限されていなければ、認可の対象ではなく、輸出できます。 しかし、含有情報と安全にとり扱うのに必要な情報を輸出先に提供する必要があります。


他方、上記4物質は制限対象物質としても特定されており、以下のような制限条件が規定されています。


(1)DEHP、BBPおよびDBPの3種のフタル酸エステル類を単体または任意の組合せで、玩具や育児用品における可塑化された材料中に0.1重量%以上の濃度で使用してはならない。2020年7月7日以降は、前記3種のフタル酸エステル化合物にDIBPを加えて、これらの単体または任意の組合せで、可塑化された材料中に0.1重量%以上の濃度で含有した玩具や育児用品を上市してはならない。

(2)2020年7月7日以降、前記4種のフタル酸エステル化合物の単体または任意の組合せで、可塑化された材料中に0.1重量%以上の濃度で含有した成形品(ただし、玩具や育児用品を除く)を上市してはならない。

ただし、(2)に主な適用除外項目として、下記の成形品があります。

・工業用および農業用、または屋外でのみ使用され、可塑化された材料が皮膚や粘膜に長時間接触しない成形品

・2024年7月7日までに上市された飛行機や車両、またはメンテナンスや修理だけに使用され、性能を維持するために不可欠な成形品

・実験用の測定機器

・食品接触材、医薬品の包装、医療機器や電気電子製品といった既存の他法規制で規制対象となっている成形品

・RoHS指令(2011/65/EU)の適用範囲である電気電子製品

 なお、2019年9月の時点で認可の対象となる物質(附属書XIV)には43エントリーが収載されています1)。また、制限の対象物質リスト (附属書XVII)には、2019年9月の時点で73エントリーが収載されています2)。


1)https://echa.europa.eu/authorisation-list

2)https://echa.europa.eu/substances-restricted-under-reach

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