当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • tkk-lab

Q558.過去に納品した部品の順法要求

2020年02月14日更新

【質問】 適用除外の規制値が変わったため、取引先から過去に納品した部品に関しても順法情報の要求がきました。 過去の部品製造の詳細な作業記録は残っていないために確認ができず困っています。

【回答】 REACH規則では定期的にCLSの見直しが行われます。 部品の納入時にはその当時に定められていたCLSに関する情報を伝達されていたと推察します。 納品完了した時点で該当する取引は完了しており、下請法によれば当社の責めに帰すべき理由なしに新たな役務は発生しないことになります。


今回の顧客の要求は、その後にCandidate list収載物質が追加されたことによるものと考えます。 顧客との契約により継続して新たに追加されるCLSの含有調査をすることが取引条件に定められていなければ、納入時点で貴社としてやるべきことは済んでおり(当該取引契約は完結)、原則として新たな調査義務はないと考えます。


他方、顧客は製品を輸出するためには、最新のCLSの含有情報が必要です。 そのために、過去に納入した部品について、顧客からの要求があれば、CLSの含有状況の調査に協力すること大事だと考えます。


全ての記録は無理でも、過去の生産時点での設計情報、材料選定情報、調達先の材料宣言書、分析記録等の技術情報等で残っており確認可能な情報があれば、CLS含有可能性の推定は行いやすくなります。

また、学術文献、業界標準などの知見・経験も参考になります。 そういった情報を参考に、部品在庫があれば分析試験が可能な場合もあります。 分析試験等が必要で、新たなコスト負担が発生する場合等は相応の費用負担については、打ち合わせし、双方合意の上、実施することをお勧めします。


貴社が遡っての調査が不可能な場合には、顧客にそのことを伝えて理解していただき、追加調査方法や費用負担など相談し、契約書にも反映させ、対応されるとよいと思われます。


なお、CLSは定期的に見直しが行われますので、企業対応として定期的に確認して、対応策を検討しておくことをお勧めです。 CLSのRegistry of Intention が出た時点から、その物質の含有可能性の検討ができますので、早めに能動的対応を行えるようになります。

345回の閲覧

最新記事

すべて表示

2022年01月14日更新 【質問】 当社は物流関連のモジュール製品を製造しています。 今回、食料品の物流関連の顧客より引き合いがあり、HACCP対応を求められました。RoHS/REACHについては遵守しています。 RoHS/REACHに対応していることで、HACCPにも対応できているか教えて下さい。 【回答】 1.HACCPとは HACCP(ハサップ)とは、Hazard Analysis and

2021年12月10日更新 【質問】 プラスチック製の子供向けの車のおもちゃを製造しています。アメリカの輸出先よりTSCA PBT 5物質の非含有証明を求められました。材料メーカーに確認したところ意図的含有は無いが、非意図的含有ゼロの証明は難しいと言われました。実際、どのように対処すれば良いのでしょうか。 【回答】 ご質問のTSCA PBT 5物質は、2021年に有害規制物質法(TSCA)の第6条

2021年11月19日更新 【質問】 EUMDRの対象製品を開発しています MDRでは、CMR物質やフタル酸エステル類を含有させた成形品の使用は許容されていると思いますが、そのような成形品を採用する上での留意点を教えてください。 【回答】 1.州医療機器規則(EU MDR)の化学物質に関する規制 医療機器規則(EU MDR)((EU) 2017/745)は、医療機器指令(Medical Devic