当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q558.長時間皮膚に触れるニッケルのアクセサリ

2020年0306日更新

【質問】 REACH規則では、アクセサリで長時間皮膚に触れる場合はニッケルの使用が禁止されているようですが、長時間とはどの程度なのか教えてください。

【回答】 REACH規則では、附属書XVII 1) で危険な物質、混合物、成形品の製造、上市及び使用に対する制限事項を規定しています。 用途の制限では、アクセサリや玩具などの特定の用途や全面的な使用制限など、物質毎に決められています。


附属書XVIIのNo.27に「ニッケル及びその化合物」の皮膚への直接で長時間かつ直接の接触 (direct and prolonged contact with the skin)を意図した製品への使用、および製品の上市の制限が規定されています。


対象となる製品は以下です。


—イヤリング、

—ネックレス、ブレスレット、チェーン、アンクレット、指輪

—腕時計ケース、時計ストラップ、締め具

—衣類に使われているリベットボタン、締め具、リベット、ジッパー、メタルマーク


上記製品からのニッケルの放出量が1週間あたり0.5mg/cm2を超えるならばニッケルを使用してはならないとされています。


さらに、上記の製品がニッケル以外の被膜で覆われていて、その被膜が通常の使用で少なくとも2年間、ニッケル放出量を1週間あたり0.5μg/ cm2以下を十分確保できる場合を除き、これら製品にニッケルを使用、および、製品の上市をしてはならないとされています。


ご質問の長時間に関してですが、PROLONGED CONTACT WITH THE SKIN - DEFINITION BUILDING FOR NICKEL 2) の中で、皮膚との長時間の接触は、潜在的に

―2週間で3回以上の場合10分間以上 あるいは

―2週間で1回以上の場合30分間以上

で適用されるとしています。

ニッケルへの反復ばく露に基づき、ニッケルの皮膚への浸透から接触時間の推定を行い、皮膚のサイズ、感度の影響を評価しています。


また、規制基準は溶出量(含有量ではありません)のため、対象となる製品でニッケルの溶出試験を実施して、溶出量が基準を満足しているかどうかを確認する必要があります。 REACH規則 附属書XVII No.27のニッケルの順守を証明するための試験方法は、「欧州標準化委員会(CEN: European Committee for Standardisation)」で採用された規格を使用しなければなりません。 欧州規格EN1811:2011+A1:2015のニッケル溶出試験では、恒温装置内でサンプルを人工汗中に1週間浸漬して、人工汗中へのニッケル溶出量を測定します。


1)

https://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2009:164:0007:0031:EN:PDF


2)

https://echa.europa.eu/documents/10162/13641/nickel_restriction_prolonged_contact_skin_en.pdf

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