当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q563.TSCAの休眠物質のアメリカへの輸出

2020年05月08日更新

【質問】

TSCAの休眠物質をアメリカに輸出したいのですが製造前届出(PMN)は必要でしょうか。

【回答】 アメリカの化学物質規制法である有害物質規制法(TSCA)では、化学物質目録(インベントリ)1)に収載されていない化学物質を新規化学物質としています。 新規化学物質を製造・輸入する場合には、その90日前までに新規化学物質製造前届出(PMN:Premanufacture Notice)をアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)に提出し承認を得ることと、製造・輸入の開始日から30日以内に製造・輸入開始届出(NOC:Notice of commencement of manufacture or import)を提出することが必要です。


TSCAは2016年6月に、21世紀にむけたフランク R.ローテンバーグ化学物質安全法によって改正が施されています。 その改正に基づき、2017年8月には下位規則としてインベントリ届出規則が施行され、TSCA改正前10年間(2006年6月~2016年6月)におけるインベントリ収載物質の製造・加工実績が確認されました。 その結果、実績のなかった物質が2019年2月にinactive substances(休眠物質)として指定され、同年5月からその指定が有効となっています。 猶予期間後の2019年8月5日以降に休眠物質を商業目的で製造・輸入しようとする事業者は、その90日前までに活動届出(NOA:Notice of Activity)様式Bを提出しなければならないと規定されています2)。 すなわち、今回のケースで必要となるのはPMNではなくNOA様式Bの提出です。


EPAでは2019年3月に、この活動届出様式Bの提出の概要と、EPAの中央データ交換(CDX)システム3)での電子報告についてのウェビナーを開催しています。 その折のQ&AとスライドがEPAのWEBサイトに掲載されています4)のでご参考となさってください。


またご質問からは外れますが、TSCAのほかにも労働安全衛生局(OSHA)が主管する労働安全衛生法への配慮も必要です。 アメリカ国内の輸入業者、流通業者、製造者などの事業者は、OSHAの定める規定に対応する義務があります。 そのためにラベル表示やMSDSの提出などを要求してくることが想定されますので、EPAへのNOA様式B提出とあわせて準備を進められることをお勧めします。

1)https://www.epa.gov/tsca-inventory/how-access-tsca-inventory

2)https://www.epa.gov/tsca-inventory/tsca-inventory-notification-active-inactive-rule

3)https://cdx.epa.gov/

4)https://www.epa.gov/tsca-inventory/materials-about-filing-notice-activity-form-b-active-inactive-rule

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