当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q568.複数のルートを経由してEUに輸出している場合の登録義務について

2020年06月23日更新

【質問】 当社は化学物質を日本国内の調合メーカー2社に販売しています。調合メーカー2社はそれぞれEU域内の別の事業者に輸出しています。 調合メーカー2社を通じた当社の材料の輸出量の合計は1トン以上になりますが、当社に登録義務は発生するでしょうか。

【回答】 EU REACH規則の登録義務は、EU域内で化学物質を年間1t以上の製造もしくは輸入を行う者にあります。 ご質問のケースでは、EU域内の輸入者2社は共に輸入量が1t未満のため登録義務はありません。 ただし、輸入2社に資本関係などがある場合、2社は同一事業者と見なされ、2社の内どちらかの輸入者が登録する必要があります。 このため、登録に必要な情報を提供することが必要になります。


一方、EU域外の製造者には登録義務はありませんが、EU域外の製造者の企業秘密(CBI)の保護のため、EU域内に拠点のある唯一の代理人(OR)を任命して登録を行うことを認めています。 EUの輸入者に登録の必要が生じた場合、貴社または貴社顧客の調合メーカーがORを任命して登録することが出来ます。

調合メーカーの輸出する製品が、CLP規則の分類基準で危険有害性である場合、調合メーカーはSDSの提供が必要です。 調合メーカーがSDSを作成するため、貴社は化学物質の危険有害性情報を提供する必要があります。 化学物質がCLP規則で調和分類されていれば、この分類の情報を提供します。 調和された分類がなければ、取得した危険有害性情報に基づいて、CLPの分類基準やJISZ7252に従って分類します。 また、調合メーカーの輸出する製品が、CLP規則の分類基準で危険有害性であり、化学物質が未登録であれば、EUの輸入者は、製品に濃度限界値以上含有する(製品が危険有害性に分類される)成分物質の分類と表示のC&Lインベントリへの届出が必要です。 この届出は輸入量にかかわらず課され、EU上市後1か月以内に行わなければなりません。

ご参考として、REACH規則の登録における注意点を下記に示します。

登録に先立ち、ORが登録を行うことを輸入者へ知らせるとともに、化学物質がECHAへ登録済であるかを照会します。登録済の場合は、先行登録者と登録データを共有する必要があります。

EUの輸入者はORの川下ユーザーの位置づけになります。 ORにはEUの輸入者情報を連絡する必要があります。

年間取扱量が10tを超える場合は、化学物質安全性報告書(CSR)の提出も必要です。 CSRを作成した場合には、用途ごとの使用方法の化学物質安全性評価(CSA)を行ったばく露シナリオをSDSに添付して、e-SDSとして提供する必要があります。

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