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Q574.台湾CCIPについて
2020年09月25日更新
【質問】
台湾への出荷を開始するにあたり、商社からCCIPは台湾からしか利用できず、登録には全成分を開示しなくてはならないと言われました。 CCIPは台湾の企業しか利用できないのでしょうか。 そして、登録に際しては全成分を開示する必要があるか教えて下さい。
【回答】
(1)台湾のCCIPについて
2016年から台湾行政院環境保護署は、輸入化学製品が「毒性化学物質管理法」とその下に制定された「新規および既存化学物質資料登録弁法」(以下;「登録弁法」と略します)注1)を順守していることを当事者が事前に自主的に確認する制度(「化学製品通関事前確認制度」)をスタートしました。 オンラインで行うことが出来るツールが、ご質問のCCIP(IT platform of Chemical Commodity Importation Pre-Comfirmation)です。注2)CCIPについては台湾国外の事業者も利用することが可能です。
(2)CIPPの情報
下記内容をサイト内のフォームに入力することで輸入する製品に含有している化学物質の「登録弁法」の順守状況をデータとして出力することができます。 輸出時の通関で要求された場合には、証拠書類として使用することが出来ます。
◆輸入者(登録義務者)の情報
◆CCCコードと製品名を含む製品情報
◆製品中の化学物質の登録承認済の登録コード、CAS番号、中国語と英語の名前、成分比率を含めた製品に含有する化学物質の情報
この出力情報は、輸出先に提供する必要はありません。 当局から追跡調査で要求された場合に、遵守状況の証拠書類として利用することが出来ます。 登録等でCBIとした情報は輸出先に開示される懸念はありません。
(3)台湾の登録制度、および、営業秘密とする成分物質情報の保護の方法
台湾の「国の適切な化学物質管理のために化学物質の必要な情報を収集」を目的とした化学物質の登録を義務付けています(従前は、職業安全衛生法の下位法として、「新化學物質登記管理法」がありましたが、現在は「登録弁法」の登録のみで、義務を果たすことになります)。
登録義務対象は下記の物質です。
・既存化学物質リスト(Taiwan Chemical Substance Inventory、以下TCSIと略す)に収載されている物質;年間0.1トン以上の第1段登録、および、第1段登録された物質から指定された年間1トン以上の第2段階登録。
・TCSIに収載されていない化学物質(新規化学物質);年間トン数に関係なく登録が必要。
登録が承認されると、登録コードが交付されます。
対象化学物質の製造または輸入する事業者のみが登録する義務を負います。
台湾国外の事業者(輸出者)は登録手続きを行うことができませんが、輸入者が指名する代理人(第三者の代理人;TPR)制度を利用することにより、輸出先に成分情報を開示することなく登録義務を順守することが可能です。輸入者には登録コードは通知されます。
また、「登録弁法」では、第2段階、および、新規物質の登録情報が公開されます(第19条)。 公開されることによる関係者(例えば、台湾外の製造者や輸出者)の不利益を防止するため、営業秘密保護制度を設けています(第20条)。
登録において、下記の項目の営業秘密保護の申請が認められれば、最長15年間は公開されません。
・登録者情報
・物質特定情報
・製造・輸入の情報
・用途情報
(4)安全性データシート(SDS)で提供する情報における営業秘密
一方、危険有害性に分類される化学品を輸出する場合、「職業安全衛生法」の下位法令である「危害性化学品標示及通識規則」注3)に規定のSDSを提供する必要があります。 混合物中に閾値以上含有する危険有害成分を含有している場合、危険有害性成分の開示が求められています。
ただし、国家安全保障または製品の営業秘密を維持する場合に、SDSで提供すべき情報のなかから有害な化学物質成分の名称、CAS番号、有害成分の濃度、製造者、輸入者または供給者情報の非開示を申請し、承認されれば非開示にすることが出来ます。 非開示には承認申請ができる資料、危険有害性区分の規定は、「危害性化学品標示及通識規則」第18条を参照ください。
注1)
https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=O0060043
注2)
https://chemreg-border.epa.gov.tw/content/info/Index.aspx
注3)
https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=N0060054