当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q579.EUの「SCIPデータ―ベース」について

2020年10月27日更新

【質問】

EUで成形品を対象とした「SCIPデータ―ベース」という新たな義務がスタートすると聞きました。 成形品を製造・輸出する日本企業にはどのような義務が課されるのでしょうか?

【回答】

ご質問の「SCIPデータベース」については、2021年1月5日より成形品供給者によるECHAへの情報登録義務が開始される予定です。 義務の対象者はEU域内の製造者や輸入者などの最初の成形品供給者とされています。 したがって、EU域外の日本企業については、直接的な義務の対象とはなっていません。 ただし、EU域外の成形品を輸入する登録義務をもつ輸入者などは、データベースへの情報登録のため、成形品に含有する物質に関する情報をEU域外の成形品の供給者に対し要求します。 したがって、貴社がEU域内の顧客に成形品を供給している場合、成形品に含有するCL物質など必要な情報を提供し、データベースへ情報登録する顧客をサポートする必要があるといえます。


◆提供が必要とされる情報

SCIPデータベースは以下の改正廃棄物枠組み指令(1)第9条(i)に基づき構築されます。


「EU圏内で法的要件を損なうことなく製品や材料に含有する有害物質の減量を促進し、REACH規則第3条33項で定義された成形品について第33条1項の情報を提供することを確保する。」


REACH規則第33条1項は、物質名を最低限含み0.1%w / wを超える濃度でCL物質を含む成形品について、受取人に十分な情報を提供するという内容であるため、貴社が取り扱う成形品がEU域内に供給される場合、CL物質の含有情報を把握し、顧客へ情報を提供する必要があります。


また、2019年9月にECHAより公開された「SCIPデータベースの詳細情報要件」(2)(3)においては、以下の内容などの情報を必須の登録内容としています。


(1)複雑な成形品の構成部品

(2)含有するCL物質の濃度範囲

(3)製造原材料の識別情報

(4)成形品の加工段階で使用される混合物(接着剤、コーティング材など)


この内容はCL物質が成形品のどの部位にどれ位含まれているかを特定できるようにすることを目的としており、情報要件を満たすために従来のREACH規則第33条に基づく内容以上の情報収集が必要となる可能性があると考えられます。


SCIPデータベースは、成形品に含有するCL物質をまとめて通知することで、消費者や廃棄物処理業者へ必要な情報を伝えるという狙いをもっています。 SCIPデータベースへの対応については、こうした狙いを踏まえつつ、上記の(1)~(4)などの必須登録内容を貴社のサプライヤーから収集していくことをお勧めします。


(1) https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/ALL/?uri=CELEX%3A32018L0851

(2) https://echa.europa.eu/documents/10162/28213971/scip_information_requirements_en.pdf/9715c4b1-d5fb-b2de-bfb0-c216ee6a785d

(3) http://chemical-net.env.go.jp/pdf/scip_information_requirements_jpn.pdf


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