当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q580.化粧品中の認可対象物質のREACH規則対応について

2020年10月30日更新

【質問】

化粧品中の成分がEU REACH規則の認可対象物質に指定された場合、EUに輸出する化粧品は認可の義務対象になるのでしょうか?

【回答】

REACH規則では化粧品についていくつかの除外項目が規定されています。

「認可」はその1つで、化粧品規則(1223/2009)1) に従っている化粧品はREACH規則第56条第5項に基づき、認可義務の除外対象となります。


第57条(a)、(b)もしくは(c)の基準に適合するとの理由だけの場合、または人の健康に関係する第57条(f)に従って特定されるとの理由だけの場合には、化粧品には認可の一般的な規定(第56条第1項、第2項)は適用されません(REACH規則第56条第5項)。


ここで第57条の(a)(b)(c)(f)の概要は以下となっています。


(a)CLP規則で発がん性区分1Aまたは1Bの分類基準に該当する物質

(b)CLP規則で生殖毒性の変異原性区分1Aまたは1Bの分類基準に該当する物質

(c)CP規制で生殖毒性区分1Aまたは1Bの分類基準に該当する物質

(f)(a)から(e)には該当しないが同様の懸念のある、内分泌かく乱性を有する物質、持続性、生体内蓄積性を有する物質

 

ここで貴社の成分が第57条の(a)から(f)のどの適用の項目に該当して認可対象物質の対象となっているかについては、認可対象物質リスト2) の詳細の箇所で確認することが出来ます。 また、これらのREACH規則第57条の(a)から(f)の適用の基準となる項目は、既に認可の対象となっている物質であっても適用の基準だけが新たに追加される場合もありますので注意が必要となります。


一方、化粧品規則の第15条で、REACH規則附属書VI第3部でカテゴリー2のCMR(発がん性、変異原性、生殖毒性)物質として分類される物質は使用禁止となっております。 ただし、一定の安全性の評価がなされた場合は使用できます。

また、同様にREACH規則附属書VI第3部で1A、2BのCMR物質として分類される物質は使用禁止となっております。ただし、以下の全ての条件を満たせば使用できます。

・食品規則((EC)178/2002)の食品安全要件に準拠する場合

・利用可能な代替物質が無い場合

・ばく露を伴う既知の特定の用途の場合

・化粧品として使用するために安全性が評価されている場合

なお、この修正法はEU規則2019/831として発効しています。


以上のことから、貴社がEUに輸出する化粧品中の成分が認可対象物質に指定された場合、まず対象の物質が化粧品規則第15条に基づき使用禁止であるCMR物質でないことを確認し、同時にREACH規則に基づき認可の除外対象となるかを確認することで、認可の義務対象かどうかを確認します。

 

認可に関しては以上ですが、化粧品のREACH規則の除外項目として、貴社の製品が最終消費者向けの商品として化粧品規則に従っていれば、サプライチェーンでの情報伝達義務には該当しません(REACH規則第2条第6項)。 また、同じく化粧品規則に従っていれば、化学物質安全性報告書(CSR)で化粧品用途での人の健康に対する用途を考慮しなくて良いとなっています(REACH規則第14条第5項)。

 

1) https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/ALL/?uri=CELEX:02009R1223-20200501


2) https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=uriserv:OJ.L_.2019.137.01.0029.01.ENG


3) https://echa.europa.eu/authorisation-list

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