当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q583.同一成形品を複数のEU子会社を通じてEU域内で販売する場合のSCIPの登録義務について

2020年11月25日更新

【質問】

当社はEU域内の複数の子会社を通じて、EU域内に成形品を輸出しています。 2021年1月より複数の子会社を通じて同じ成形品を輸出する場合、子会社ごとにSCIPへの登録を行う必要があるのでしょうか。

【回答】

廃棄物枠組み指令((EU)2018/851 WFD)注1)第9条1項(i)により、EU市場で0.1wt%以上CLSを含有する製品(成形品)を供給する事業者は2021年1月5日以降これらの製品に関する情報をECHAが管理するデータベースに登録する必要があります。


SCIPデータベースは、CLSのような有害物質の廃棄物の発生を抑制することを目的として作られました。 データベースの情報を廃棄物処理に利用することで、廃棄物の分別を容易にし、リサイクル材の品質を向上させることが期待されています。


SCIPへの登録義務はEU域内での供給者であり、SCIPのFAQ注2)ではSCIPへの登録義務者を具体的に下記の通り記載しています。


 ・EU域内の生産者および組立業者

 ・EU域内の輸入者

 ・EU域内の成形品の販売者および成形品を上市するその他の関係者


EU域内の子会社のうちひとつの子会社(A社)が登録手続を行った場合、同じ製品をEU域内で販売するその他の子会社(B社)は簡易SCIP登録(Simplified SCIP notification :SSN)を利用することができます。注3)

この場合は、A社は通常SCIPの登録として、IUCLID等を用いてSCIP登録に必要な情報を網羅したデータを準備・提出することが必要ですが、B社はA社から入手したSCIP番号を入力するだけで簡易にSCIP登録を行うことができます。

SSNはEU域内の輸入者のサプライチェーンの川下事業者である卸売事業者および販売業者(成形品をそのまま川下に提供する企業)が簡単にSCIPデへの登録を簡単に行えるように開発されたツールですが、貴社の事例にも適用することができます。注4)


注1)

https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/ALL/?uri=CELEX%3A32018L0851


注2)

https://echa.europa.eu/support/qas-support/browse/-/qa/70Qx/view/topic/Waste+Framework+Directive+-+SCIP+database


注3)

https://echa.europa.eu/documents/10162/13567/tools_to_refer_to_already_submitted_sip_data_en.pdf/50ca0226-83d4-d967-f45e-203d04717ddd#:~:text=The%20simplified%20SCIP%20notification%20(SSN)%202.&text=The%20SCIP%20number%20is%20a,)(i)%20of%20the%20WFD.


注4)

https://echa.europa.eu/documents/10162/28639054/simplified_scip_notification_and_parallel_supply_chains_en.pdf/e2cf4989-7c6b-e406-35d7-25df0427c8ab


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