当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q585.付属品のSCIP登録義務について

2020年12月19日更新

【質問】

2021年1月5日以前にEU域内へ輸出した製品の付属品を、2021年1月5日以降に輸出した場合、SCIPデータベースへの登録義務は発生するか教えて下さい。

【回答】

EUに0.1wt%以上CLSを含有する製品(成形品)を供給する事業者は、改正廃棄物枠組み指令(2008/98(EC):指令(EU)2018/851 により修正)注1)第9条1項(i)により、2021年1月5日以降これらの製品に関する情報をECHAが管理するデータべースに登録(情報提供)する必要があります。


改正廃棄物枠組み指令のFAQから、ご質問のポイントを整理します。注2)


まず、登録義務は、2021年1月5日以降に製品を上市する場合に発生します(FAQ:ID1617)。ここでREACH規則の第3条(定義)12項で「上市とは、有償であるか無償であるかに拘わらず、第三者に対して供給又は利用可能にすることをいう。輸入は上市とみなす」と規定しています。 従いまして、2021年1月5日以降に成形品を日本からEUへ税関を通じて輸出した場合には登録義務が発生します。


また、改正廃棄物枠組み指令の対象は、0.1wt%以上CLSを含有する、成形品、複雑な成形品の構成成形品やスペアパーツであり、各々登録する必要があります(FAQ:ID1607)。 ただし、壊れて交換により破棄する成形品(スペアパーツも含む)や複雑な構成成形品は、登録の必要はありません。


以上のことから、ご質問の「2021年1月5日以前にEU域内へ輸出した製品の付属品を2021年1月5日以降に輸出する場合」には、SCIPデータベースへの登録義務は発生することになります。 ただし、スペアパーツがSCIP登録をしている場合には登録は不要となります。


一方、製品をEU市場に上市した時点で登録していなかった代替交換部品を供給する場合は、サプライヤーが既に登録していればその登録番号(SCIP Nomber)を提供してもらい、簡易SCIP登録(Simplified SCIP notification:SSN)(参照:FAQ:ID1696)ができます。

 

ご質問への回答は以上ですが、SCIP登録は、CLSの版番(2020年6月は23版)を入れます。 新たな版が公布された場合は、公布以降に上市する場合は新版で再登録をしなくてはなりませんので注意が必要です。


注1) 廃棄物枠組み指令

https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/ALL/?uri=CELEX%3A32018L0851


注2)廃棄物枠組み指令のFAQ

https://echa.europa.eu/support/qassupport/browse/-/qa/70Qx/view/topic/Waste+Framework+Directive+-+SCIP+database


注3)Tools to refer to SCIP data already submitted to ECHA

https://echa.europa.eu/documents/10162/13567/tools_to_refer_to_already_submitted_sip_data_en.pdf/50ca0226-83d4-d967-f45e-203d04717ddd#:~:text=The%20simplified%20SCIP%20notification%20(SSN)%202.&text=The%20SCIP%20number%20is%20a,)(i)%20of%20the%20WFD.

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