当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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殺生物製品委員会の消毒剤と害虫駆除剤に対する共同体認可決定

2019年7月23日更新


殺生物性製品規則 (EU) No 528/2012 (以降「BPR」) は、従来の殺生物性製品指令98/8ECを引継ぎ2012年7月1日に施行され、2013年9月1日から運用開始された規則です。

本規則では、消毒剤、防汚染剤等の殺生物性製品に加え、殺生物性製品で処理された成形品 (treated article) も規制の対象となっています。

殺生物性製品委員会 (以降「BPC」) は、2019年6月28日に一つの活性物質 (以降「AS」) と製品タイプ (以降「PT」) 組合せの非承認と3つのPTの共同体認可の合計4つの意見を採択 1) しています。

非承認となった内容は、ASであるDBNPA (2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド;2,2-dibromo-3-nitrilopropionamide) に対しPT4 (食品および飼料分野)について承認すべきではないと結論づけた意見を採択しています。

DBPNAは既存活性物質で、当該活性物質を含んでいる殺生物性製品 (以降「BP」)を食品処理容器 (例えば、産業用マヨネーズ、ヨーグルト製造装置、ビール用その他の食品発酵等) の消毒に使用することが意図されています。 それらは使用後に定期的に消毒されます。作業者がDBNPAに接触する職場では消毒と加工プロセスが排他的に発生していて、その職場の作業者にはDBPNAへの暴露の可能性があります。(評価所管当局はデンマーク)

BPRではASの評価に適用する正式な排除と代替の基準を導入し、原則的に以下の有害性がある物質は、ASとしては承認されないとしています(排除基準)。

 -CLP規則の発がん性、変異原生、再生毒性物質カテゴリー1A/1B

 -内分泌攪乱物質

 -PBT物質

 -vPvB物質

ただし、下記の場合は、ASとして承認されることになっています。

(1) 環境、人および動物の健康に対するばく露リスクを無視できることが証明される。

または

(2) 環境、人または動物の健康に対する重大な危険性を防止する/制御するため必要不

可欠なものであるというエビデンスが存在する。

または

(3) その物質の使用により生ずるリスクと比較して非承認の場合に社会に対する影響

が少ないことが示される。

BPCの意見ではDBNPAは内分泌攪乱性を有しているため、PT4において承認することはできないとしています。

BPCは、今回の決定において以下の共同体認可を支持する意見も採択しています。

・PT4 (食品/飼料分野) のオクタン酸(octanoic acid) およびオクタン酸(octanoic acid

とデカン酸(decanoic acid)に基づく殺生物性製品ファミリーに関する2つの申請

・PT18 (殺虫剤、ダニ駆除剤および節足動物制御製品)のペルメトリン(permethrin)とS-メトプレン(S-Methoprene)に基づく殺生物性製品ファミリーに関する申請

ご参考のために、BPRにおけるBPの認可とASの承認等のプロセス下記にまとめました。

BP (殺生物性製品) は有害生物を破壊、抑止、無害化および活動の防止等の抑制効果を使用者に提供するための物質または混合物である。そのためBPには一つ以上の承認されたAS (活性物質) を含んでいなければならなく、BPは上市に際しては所管当局からの認可が必要である。

BP認可について企業はBPの販売を希望する国に応じて以下のような幾つかのプロセスを選択できる。

(1)国家認可と相互認証

製品を単一市場で上市する場合の認可はその国による認可を得ればよい。企業が複数の国に上市を希望すれば製品認可について相互認可が適用できる。

(2)共同体認可

これは、企業に特別の国家認可を必要とせずに共同体全体の市場でBPの上市を可能にしている。共同体認可は、排除基準に適合し、製品タイプ14、15、17、20および21に属するASを含んでいるBPを除くBPに対し共同体横断的使用に同条件で認可される。

新規ASを含んでいるか新規と既存の組合せの場合は、2013年9月1日から共同体認可は適用可能となっている。

既存ASだけを含んでいるBPの場合は、共同体認可は製品タイプにより次の3段階で利用可能となる。

2013年9月1日から : 製品タイプ 1、3、4、5、18および19

2017年1月1日から : 製品タイプ2、6および13

2020年1月1日から : 製品タイプ7、8、9、10、11、12、16および22

(3)簡易認可

懸念物質を含んでいない規則で特定されているクライテリアに適合する製品に対する簡易化された手続きもある。

ASはそれらを含有しているBPに対する認可が認められる前に承認されていなければならない。

ASの承認は、以下の手続で行われる。


すなわち、評価加盟国の所管当局により評価後、BPCによって270日以内にまとめられた意見に基づき、欧州委員会により承認決定がなされる。ASの承認は10年を超えない範囲で認められ、見直しされる。

ASの承認の際に対象となる製品タイプ (PT) は附属書Ⅴに収載されている以下の4グループ22製品タイプがある。(BPR 附属書Ⅳ)

1.消毒剤 (ヒト用衛生製品、ヒトや動物以外に使用される消毒剤、殺鼠剤等: PT1~PT5)、2.保存剤 (缶詰等の保存剤、フィルム保存剤、木材保存剤等: PT6~PT13)、

3.有害生物抑止剤 (ネズミ駆除剤、鳥駆除剤、殺魚剤、忌避剤と吸引剤等: PT14~PT20)、4.その他の殺生物性製品 (汚染防除製品、死体、ミイラ、剥製防護保存用液体: PT20、PT22)


1)

https://echa.europa.eu/-/biocidal-products-committee-concludes-on-union-authorisations-for-disinfectants-and-pest-control


(担当: 瀧山 森雄)

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