当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • tkk-lab

REACH規則付属書ⅩⅦエントリー63 委員会規則修正案WTO報告

2019年8月30日更新


欧州委員会 (以降「EC」) は、2019年7月12日に掲題の委員会規則修正案 (以降「修正案」) をWTOに報告しています。1)


修正案は、2019年度の第Ⅲ四半期に発効することを見込んでいます。

本修正案はREACH規則附属書ⅩⅦ(制限)のエントリー63 (鉛および鉛化合物)の第2列(制限の条件)に11項~18項を付加する提案となっています。(現行のREACH規則附属書ⅩⅦのエントリー63においては、1項~10項までの制限の条件が規定されています。)

修正案の概要は以下のとおりです。


金属換算で鉛の濃度が塩化ビニルのポリマー/コポリマー材料(以下、PVC)の重量比0.1%以上であれば、鉛および鉛化合物の使用を禁止し、同時に鉛および鉛化合物を含有する成形品の上市を禁止するものです。

WTOに報告されている修正案よればEU官報の公布後20日目に発効します。

修正案に掲載されているREACH規則附属書ⅩⅦのエントリー63の第2列(制限の条件)に追加される11項~19項の内容は下記の通りです。


11. PVC の成形品に (鉛/鉛化合物)を使用してはならない。

12. 鉛濃度 (金属換算) がPVCの重量比0.1%以上の場合(鉛/鉛化合物を含有する)PVC成形品を上市してはならない。

13. 11項と12項は本規則発効の24ケ月後から適用する。

14. 適用除外として、下記の場合は、11項と12項は適用されない。

(a) 鉛の濃度 (金属換算) が再生PVC材料の重量比2%以下の場合、再生硬質PVC含有の以下の成形品には本規則発効から15年間

― デッキとテラスを除く建設および土木工事用の外装用のプロファイルおよびシート

― デッキとテラス (再生PVCを中間層として新規PVCまたはその他の材料が外側を覆っている成形品の使用期間中、鉛含有ダストの滲出と形成を防止する場合)

― 建物の隠れたスペースまたは隙間およびメンテナンス以外には通常の使用期間中はアクセスできない場所 (例えばケーブルダクト) で使用されるプロファイルとシート

― 内装用のプロファイルとシート (建物の居住エリアに面しているプロファイルまたはシートの表面が新規のPVCまたはその他の材料で製造され、成形品の使用期間中鉛含有ダストの滲出や形成を防止する場合)

― 再生PVCが中間層に使用され新規のPVCが外側全体を覆っている多層パイプ(飲料水用パイプを除く)

― 付属品 (飲料水用パイプの付属品を除く)

上記の適用製品中、再生PVCを覆っている成形品の使用期間中鉛含有ダストの滲出と形成を防止する層の鉛の濃度 (金属換算) は、使用材料の重量比0.1%以下であること。

(b) 鉛の濃度 (金属換算) が再生PVC材料の重量比1%未満の場合、軟質PVC含有の以下の軟質成形品は本規則発効から15年間

― 家畜小屋および温室用マット

― 騒音吸収シート

― 多層ホース、屋根用材料および防水材料、道路用調度および交通制御および職業用履物類用の成形品。本規則発効6年後からは、この適用除外は、成形品に使用されている再生PVCが新規のPVCまたはその他の材料で完全に囲われ、成形品のサービス期間中鉛含有ダストの滲出、形成を防止する場合にのみ適用される。 上述の適用製品に再生PVCとの組合せで使用される成形品の使用期間中に鉛含有ダストの滲出と形成を防止するその他材料の鉛濃度 (金属換算) はその他材料の重量比0.1%以下であること。

(c) 鉛蓄電池のPVC-シリカセパレータは、本規則発効後10年間

(d) 2~5項に従い、1項によりカバーされる成形品および8項および10項に従い、7項によりカバーされる成形品

(e) 以下の適用範囲内の成形品

― 規則(EC) No 1935/2004 (食品接触材規則)

― 指令2011/65/EU (RoHS指令)

― 指令94/62/EC (包装容器指令)

― 指令2009/48/EC (玩具指令)

15. 14項(a)および(b)に収載の硬質および軟質PVCのサプライヤーは、成形品の上市前に、「再生PVCを含んでいる」旨の視認性がよく、読み易くかつ消え難いマークを製品に付けなければならない。

マーキングは同様に、上市前の再生PVCを含んでいる包装にも適用される。

16. 14項 (a)および(b) に含まれる硬質および軟質PVC成形品のサプライヤーは成形品中の再生PVCの供給元を実証するための証拠書類を要求があれば国家執行当局に提出しなければならない。

EN15343もしくは同様の規準 (standard) にしたがって、開発されたトレーサビリティおよび再生内容の証明を提供するためのスキームにより発行された証明書は共同体で製造された成形品であることを実証するために使用できる。輸入成形品中の再生PVCの供給元に関するクレイムは、サードパーティーが発行する証明書が添えられていなければならない。

17. ECはREAVH規則第69条従い本規則発効の10年後までに14項(a)および(b)に規定されている適用除外をレビューしなければならない。

18. 12項は本規則発効後24ケ月以前に上市されていたことが証明できる成形品には適用されない。

19. 11項と12項は以下の顔料には適用しない。

― 鉛サルファクロメートイエロー  (EC No : 215-693-7, CAS No : 1344-37-2)

― 鉛クロメートモリブデイトレッド (Ec No : 235-759-9 , CAS No : 12656-85-8 )


(瀧山 森雄)


引用

1)

https://ec.europa.eu/growth/tools-databases/tbt/en/search/?tbtaction=search.detail&Country_id=EU&num=668&dspLang=EN&basdatedeb=&basdatefin=&baspays=HUN&basnotifnum=30&basnotifnum2=&bastypepays=&baskeywords=&CFID=1080225&CFTOKEN=1c9fcdfe40baac11-B95AFB0C-C50A-C2C7-2749420577A70A35

0回の閲覧

© 2011-2019  一般社団法人東京環境経営研究所

  • Facebook - White Circle
  • YouTube - White Circle
  • アマゾン - ホワイト丸