当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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欧州共同体ローリング・アクション・プラン2020-2022 (Community Rolling Action Plan : CoRAP ) 2020-2022 概要

2019年11月15日更新

欧州化学品庁 (ECHA) による欧州共同体ローリング・アクション・プラン (以降「CoRAP」) はREACH規則 (第44条~第48条) に基づき潜在的なリスクを証明するための物質評価プロセスです。

CoPAPはREACH規則の前文 (20) が根拠となっています。全文 (20) の内容は以下のとおりです。(REACH規則 環境省仮訳から)


「評価に関する規定は、登録が本規則の要件を遵守しているかの審査や、必要な場合には物質の特性に関してより多くの情報の作成を可能とさせることを可能とするよう、登録のフォローアップを用意すべきである。 化学物質庁は加盟国と強調しつつ、ある物質が人の健康または環境に対してリスクを与えるとみなす根拠がある場合には、物質評価のための欧州共同体ローリング・アクション・プランに含めた後、加盟国の権限ある当局を頼みとしてその物質が評価されることを確実にすべきである。」

CoRAPは、2012年に2014年までの3年間に評価する90物質を公表しスタートしています。以降、当該年度を含む3年間の評価化学物質見直しが毎年継続的に行われてきました。 ちなみに2012年以降の評価計画物質は、以下のようになっています。 2012年 (36) 、2013年 (47) 、2014年 (50) 、2015年 (48) 、2016年 (41) 、2017年 (22) 、2018年 (50)


CoRAPにおいては、その使用が人の健康、環境にリスクを呈するかどうかを証明するために評価担当加盟国が物質の評価を行います。 その過程で必要ならば疑わしい懸念を検証するために登録者から更に情報を要求する場合もあります。 評価においでは最終的な物質のリスクは既に実施済みの措置の対象であるとの結論の場合もあれば、そうではなく制限、高懸念物質への特定、調和化された分類、またはREACH規則の範囲外のその他のEUベースのリスクマネジメント措置の要求が導入される場合もあります。


評価対象物質の選択にあたり、ECHAは加盟国と協調してリスクベースで基準を定め、加盟国委員会の意見に従って、選択された物質をECHAがCoRAPにリストしています。

リスト収載の個々の物質に対し評価担当の加盟国が指名されています。


CoRAP収載物質に対する当初の選定理由には評価範囲は限定されていませんが、加盟国は評価期間中に懸念物質に対する結論を出すための証明の必要性から他の懸念を特定するかもしれません。

また、加盟国は評価した分野の他の分野に評価に焦点を当てるかもしれません。 物質評価プロセスは、同じ物質の登録者からのすべての登録ドシエの評価を行い、その他の利用可能な情報もまた考慮されます。


評価担当加盟国は、懸念を証明するために登録者から更に情報を要求する必要があるかどうかをCoRAPの公表から12ケ月の期間中に決定すればよいとされています。

その要求はREACH規則の標準要求 (附属書Ⅶ~Ⅹ) を超えているかもしれません。そして、物質固有の特性またはそのばく露に関係しているかもしれません。

更に情報が必要であるという意見に対しては、すべての他の加盟国とECHAとで共有され両者間で一般的合意を達成しなければなりません。 ECHAはそれが必要であれば、更なる情報要求に対する決定を行います。


2019年10月23日に現行のCoRAP 2019-2021を更新し2020-2022の3ケ年をカバーする計画草案リスト1)が公表されました。 草案リストには76エントリーが含まれています。 そのうちの60物質は2021年と2022年の評価分として割り当てられています。14物質は2020年に評価する計画となっています。 リストには新たに加盟国に割り当てられた7物質が含まれています。 2019年5月19日に公表されていた更新CoRAPに収載されていた69物質の中から加盟国は新情報や状況変化により、評価の優先順位が低いあるいは不必要であるとして2物質の取下げを特定しています。

(取下げ対象物質は、CAS No. 29253-36-9 Isopropyl naphthaleneおよび CAS No. 64194-22-5 3-methyl-1,5-pentanediyl diacrylateの2物質)


この段階のリストには、機密でない物質、CASおよびEC番号、懸念物質とした根拠および物質評価担当加盟国の連絡先が含まれています。

構造的に同様な物質は、情報に対する特別欄に指定されています。

この計画草案は物質の選択に対する基準を考慮し、加盟国と緊密に協調して準備されてきました。 多くの場合、懸念は幅広い用途や消費者用途と結合してPBT特性、内分泌かく乱性、発がん性、変異原性及び生殖毒性と関連しています。

一般に、これらの物質の用途は多様な面をカバーし、特定の産業、職業または消費者用途に制限されていません。


CoRAP変更草案は2019年10月10日に加盟国の権限ある当局及びECHA加盟国委員会に提出されていました。 加盟国委員会 (Committee) からは、このCoRAP変更草案に関する意見が2020年2月に提出される予定になっています。 委員会の意見に基づいてECHAは、2020年3月18日に更新CoRAP 2020-2022を採択し、公表することを目指しています。


ECHAは、CoRAP変更草案を公表することにより、ステークホルダーに対し達成された経過を通知し、関連する登録者と評価担当加盟国との間の早期コミュニケーションが促進されることを望んでいます。


(瀧山 森雄)


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