当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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TSCAインベントリー活動の届出 (NOA) フォームB Q&A

先週の当欄Q&Aにおいて、改正TSCA インアクティブ物質の輸出に際し、輸出業者の必要な手続きについてのQAが取り上げられています。 改正TSCAは、2016年6月22日に公布され、改正法施行前の10年間 (2008年6月21日~2016年6月21日) に商用目的で製造、加工されていたものがアクティブ化学物質、そうでないものをインアクティブ化学物質としています。 インアクティブ物質を2019年8月5日以降に商用目的で製造・輸入する場合には、その90日前までに活動の届出 (Notice of Activity : NOA ) 様式Bが義務付けられています。 EPAは、2019年3月にNOA 様式B (NOA form B) に関するQ&A (1)を公開しています。 (TSACA Inventory Notice of Activity Form B Questions and Answers) 本コラムにおいては以下に上記Q&Aの概要を紹介いたします。 (問1) EPAは、製剤または混合物中の1つ以上の機密化学物質はアクティブなので、NOA 様式Bの提出を要求されていない旨をサプライヤーが証明している文書を信頼している人を斟酌するか ? (回答) TSCA 文節8 (b) (5) (B) (ⅰ) はインアクティブ化学物質を商用目的で製造、加工をする人に対し、製造、加工日以前に当局 (Administrator) へ届出することを要求している。 製造者、加工者はEPAウェブサイト (https://www.epa.gov/tsca-inventory) 上のTSCAインベントリーにアクセスし、特定化学物質名または当該特定化学物質が機密である時はEPA承認番号 (accession number) および一般名により物質を検索し、物質のアクティブ/インアクティブを決定することができる。 サプライヤーにより特定化学物質が機密とされ、EPA承認番号と一般名が製造者、加工者に知られてないため、製造者(輸入者を含む)、加工者が物質の商用活動指定を決定できない場合は、製剤または混合物のケースであるかもしれないので、製造者、加工者はTSCAインベントリー上で既に、アクティブに指定されているサプライヤーによる証明文書/メールの確認を信頼するかもしれない。それ故、NOA 様式B報告を条件としていない。 製造者、加工者は物質が第三者の営業秘密情報 (CBI)であるため物質の商用活動ステータスに確信がなく、物質のEPA承認番号や一般名を知らない場合、製造者、加工者は40CFR 710.29 (d) (4) (ⅰ) ~ (ⅲ) に従いNOA様式Bの共同提出を開始してもよい。 電子報告アプリケーションはサプイヤーに対し、機密物質はアクティブであり報告できない旨の証拠資料を添付することをオプションに含んでいる。 TSCA文節ⅷ(b)(5)(B)(ⅰ)において、非商用目的でインアクティブに指定されている化学物資を製造、加工を意図する場合には、当該化学物質を製造、加工する日までに当局に届出をしなければならない。このようにNOA様式Bが提出されていない場合、企業はインアクティブ化学物質を製造 (輸入を含む)、加工することは法により認められていない。


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(問2) サプライヤーがNOA 様式B共同提出要求の対応に失敗した場合、共同提出を開始した人はフォワードルッキングレポーティング (以降「FL報告」) への適合義務があるか? (回答) 共同提出要求はサプライヤーが適切にEPAに第二次提出 (secondary submissions) を提供することを要求している。しかし、EPAがインアクティブ物質をアクティブとして再指定するためには完全で有効な様式Bが提出されなければならない。 この必要条件は、NOA様式 B届出に対して責任ある人 (共同提案開始者)が物質は第三者のCBIであるために40CFR710.29で要求されている情報を提供できない場合のシナリオに適用する。 上記シナリオでは、届出に責任ある人は、40CFR710.29(d)(4)(ⅰ)~(ⅲ) によって、共同提出を開始すべきである。 共同提出では、すべてのサプライヤー等共同提出関係者が要求された情報を提出するまでインアクティブ物質がアクティブ物質として再指定されることはない。 共同提出を開始した人は、様式B共同提出の開始後90日以内に予想される製造、加工活動に対するFL報告義務にしたがっている。しかし、サプライヤーが共同提出の完了に失敗したため物質がインアクティブのままの状態であれば、当該の物質の製造、加工に際しては新規のNOA 様式Bが要求される。  (問3) この時点で修正される様式AをEPAは認めるか ? 報告期限までに様式Aの届出をすることに失敗した人によるこの時点での様式Aの提出をEPAは認めるか ? (回答) いいえ。回顧報告 (retrospective reporting ) で要求されている提出期限180日は、法で定められている最大期限である。  [TSCA section 8(b)(4)(A)(ⅰ) 参照]   したがって、EPAは、報告期限が過ぎて提出された修正あるいは新規の様式Aを認めていない。 Comment 20 in the Response to Comments Document for more information もし、回顧報告期間に非除外目的で商用化物質に要求されているNOA様式Aの届出に失敗したことに気づいた場合は、EPAの自己開示政策 (Self- Disclosure Policies) に従い、自己開示すべきである。 [https://www.epa.gov/compliance/epas-edisclosure] もし、企業がFL報告期間中に非除外目的で物質の商用活動の継続を予想し、TSCAインベントリー上で当該物質の商用ステータスがインアクティブであれば、企業はFL報告義務があり、NOA様式B提出すべきである。 (問4) 企業が様式Aと様式B報告の移行期間中 (2016年6月22日以降およびインアクティブ指定の有効日以前) に物質を商用化し、その活動がFL期間に継続することを予想する場合、NOA様式Bの製造、加工開始日はどのように記載すればよいか? (回答) もし物質のインアクティブ指定有効日以前にFL届出が提出されていれば、非除外商用目的のための製造、加工を開始している企業は、予想されている将来期日に代えて最新の製造、加工日を提出してもよい。40CFR710.29(c)(2) 参照 もし、様式Bの報告期間開始前に物質の製造、加工を中止する場合は、商用活動報告義務はない。 しかし、移行期間中にインアクティブ物質の商用化を行い、活動がFL報告期間まで継続することが予想されるならば企業はNOA様式Bを届出しなければならず、将来予想される日に代えて製造、加工した直近の日を記録してよい。 これは遡及報告期間中に最近のインアクティブ証明を持つ物質を商用化したもののNOA様式Aを届出しなかった企業にも同様に適用される。 もし、そのような企業が移行期間中に商用活動を継続し企業活動がFL報告期間中継続することを予想するならば、企業はNOA様式Bを届出しなければならず、将来予想される日の代りに製造、加工の直近の日を記録してよい。 (問6) NOA様式B提出の有効日とは何であるか? (回答) 様式B提出の有効日はEPAにより電子的に受領されている日である。 CDX (中央電子交換) で、例えば、EDT (東部夏時間) またはEST (東部標準時間) の午後11:59に受領された提出は当日受理されたとみなされ、一方、EDT (東部夏時間) またはEST (東部標準時間)の午前12:01に受領された提出は翌日に受理されたものとみなされる。 (問7) もし、FL報告期間中にTSCA文節5(h)(4)除外 (例えば、ポリマーまたは低生産量除外) の下で物質の製造、輸入が予想され、物質がTSCA文節5(h)(4)除外によりTSCAインベントリー上にない場合、当該物質は規則のFL報告要求下での報告を要求されるか? (回答) TSCAインベントリーに未収載化学物質は商用活動報告を条件としていない。TSCAインベントリー上にない物質は、電子アプリケーションのピックリストに含まれいていないので、企業はTSCAインベントリー未収載物質を報告することはできない。 See response to comment 1 in the Response to Comments document for more information (問8) 物質がインアクティブでFL報告期間中に既存のTSCA文節5(h)(4)除外 (例えば、ポリマーまたは低生産量除外) の下で製造もしくは輸入が予想され、当該物質の製造前届出、開始届を別の企業が提出している場合、その物質はTSCA文節5(h)(4)除外の下で製造、輸入を予想している企業に対しFL報告要求下での報告が要求されるか? (回答) 企業によりインベントリーの機密部分に関し、インアクティブ物質の存在が知られていないか合理的に確認できていないならば報告を要求される。 インベントリーの機密部分に関し、インアクティブ物質の存在が知られていない又は合理的に確認できていない場合は、40CFR710.25(c)の下ではFL報告は要求されていないことがアドバイスされている。 EPAは、インベントリーの機密部分の物質の存在は、TSCA文節5(h)(4)除外の下で操業している企業および当該物質の明確な化学的同一性に対する機密要求を提出していない企業により知られていないもしくは合理的に確認されていない情報かもしれないと予想している。 しかし、EPAはインベントリーの公表部分に関し、機密でない物質の存在は、TSCA文節5(h)(4)除外の下で操業している企業により知られているかまたは合理的に確認されている情報であると予想している。 response to comments 1 in the Response to Comments document for more information (問9) 共同提案 9-1 NOA様式B共同提案で報告されているマルチ企業サプライチェーンシナリオは? (回答) A企業はB企業向けに物質を製造しており、B企業はC企業向けに物質を加工している。C企業は物質の輸入者である。B企業とC企業は物質の化学名を知らない。そしてC企業はA企業の名称を知らない。当該シナリオでは、C企業はB企業にユニークなIDのメールで共同提案を開始する。B企業は、A企業にユニークなIDでメールを送信する。そして、A企業は共同提出に対応する。 9-2 もし、TSCAインベントリーで化学物物質がアクティブとして指定されている場合、サプライヤーがNOA様式B共同提出要求を受理した場合どのように報告すればよいか? (回答) NOA様式B共同提案要求に対して、サプライヤーは、報告要求物質が既に、アクティブなので、報告できない物質であることをドキュメントするためにアプリケーションの「Contents Non-Reportable」boxをチェックしなければならない。 もしサプライヤーが報告要求物質を報告できないならば、共同提案を開始した企業にその旨通知し、企業による共同提案取下げを要求しなければならない。 9-3 サプライヤーが共同提出要求に応じてセカンダリーフォームを提出した時、NOA様式B共同提出要求を開始した企業はメールその他の通知をEPAあるいはサプライヤーのいずれから受理するか? (回答) サプライヤーが共同提出要求に応じてセカンダリーフォームを提出する場合、NOA様式B共同提出要求を開始した企業はEPAからメールその他の通知は受領しない。 EPAは不完全な共同提出の提出者を通知することを意図している。 (問10) 電子報告アプリケーションでインアクティブ化学物質を捜査し、物質は見つからない (not found) 旨のエラーメッセージを受理した場合、企業は何をすべきか? (回答) 企業が報告しようとする物質を確認することができなかったら、EPAにコンタクトすべきである。EPAは電子報告アプリケーションのピックリスト中の物質のステータスを処理し、必要な修正を行う。EPAにコンタクトするときは、機密でない内容の通知は tscainventory@epa.gov. にメールすることで可能である。

機密である内容の通知には、Pollutant Prevention and Toxic 事務所のDocument Control Office にメールしなければならない。  (以下略) (問11) 化学物質を一括 (バッチ方式) でアップロードする場合、制限はあるか? (回答) バッチ方式でアップロードする場合、可能な物質数は制限されていない。 しかし、使用しているブラウザの能力のため、大量バッチのアップローディングがタイムアウトをするかも知れない。 (問12) 認定代理人 (例:コンサルタント) は企業に代わり、NOA形式Bの提出可能か? (回答) 両者間の契約に基づき、企業の認定代理人はNOA形式Bを提出可能である。電子報告アプリケーションは企業に代わり代理人がNOAを提出することを認めている。 (問13) 認定代理人または二次認定オフィシャルは共同提出要求に応じてセカンダリーNOA形式Bを提出できるか? (回答) 電子報告アプリケーションは、認定代理人、セカンダリー認定オフィシャルに共同提出要求に応じてセカンダリーNOA形式Bを提出することを認めている。 (瀧山 森雄) 引用 1) https://www.epa.gov/sites/production/files/201907/documents/tsca_inventory_notification_active-inactive_rule_questions_and_answers_on_noa_form_b_.pdf

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