当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q565.適合性宣言書(Declaration of Conformity(DoC))の改訂について

2019年8月30日更新


【質問】 RoHS指令では、附属書III、IVなどの改定が頻繁に行われています。それに伴って、適合性宣言書(Declaration of Conformity(DoC))の改訂も必要になるのでしょうか。

【回答】

RoHS(II)指令第7条では製造者の義務として以下の10項目が定められています(概訳)。


(a)第4条の要求に従い設計、製造されていることを確実にすること

(b)技術文書を作成し、モジュールA(内部生産管理)に従った手続きを実施すること

(c)適合宣言書(DoC)を作成しCEマークを貼付すること

(d)技術文書と適合宣言書(DoC)を10年間保存すること

(e)適合性維持のための手順が確実に決定されていること

(f)不適合時のリコール記録の保持と告知が可能であること

(g)製品を特定できる製造番号等の貼り付けを行うこと

(h)製造業者名、商標名、連絡先等の表示を行うこと

(i)不適合時のリコール等対応措置と報告を行うこと

(j)当局からの要求時には情報提供を行い、適合化行動に協力をすること


適合宣言書の作成は(c)項として規定されているため、必ず作成されなければならないものです。


その適合宣言書については第13条で規定をしており、

1、第4条の要求に適合していることを明記する

2、付属書Ⅵで特定される内容を含み、更新されなければならない

3、適合宣言書の作成により、指令の遵守に対して責任を負う

としています。 上記2に明記されている通り、変化に合わせた更新が必要です。

ご質問の、指令の改定の主なでは以下があげられます。


・付属書Ⅱ 制限物質

2015年の4種類のフタル酸エステル類の追加公示(カテゴリー8、9は2021年7月から。 それ以外のカテゴリーは適用済み)が大きな話題になりましたが、「当指令の附属書は、とりわけREACH規則の附属書XIV(認可物質)とXVII(制限物質)を考慮し、定期的に見直されなければならない(前文10より)」、「附属書Ⅱの見直しおよび改定は、特にREACH規則で実施される作業との一貫性を保ち、相乗効果の最大化と、補完的性質を反映させなくてはならない(前文16より)」とされています。 今後もREACH規則の動向を注意するなど情報収集に努め、改定に合わせた対応と適合宣言書等の作成が必要です。


・付属書Ⅲ、Ⅳ 適用除外用途

付属書Ⅲは全てのカテゴリー、付属書Ⅳはカテゴリー8、9を対象とした技術的に代替が困難な場合の適用除外用途が定められており、第5条1のaでは - 設計変更や付属書Ⅱに収載されている物質を含まない物質や部材(の使用)による特定有害化学物質の除去・代替が、科学的・技術的に不可能である

- 代替物質の信頼性が確かでない

- 代替物質(の使用)による環境、健康、消費者安全に対する悪影響が、その便益を上回りそうである

等の場合には、適用除外用途を追加すること、bではそれらの条件がなくなった場合にはリストから削除することを定めています。


貴社製品の用途に関する改定があった場合には、その改定に対する適合化を実施したうえで、適合宣言書(技術文書を含む)を改定することが必要となります。

CEマーキング貼付の手順のガイダンスである「EU製品規則の実施に関する ’ブルーガイド’ 2016」1)では、製品への要求について解説をしている4章の中でEU適合宣言書について、「ISO17050-1(適合性評価‐供給者宣言)は、適合宣言の一般的な基準を提供する目的で作成されている」としています。

ISO17050-1の「10 適合宣言の継続的妥当性」の中では、「10.2 次に示す状況が生じた場合に適合宣言の有効性を再評価するための手順をもち,実施しなければならない。b) 対象の適合を表明する根拠となる規格の変更」とされており、前記の指令の改定はこの「10.2 b)」にあたると考えます(引用は全て一部分)。


また、指令改定に合わせた対応に加えて、上記「10.2」には「 a) 設計または仕様に著しく影響を与える変更、c) 関係がある場合は供給者の所有権または経営構造の変化、d) 製品が要求事項にもはや適合しないことを示す情報がある場合」とあります。 「10.1 対象が,適合宣言書に表明された要求事項に対して引き続いて適合することを確実にするための手順をもち、実施しなければならない」としていることと併せ、設計・工程やサプライヤーの変化への監視の継続と、変化があった折の対応を行うことができる手順を構築して行くことが肝要だと考えます。


1) https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:52016XC0726(02)&from=BG

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