当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • tkk-lab

Q567.RoHS指令の鋼材中の合金元素としての鉛の適用除外

2019年9月27日更新


【質問】 RoHS指令での、鋼材中の合金元素としての鉛の適用除外ですが最近再延長されたのでしょうか。 適用除外期間延長に関する最新の情報はどうやって調べたらいいか教えてください。

【回答】

鋼材中の鉛については2018年5月18日の官報(Commission Delegated Directive(EU)2018/7391))により附属書III6(a)が改訂され、以下のようにカテゴリー別に期限が延長されました。


6(a)

機械加工用途の鋼材および亜鉛めっき鋼中に合金元素として含まれる0.35wt%までの鉛

・カテゴリー8,9(体外診断医療装置および産業用監視制御装置以外):2021/7/21まで

・カテゴリー8(体外診断医療装置):2023/7/21まで

・カテゴリー9(産業用監視制御装置)とカテゴリー11:2024/7/21まで

6(a)-I

機械加工用途の鋼材中の合金元素として含まれる0.35wt%までの鉛と溶融亜鉛めっき鋼中に含まれる0.2wt%までの鉛

・カテゴリー1-7と10:2021/7/21まで


これらの期限の再延長は現時点(2019年9月)では確認できませんでした。 適用除外に関しては、最長5年または7年の延長までしか認められておらず、さらなる期限延長を求める場合は、RoHS(II)指令第5条および附属書Vに従い、除外期限の18カ月前までに更新申請を行うよう規定されています。 本件の例では、上記項目のうち、最短の期限である2021年7月21日の項目については2020年1月21日が更新申請の期限となります。 欧州委員会が公表している2019年2月7日時点の適用除外用途リスト2)では、6(a)や6(a)-Iに対する更新申請はまだなされていません。 前回(Pack9)の例では締め切り間際に申更新請が殺到しましたので延長期限前後の情報に注意が必要です。


更新申請受理後、調査研究委託機関により調査が行われ、その報告書を基に欧州委員会で審査・立法された(新コミトロジー手続き)後、欧州議会と理事会から異議がなければ附属書III6(a)、6(a)-Iの改訂が官報により公告されます。


なお、更新申請が受理されると更新申請に対する結論が決定するまでは、有効期限後も現在の適用除外の内容がそのまま有効となります。 一方、期日までに更新申請がない場合は、定められた有効期限で終了となり、以降は使用が出来なくなります。 適用除外の申請手順や過去および現在進行中の技術審査の状況についての情報がEUのHP3)に出ていますのでこちらも参考になります。


なお、最新の官報の調査方法は、欧州連合の法令関連公開サービスであるEU-lex(EU法データベース)4)を用います。 鉛の適用除外に関する官報を調べたい場合は、検索ボックスに例えば「RoHS exemption lead」と入力し検索ボタンを押した後、「Sort by」を「Document Date」にすると最新のものから並びます。 検索キーワードがハイライトされますので、関連文書を確認することができます。


(参考サイト)

1) https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=uriserv%3AOJ.L_.2018.123.01.0103.01.ENG

2) https://ec.europa.eu/environment/waste/rohs_eee/pdf/Exemptions%20list%20-%20validity%20and%20rolling%20plan_7Feb%2019_public.xlsx

3) https://ec.europa.eu/environment/waste/rohs_eee/adaptation_en.htm

4) https://eur-lex.europa.eu/homepage.html?locale=en

7,815回の閲覧

最新記事

すべて表示

Q586.快削リン青銅:C5441BはRoHS指令に適合するか

2020年10月02日更新 【質問】 弊社はお客様の図面を基に製品を製作しております。 快削リン青銅:C5441Bを使用している物がありますが、規格では鉛の含有率が3.5%~4.5%となっています。 サンプルの実測データは4%以下でした。 RoHS指令の適用除外項目6(c) 「鉛の含有量が4wt%以下の 銅合金」として出荷できるでしょうか。 【回答】 削リン青銅のJIS H 3270:2012 C

Q585.RoHS(II)指令の分析データの有効性について

2020年09月11日更新 【質問】 電気電子機器の部品を製造しています。 販売先よりRoHS(II)指令の調査の依頼があり、分析データを提出する予定です。 その分析データはISO17025の認定試験所で分析したものでないと有効ではないのでしょうか。 【回答】 ISO/IEC 17025は試験所認定と言われており、特定の種類の試験及び構成を実施する試験所の技術能力を証明する手段の一つです。 認定を

Q584.EU離脱後のイギリスでのCEマーキング対応について

2020年09月04日更新 【質問】 当社は電気電子機器をEUに輸出しています。 今回、イギリスへの輸出を検討していますが、EU向けの製品に貼り付けているCEマークをそのまま使用可能か教えていただけるようお願いいたします。 【回答】 英国はBrexit後も2020年12月末までを移行期間とし、CEマーキングを従来通り使用できるとしています。 2021年以降はできるだけ早く新しい英国のマーキング制度

© 2011-2019  一般社団法人東京環境経営研究所

  • Facebook - White Circle
  • YouTube - White Circle
  • アマゾン - ホワイト丸