当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q572.中国子会社でのCEマーキング

2019年12月20日更新


【質問】 中国に製造・販売子会社があり、本社の製品を製造販売しています。 本社が技術文書と適合宣言書を作成して本社名でCEマーキング銘板を貼付したものを、中国の子会社がEUに販売するのは問題ないでしょうか。 また、中国子会社名でCEマーキング銘板を貼付する場合に本社作成の技術文書をそのまま利用することはできますか。

【回答】

RoHS(II)指令では第7条において製造者の義務を以下のように定めています(概訳)。

(a)指令の要求(第4条)に従った設計・製造を確実に行う。

(b)技術文書を作成しモジュールAによる内部生産管理を実施する。

(c)EU適合宣言書を作成しCEマーキングを貼付する。

(d)技術文書とEU適合宣言書を上市後10年間保存する。

(e)シリーズ製品の適合性維持と整合規格等の変更への対応手順を確実にす

る。

(f)非適合製品のリコール記録の保持と流通業者への告知を可能とする。

(g)製品を特定できる製造番号などを表示する。

(h)製造者名、商標、連絡先を表示する。

(i)非適合製品の適合化やリコールなどの処置の実施と、当局への報告を行

う。

(j)当局からの要求時には情報提供と適合化に協力する。


ご質問中にある「技術文書の作成」「適合宣言書の作成とCEマークの貼付」は(b)(c)項としてあげられていますので製造者が実施する必要がある事項です。 製造をされていない貴社が製造者にあたるのかどうかという点に関しては、製造者が第3条(6)において「EEEを製造する、または設計・製造されたEEEを有して自らの名称・商標で上市する、自然人または法人」と定義されていることから判断が可能です。 すなわち、製品に名称・商標が記載された貴社が製造者となり、前記の義務を負うこととなります。


1)本社名を製品に明記する場合

貴社の現状は「設計・製造されたEEEを有して自らの名称・商標で上市する、自然人または法人」であるため、直接製造はされていないものの、指令で定義されている製造者にあたります。 すなわち、技術文書と適合宣言書の作成、CEマーキングの貼付、子会社の製造管理は製造者として当然の義務となります。 子会社は製造を行っているものの、製造委託先であり、かつ商社や販売代理店のような立場となります。 またこの時、子会社が海外現地法人なのか国内法人なのかは関係がありませんので、現状は問題ないと考えます。


2)子会社名を製品に明記する場合

一方、同製品に子会社名でCEマーキングを行う場合は、表示された子会社は「EEEを製造し、自らの名称・商標で上市する、自然人または法人」であるため、名実ともに製造者にあたると考えるのが一般的です。 その結果、貴社が実行されていた製造者としての義務は、その全てが子会社の義務となります。 特に、現在使用されている適合宣言書は製造者としての貴社名で作成されていますので、製品や一連のプロセスが同一であるとしてもそのままの形で流用することはできません。 子会社名での文書作成が必要となります。また、技術文書は製造者名での作成が義務ではありませんので、流用も可能です。


ただし、言わずもがなにはなりますが、製造者は製品の適合性評価・維持など指令の遵守に一義的に責任を負います。 子会社の役割や意識を変えることなく、単に書類の製造者情報を変更し、流用するにとどまることには注意が必要です。

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