当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q572.電気電子部品以外へのRoHS指令非含有証明要求

2020年1月10日更新

【質問】

当社で製造している部品は電気電子部品ではありませんが、取引先からRoHS指令の非含有証明を要求されています。 どのように対応したらいいのでしょうか。

【回答】

RoHS指令は、WEEE指令による廃電気・電子機器(EEE)のリサイクルを容易にするため、また、最終的に埋立てや焼却処分されるときに、ヒトや環境に影響を与えないように電気・電子機器について有害物質を非含有とさせることを目的として制定されています。


ご質問の電気・電子部品ではない部品の対応については、RoHS指令のガイダンス文書1)(欧州委員会が2012年12月12日にリリースした FAQガイダンス文書)のQ7.3でわかりやすく説明されています。 それを要約しますと「電気・電子機器はさまざまな部品で構成されているが、ファスナーやデスクトップコンピューターのプラスチックケースなどの非電子または非電気部品を含むすべての構成部品がRoHS 指令の物質制限要件を満たす場合にのみ、物質要件を満たすことができる」とされており、貴社が製造している部品自体が電気・電子部品でなくても、その部品が電気・電子機器に組み込まれ、それらの最終商品(成形品)がEU域内へ輸出される場合には、貴社の部品もRoHS指令への対応が必要ということになります。


また、RoHS指令(2002/95/EC)は、2003年2月13日のEU官報で公布され、2006年7月1日に施行されましたが、その後2回の改正があり、現在はRoHS(Ⅱ)指令 + (EU)2015/863(2015年6月4日に公布、2019年7月22日から適用)となっています。


現在のRoHS(Ⅱ)指令 + (EU)2015/863では、対象となる電気・電子機器は11のカテゴリーに分類されており、制限物質は4物質(DEHP、BBP、DBP、DIBP)が追加され、合計10物質になりました。 「11のカテゴリー」および、「制限物質及び最大許容濃度」は以下の通りです。


【RoHS(II)指令 各カテゴリー】

1.大型家電製品

2.小型家電製品

3.ITおよび通信機器

4.民生用機器

5.照明機器

6.電動工具(大型据付式産業用機械を除く)

7.玩具・レジャーおよびスポーツ機器

8.医療用機器・体外診断用医療機器

9.監視及び制御機器 ・産業用監視・制御装置

10.自動販売機

11.上記のカテゴリーに適用されないその他の電気電子機器


【制限物質及び最大許容濃度(ppm)】

1.鉛(1000)

2.水銀(1000)

3.カドミウム(100)

4.六価クロム(1000)

5.ポリ臭化ビフェニル類(PBB類)(1000)

6.ポリ臭化ジフェニルエーテル類(PBDE類)(1000)

7.フタル酸ビス (2-エチルヘキシル)(DEHP)(1000)

8.フタル酸ブチルベンジル (BBP)(1000)

9.フタル酸ジブチル (DBP)(1000)

10.フタル酸ジイソブチル (DIBP)(1000)


また、今回追加された4物質(合計10物質)の規制開始時期は、以下のとおりカテゴリー毎に定められています。


1. 2019年7月22日より規制開始

カテゴリー1、2、3、4、5、6、7、10,11

2. 2021年7月22日より規制開始

カテゴリー8、9


したがいまして、取引先が貴社の部品を使用したRoHS対象製品をEU域内へ輸出していて、その取引先から請求があった場合には、原材料や部品の仕入れ先企業に制限物質の含有情報などを請求するなどして、貴社の製品(部品)に制限物質が含まれていないことを確認したうえで、取引先にRoHS指令の制限物質非含有証明を提出する必要があります。


参考情報

1) RoHS 2 FAQガイダンス文書(2012年12月12日欧州員会発行)

https://ec.europa.eu/environment/waste/rohs_eee/events_rohs3_en.htm

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