当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q573.東南アジア向け輸出電気電子機器のEU再輸出時の責任

2020年1月25日更新

【質問】

東南アジア向けに輸出する電気電子機器にCEマーキングを貼り付けるように要請がありました。 当社が知らないところでCEマーキングを貼り付けた製品がEUに再輸出された場合、何か問題があった場合の責任は当社にあるのでしょうか。

【回答】

ご質問のケースにおいて、貴社がCEマークを貼付した製品はEU域内にあるEUの輸入者によってEU内へ持ち込まれることになります。 「EU製品規則のブルーガイド 2016」(1)によるとEUの輸入者はRoHS(Ⅱ)指令を含むEU法における責任を負い、RoHS(Ⅱ)指令においても、第9条(輸入者の義務)の(b)にて製造者による技術文書の作成やCEマークの貼付を確実にする義務が課されています。 したがって、貴社の顧客がEUへ再輸出した製品に問題が生じた場合、法的責任はEUの輸入者が負うことになります。


また、上記と同様の輸入者の義務として、RoHS(Ⅱ)指令第9条(輸入者の義務)の(g)には輸入者がEU適合宣言のコピーを一定期間保管する旨の規定があります。この規定により輸入者には貴社製品を輸入するにあたり、何らかの形で貴社とコンタクトする必要が生じることとなります。 よって、関係者が法を順守する限りにおいて、貴社が関知できないところで貴社の製品がEUへ再輸出される可能性については想定できないと思われます。


一方で、RoHS(Ⅱ)指令は、RoHS(Ⅱ)指令の第7条(製造者の義務)の(c)において、製造者の義務として製造者がEU適合宣言書を作成して完成品にCEマークを貼付するよう定めています。 また、第13条(EU適合宣言)の3項ではEU適合宣言書を作成する製造者は、RoHS(Ⅱ)指令への順法について、責任を負わなくてはならないとしています。


なお、ここでいう製造者はCEマーキングなどを実施した者であって、EU域内・域外による区別等はありません。


以上の内容から、ご質問のケースのように貴社がCEマークの貼付をした製品に問題があった場合、法的責任はEUの輸入者が負いますが、製品がRoHS(Ⅱ)指令に適合している根拠として要求される技術的事項に関する責任については、貴社が製造者として責任を負うことになります。


◆CEマーキング違反の場合の責任

仮に当局により再輸出された製品がCEマーキング違反とされた場合、貴社はEUの輸入者と協力しながら、直ちに適合させる処置をとるや当局の要求に応じて適合を証明するために必要な文書を適切な言語で提出するなど技術的事項に関する責任について対応していくことが求められます。


また、第23条(罰則)には罰則に関する規定があり、この罰則については、加盟各国で定める国内法に委ねられています。 したがって、罰則の重さに関しては一概には言えないものの、罰金や禁固刑などが課される場合もある点は留意しておく必要があります。 さらに、各国の当局により摘発された違反事例については、EUの緊急通報システム(RAPEX)を通して公表され、該当の製品や企業名が掲載されます。 つまり、公開情報により、貴社の企業イメージなどを損なう恐れがあるといえます。


以上の通り、RoHS(Ⅱ)指令におけるCEマークを貼付するということは、その根拠となる技術的事項に関して製造者が責任を負うことになります。 したがって、その実施については、貴社として適切な判断をしていくとともに、技術文書類の管理などについても適切に行っておく必要があるように思えます。


(1) https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:52016XC0726(02)&from=BG

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