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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q575.RoHS指令の非含有証明

2020年02月28日更新

【質問】 取引先から、RoHS(Ⅱ)指令の非含有証明の提出に際して、ISO17025認定試験所での分析データを添付するように要求されて困っています。 非含有証明では必ず試験所での分析データを提出しないといけないのでしょうか。

【回答】 ISO/IEC 17025(試験および校正を行う試験所の能力に関する一般要求事項)は、特定の種類の試験(機械・物理試験、電気試験等)及び校正(幾何学量、電磁気量等)を実施する試験所の技術能力を証明する手段の一つです。 これに基づき、第三者機関が試験所・校正機関の審査を行い、正確な測定結果を生み出す能力を有していることを認定した試験所を認定試験所と呼びます。 認定試験所は、管理能力と試験に応じた技術能力を有し、国際的に信頼できる分析試験結果を提供する機関として認められています。


さて、RoHS(II)指令への適合性に関して、第16条2項(適合性の推定)で、「試験または測定、もしくは整合規格に則り、評価された材料、構成部品および電気・電子機器については、本指令の要求に適合とみなす。」とあります。 分析試験結果により最大許容濃度以下であるか、整合規格に則り適合性評価を実施することで、制限物質の非含有要求に適合と見なすとしています。 即ち、製品を構成するすべての部品や材料に分析試験を行うことは必須ではありませんが、整合規格に則って評価する必要があります。


RoHS(II)指令の整合規格であるEN 50581-2012(有害物質の使用制限に関する電気・電子製品の評価のための技術文書)では、制限物質に関する適合評価には、以下の確証データを求めています1) 2)。


1.サプライヤーによる自己宣言または契約上の合意、もしくは(and/or)

2.材料宣言、もしくは(and/or)

3.分析試験結果


これらの確証データは、1から3の全てのデータが必要とはしていません。 材料、部品中に制限物質が含有する可能性と、材料、部品のサプライヤーの信頼性の観点から制限物質が含有するリスクを見極め、製造者が自らの責任で決めることになります。


その中で、制限物質に対する非含有確証データとして分析評価を行う場合には、整合規格EN 50581-2012ではEN62321-1~8(電気・電子機器に)による分析を要求しています。 EN62321-1~8は、各制限物質に対する分析方法であり、蛍光X線分析や原子吸光分析、GC-MSなどを用いた制限物質の精密分析の要件が定められています。


サンプリング方法や誤差、校正情報などの情報も必要ですが、認定試験機関で行うことは求められていません。


これらのことから、ご質問のISO17025認定試験所による分析結果は必ずしも必要ではありません。


しかし、ビジネス契約として顧客がISO17025認定試験所のデータを求めるのであれば、顧客との交渉になります。


なお、2018年12月に、EN 50581-2012の改訂版となるEN IEC 63000-2018が配布されました3)。 材料宣言にIEC 62474-2012を引用するなど、EN 50581-2012から国際標準化の最新状況を反映していますが、最小限の変更とされています。 2023年12月までの移行期間との発表がありますが、今後RoHS(II)指令の整合規格への変更など注意が必要です。


1) https://www.tkk-lab.jp/post/rohs20190419

2) https://ec.europa.eu/growth/single-market/european-standards/harmonised-standards/restriction-of-hazardous-substances_en

3) https://www.cencenelec.eu/news/brief_news/Pages/TN-2019-009.aspx

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