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Q577.中国RoHS(II)管理規則の2nd Stepのマーク
2020年03月21日更新
【質問】 中国RoHS(II)管理規則の2nd Step 自己適合宣言登録が開始されましたが、2nd Stepのマークと従来のマークでの違いはどのようなものでしょうか。教えてください。
【回答】 ご質問の通り中国では2019年5月16日に国家市場監督管理総局と工業情報化部から、中国RoHS(II)管理規則(電器電子製品有害物質使用制限管理弁法)の第2段階(2nd Step)となる「電器電子製品に有害物質を使用するための適合性評価システム実施計画(电器电子产品有害物质限制使用合格评定制度实施安排:合格評価制度)」が告示されました。
第1段階は、有害物質の非含有は義務ではなく、その製品に「有害物質使用制限表示に関する国家標準」および「業界標準に基づき環境保全使用期限を明示すること」が義務づけられ、国家標準に定められた標識(マーク)を付ければ有害物質が最大許容濃度以上含まれていても上市することができました。 第一段階の規制概要は以下の通りです。
対象製品:中国国内で生産、販売、輸入された電器電子製品
(定格電圧が直流1,500V /交流1,000Vを超えない製品及び付属品)
対象物質及び規制値:鉛、水銀、六価クロム、PBB、PBDE: 1000ppm、カドミウム: 100ppm
また、ご質問のマークに関しては「有毒、有害な物質の標示」として以下の2つの標示が義務付けられています。 (中国RoHS(II)管理規則14条)(マーク標示に関しては参考資料1)を参照)
(1)オレンジマーク
特定の有害物質が基準値以上の製品に標示することが義務付けられているマークです。 丸形の中に書かれた数字は、使用期限を年数で表しています。 使用期限とは「規制対象有害物質が含まれているが、表示年数以内であれば有害物質が漏洩、変化したりして人体などに害を及ぼさない期間」とされています。
(2)グリーンマーク
特定の有害物質が最大許容濃度以下の場合に標示することが義務付けられているマークです。
このように中国RoHS(II)管理規則の第1段階では、「標示」することを求めており、この点が有害化学物質が最大許容濃度を超えている場合に上市を禁止するEU RoHS指令との大きな相違点と言えます。
他方、第2段階では、2018年3月15日の告示(工业和信息化部公告2018年第15号)で、以下の第1次目録が示され、これら12種の特定製品および附属製品について有害物質の非含有が義務化されました。
(i)冷蔵庫(ボックス型 800リットル以下)
(ii)エアコンディショナ(定格冷却能力≤14000ワット))
(iii)洗濯機(洗濯量10kg以下で乾燥機能を含む)
(iv)電気温水器(500リットル以下)
(v)プリンター(各種)(印刷領域≤A3、印刷速度≤60枚/分)
(vi)コピー機(印刷領域≤A3、印刷速度≤60枚/分)
(vii)ファックス(スキャン機能を含む)
(viii)テレビ(チューナーがないがTV用であれば含める)
(ix)モニター(LCDやCRTを含む)
(x)マイクロコンピュータ(ディスクトップ、ハンドヘルド、タブレット等)
(xi)モバイル通信・携帯電話(GSM/ GPRS、CDMA、CDMA1X等規格)
(xii)固定電話(IP電話を含む)
目録にある対象製品を上市するためには、所定の手順を踏み第三者による認証または自己適合宣言をする必要があり、2019年11月1日の施行に合わせて適合宣言の手順と適合宣言品目を公開する公共サービスプラットホームの運用も開始されました。3)
特定の有害物質の非含有に適合した製品には「合格評価ラベル」を標示することになっており、これがご質問の「2nd Stepのマーク」になります。
合格評価ラベルは、グリーン商品識別管理規則(绿色产品标识使用管理办法)による要求事項を満たすことが要求され、中国RoHS(II)管理規則にも適用されます。マークは緑色のロゴマーク(グリーンマーク)です。
なお、グリーン商品識別管理規則の概要については、当ウエブサイトのコラム2)をご参照ください。
ご質問の「2nd Stepのマークと従来のマークでの違い」をまとめますと以下のようになります。
(1)従来マーク(第1段階)
・対象製品:全ての電気電子製品
・義務:有害物質を含有しても良いが環境保護使用期限マークの標示が必須
(2)2nd Stepのマーク(第2段階)
・対象製品:12製品種および附属製品
・義務:有害物質非含有の適合性評価を行い、合格評価ラベルの標示及び公共プラットフォームへの提出。
なお、合格評価ラベルを標示する場合であっても従来マークを省略できず、両方を標示することとされています。
参考資料
1) 中国版RoHS指令の基礎
https://j-net21.smrj.go.jp/development/rohs/basic/china.html
2) 中国 グリーン商品識別管理規則が施行されました(当ウエブサイト2019年6月11日発信RoHS コラム)
https://www.tkk-lab.jp/post/whatsnew20190611
3) 中国RoHS(II)管理規則の公共サービスプラットホームの運用が開始されました(当ウエブサイト2019年11月8日発信RoHS コラム)