当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q585.RoHS(II)指令の分析データの有効性について

2020年09月11日更新

【質問】

電気電子機器の部品を製造しています。 販売先よりRoHS(II)指令の調査の依頼があり、分析データを提出する予定です。 その分析データはISO17025の認定試験所で分析したものでないと有効ではないのでしょうか。

【回答】

ISO/IEC 17025は試験所認定と言われており、特定の種類の試験及び構成を実施する試験所の技術能力を証明する手段の一つです。 認定を受けると、製品管理・品質管理を行ううえでのマネジメント力に加え、信頼性のある試験や校正を行う技術力が国際的に認められていることが証明できます。


これはchemSHERPAの考え方で言うと、「責任ある情報伝達」に通じるものがあります。 川上企業である貴社は、分析データを貴社の判断で情報を削ることなく販売先である川下企業に正しく伝達する必要がありますが、ISO/IEC 17025の認定試験所で実施することで、情報伝達を正しく遂行していることを証明することができます。


一方でRoHS(II)指令への適合性に関して、第16条2項(適合性の推定)で、「試験または測定、もしくは整合規格に則り、評価された材料、構成部品および電気・電子機器については、本指令の要求に適合とみなす。」とあります。 分析試験結果により最大許容濃度以下であるか、整合規格に則り適合性評価を実施することで、制限物質の非含有要求に適合と見なすとしています。


即ち、製品を構成するすべての部品や材料に分析試験を行うことは必須ではありませんが、整合規格に則って評価する必要があります。


RoHS(II)指令の整合規格であるEN 50581:2012(有害物質の使用制限に関する電気・電子製品の評価のための技術文書)は2021年11月18日まで使用が許されていますが、EN IEC 63000:2018に切り替わりました。 そこではIEC62474:2012が全面的にリンクされるという大きな変更点がありますが、EN 50581:2012が広く受け入れられていることを踏まえ、国際標準化の最新の状況を反映するために必要な最低限の変更に限定することとされています。 そのため、基本的な内容はEN 50581:2012と同様、制限物質に関する適合評価には、以下の確証データを求めています。


1.サプライヤーによる自己宣言または契約上の合意、もしくは(and/or)

2.材料宣言、もしくは(and/or)

3.分析試験結果


これらの確証データは、1から3の全てのデータが必要とはしていません。

材料、部品中に制限物質が含有する可能性と、材料、部品のサプライヤーの信頼性の観点から制限物質が含有するリスクを見極め、製造者が自らの責任で決めることになります。


その中で、制限物質に対する非含有確証データとして分析評価を行う場合には、整合規格EN IEC 63000:2018ではEN62321-1~8(電気・電子機器に)による分析を要求しています。

EN62321-1~8は、各制限物質に対する分析方法であり、蛍光X線分析や原子吸光分析、GC-MSなどを用いた制限物質の精密分析の要件が定められています。 サンプリング方法や誤差、校正情報などの情報も必要ですが、認定試験機関で行うことは求められていません。


これらのことから、ISO/IEC17025認定試験所による分析結果以外にも有効な分析手段があるということになります。


なお、EN 50581:2012は2021年11月までの移行期間でしばらく猶予がありますが、今後RoHS(II)指令の整合規格への変更など注意が必要です。

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