当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q586.快削リン青銅:C5441BはRoHS指令に適合するか

2020年10月02日更新

【質問】

弊社はお客様の図面を基に製品を製作しております。

快削リン青銅:C5441Bを使用している物がありますが、規格では鉛の含有率が3.5%~4.5%となっています。

サンプルの実測データは4%以下でした。

RoHS指令の適用除外項目6(c) 「鉛の含有量が4wt%以下の 銅合金」として出荷できるでしょうか。

【回答】

削リン青銅のJIS H 3270:2012 C5441Bの構成成分は以下となっています。

 鉛(Pb)3.5~4.5%

 燐(P)0.01~0.5%

 銅(Cu)90%以上


RoHS指令(2011/65/EU)の附属書III 6(c)では、銅合金中の鉛は4%まで含有の除外を認めています。

従って、C5441Bは、4%を超える可能性はあります。


しかし、一般的にJISの基準は、多くのメーカーに適用できるように、広めになっています。 個々のメーカーの基準は、3.5~4.5%のような広がりはなく、狭くなっています。


JIS規格での順法保証はできないのですが、貴社のサプライヤにミルシート(Mill Test Report, Mill Test Certificate)を要求し、順法のエビデンスすることができます。

貴社がリン青銅をメーカーから直接購入(インゴット単位)していればミルシートは信頼性が高くなります。 商社的な材料卸店から端材を購入している場合は、ミルシートのコピーとなります。 この場合は、文書管理の仕組みの信頼性がないとミルシートのコピーの信頼性が薄れます。ただ、多くの場合には、同一メーカー品であれば、バラツキは大きくありません。


蛍光X線分析装置により短時間で測定できますが、ミルシートで適合宣言する方式をお勧めします。 この方式は、RoHS指令の整合規格(EN IEC63000:2018 (EN50581:2012の置き換え規格))で認められているものです。


なお、附属書IIIの適用除外項目は、2021年7月21日に白紙になります。改めて基本的に次の5年間の適用除外が適用されます。2021年7月21日の除外項目は2020年7月頃から順次案の発表、パブコメ、告示の手順で決めますが、作業が遅れています。

 6(c)が微妙な状況のようですが、除外項目から削除(附属書IIIから削除)の場合は、決定後1年半ほどの猶予期間が認めらます。


一般真鍮材では、快削性のための添加物質として、シリコン(Si)やビスマス(Bi)を入れた材料が開発されJIS材になっています。


鉛フリーリン青銅も出始めているようです。代替化の検討をお勧めします。

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