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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q640.台湾RoHSの規制物質、閾値、適用除外について

2023年09月29日更新

【質問】

台湾RoHSの規制物質、閾値、適用除外はどのようになっているでしょうか。 EU RoHSとの違いはあるでしょうか?

 

【回答】

台湾RoHSは対象物質の含有状況の標示を定めたものです1)。    

法的根拠は商品検査法です2)。

対象製品は経済部標準検験局(BSMI:The Bureau of Standards, Metrology and Inspection)で公開されていています3)。BSMIの検査および認証・認可対象の電子電気製品全般がRoHSの対象です。

商品検査法の第5条で定められた四つのスキームを組み合わせて検査されます。


スキーム1:バッチ検査(Batch-by-Batch Inspection)

スキーム2:モニタリング検査(Monitoring Inspection)

スキーム3:商品認証登録(Registration of Product Certification)

スキーム4:適合宣言(Declaration of Conformity)


検査及び認証・認可申請に合わせて RoHSに関連する情報を提出します。認証書・認可書の発行を受け、商品検査法が定める適合マークを貼りつける必要があります。

対象物質の「含有表示」については、台湾規格「CNS 15663 「電気電子機器における制限化学物質の含有量を削減するためのガイドライン」によります。当該規格の内容は下記の通りです。

CNS15663の適用範囲は、交流1,000V、直流1,500V以下の電気(電機)電子製品となっています。

「含有表示」の対象物質は付属書Aに次の6物質が定められていま.す。当初のEU RoHSと同じ鉛(Pb)・水銀(Hg)・カドミウム(Cd)・六価クロム(Cr+6)・ポリ臭化ビフェニル(PBB)・ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)です。閾値は、カドミウムが0.01wt%、鉛、水銀、六価クロム、PBB、PBDEが0.1wt%です。

「含有表示」の方法は、本規格の5,1項に記載があり、6物質の含有情報を表の形で、製品本体、梱包箱、マニュアルまたはWEBサイトのいずれかに表示し説明するものとされています。

なお、本規格の付属書B以降は参考の情報です。

付属書Bではこの規格が適用される範囲として下記が記載されています。

1,大型家電製品

2,小型家電

3,ITおよび通信機器

4,民生機器

5,照明機器

6,電気および電子工具

7,玩具、機器、スポーツ用品

8,自動ディスペンサー

9,その他の機器(CNS 3765 , CNS 14408 and CNS 14336-1 の対象になる機器)

付属書CはCNS 15663が適用されない製品が記載されています。

1.軍事的に利用されるもの

2.電力を使用しない工具

3.電気または電子部品が主要な機能を果たす必要がない製品

4.別の種類の機器の一部である電気電子機器

5.電池

6.大型の定置式の工業用機具

付属書Dは適用除外用途の例示です。

EU RoHSでは付属書Ⅲと付属書Ⅳに適用除外用途がリストされていますが、付属書DにはEU RoHSの付属書Ⅲからの用途のみで、有効期限は示されていません。EU RoHSで期限が切れているものもありますので注意が必要です。適用除外用途の詳細は、CNSオンラインサービスで確認することができます。4)

付属書Eは製品がこの規格の範囲内にあるかどうかを判断するために使用されるフローチャートとなります。


EU RoHSと台湾RoHSとの大きな違いは、EU RoHSは含有物質の禁止規制であるのに対し、台湾RoHSが含有物質の含有状況の表示が義務化されていることです。


1) 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター「国別規格 台湾編」 


2) 台湾「商品検査法」


3) 電子機器適合宣言検査対象品目詳細リスト

・(應施檢驗電子類商品實施符合性聲明品目明細表)

・應施檢驗電子類商品實施驗證登錄/型式認可逐批檢驗品目明細表


4) CNSオンラインサービス 

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