© 2011-2019  一般社団法人東京環境経営研究所

  • Facebook - White Circle
  • YouTube - White Circle
  • アマゾン - ホワイト丸

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • tkk-lab

RoHS指令附属書Ⅲ除外No.9の変更

2018年04月13日更新

 RoHS指令(2011/65/EU)の適用除外用途の検討を行っているOeko-Onstitutは2018年3月20日に29種の適用除外用途の調査プロジェクト(Pack 9)の最終報告書1)の勧告内容の一部の変更2)を発表しました。

 上記の最終報告書の勧告内容の一部変更に至る経過は以下のとおりです。


2016年6月にOeko-InstitutはRoHS指令の附属書IIIに収載されている29種の除外の見直し要求に対する評価の最終報告書を公表していました。

 最終報告書附属書IIIの除外 No.9の要求は以下の内容でした。


「クーリングソリューションにおける重量比0.75%までの吸収型冷却装置の炭素鋼冷却システムの防食剤としての六価クロムの含有」


 この除外の見直しは、Dometic GmbH(以下「D社」)により申請されていました。同時にD社はREACH規則(1907/2006/EC)の下で附属書XIV(認可物質リスト)に収載されていたクロム酸ナトリウムの使用認可の申請を行っていました。その要求はEU市場において製造および上市される吸収型冷却装置の炭素鋼冷却システムでD社により防食剤として使用される六価クロムの使用と関連していました。

 最終報告書の勧告において、Oeko-InstitutはRoHSの評価報告書の公表時点では最終化されていなかったREACHプロセスを注視していました。


 RoHS指令の第5条(1)(a)は除外(更新または修正)がREACH規則により与えられる保護を弱める場合には、除外の承認が得られないという背景に反して、もし見直し要求の決定が公表される前にプロセスが最終化されるならば、将来のすべての除外条件(formulation)をREACH認可と整合させることが勧告されました。当初、報告書は異なったタイプの吸収型冷却装置に使用される熱源を区別して除外勧告がなされていました。


 2017年2月15日にEU委員会はREACH認可(EU COM 2017)に対するD社の要求に関する決定を公表3)しました。その決定は高温と低温のボイラー製品間に認可期間を区別して吸収型冷却装置製品にD社のクロム酸ナトリウム使用を認可しました。その結果、Oeko-Institutは、2016年の報告書におけるRoHS除外に対してなされていた最初の勧告を改訂し、この除外の条件に対する変更を提案しています(表1)。

 新しく勧告された条件内容は、ボイラー温度に関連するREACHの識別は採択されていなく、除外条件が勧告された日付とREACH認可の関連する日付とが整合しています。当初の評価期間にREACHにおいて特定されているボイラー温度の整合の可能性がD社と議論されていたにもかかわらず識別は断念されています。D社は2016年にボイリング温度は環境条件で著しく変化し、クーリングユニットの熱負荷とボイリング温度の市場制御(market control)は困難であると述べています。正確に範囲を詳細化することなく高温、低温の明記することもまた、不確実な結果をもたらします。


 Oeko-Institutは当初エネルギー源により除外条件を分割することを提案していました(吸収型冷却装置は電気ヒーターのみで動作するよう設計されているなど)。これはまた、市場監視の見地からの現実的な解決策(ソリューション)であると理解されています。

 REACHにおいて表明されている高温ボイラー製品に対する2029年1月9日と比較すると提案された除外の第2、第3項目に対する期間(2021年7月21日まで)との整合はカテゴリー1-7および10のRoHS除外の最長期間は5年間に制限されているので不可能です。REACH認可と除外条件を整合するため、さらなる努力がD社と議論され、D社は上記の条件が好ましいことを認めたものの、さらにREACHと整合するために以下の条件を提案していました。それはREACH認可の文脈において条件されている追加パラメーターに(すなわち、電気入力)を用いることで、一定の稼働条件期間中75Wの熱入力の平均利用は低温、高温ボイラーの分界の可能な閾値を構成することをD社は理解しています。

 電気熱は測定が容易で製品にデータラベル貼付により明示することにより、提案された除外項目の適合範囲に該当する製品との差違を市場監視で使用できるとD社は説明しています。並行して、ミニバー(電力で動作する小型電気装置)および大型装置のような装置間の区別はREACH申請におけるD社の意図を的確に捉えています。この観点から表2として別途提案されています。

 この条件は今までのところ、利害関係者に相談されていないにもかかわらず、EU委員会がパブリックフィードバックのために除外No.9の修正に対し作成された委任法の草案を公表していることを踏まえると、利害関係者は当該条件に対してコメントし、このプロセスに対して貢献する機会をもつことが理解できます。その意味において、除外条件のREACHとの整合が必要と考えれば条件のさらなる詳細化は可能と思われます。


表1 指令2011/65/EU(RoHS(II))附属書III除外No.9の勧告された修正除外条件


表2 REACHと整合した指令2011/65/EU(RoHS(II)附属書III除外No.9追加提案除外条件


(瀧山 森雄)

1)http://rohs.exemptions.oeko.info/fileadmin/user_upload/RoHS_Pack_9/RoHS-Pack_9_Part_ALLOYS-MISC_06-2016.pdf 2)http://rohs.exemptions.oeko.info/fileadmin/user_upload/reports/Exemption_9_Recomendation_amendment_20180319.pdf 3)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=uriserv:OJ.C_.2017.048.01.0009.01.ENG&toc=OJ:C:2017:048:FULL