当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • tkk-lab

2019年11月1日施行の中国RoHS(II)管理規則の第2段階の概要

2019年6月13日更新


2019年5月16日に国家市場監督管理総局と工業情報化部から、中国RoHS(II)管理規則の第2段階となる「電器電子製品に有害物質を使用するための適合性評価システム実施計画(电器电子产品有害物质限制使用合格评定制度实施安排:合格評価制度)」1)が告示されました。

対象製品は、2018年3月15日に告示された第1次目録製品で、施行は2019年11月1日です。


1.合格評価制度の根拠

RoHS(II)管理規則 第17条で、「電器電子製品有害物質の制限使用は目録で管理する。工業情報化部は、産業発展の情況に合わせて、発展改革委員会、科技部、財政部、環境保護部、商務部、税関総署および質検総局に諮り、目標達成目録を公表する。」としています。

特定有害物質の非含有要求は「目録」に収載された製品が対象となります。

2018年3月15日に告示(工业和信息化部公告2018年第15号)2)で、第1次目録3)が示され、対象製品に関する用途の除外4)も告示されました。告示では、施行は1年後とされていました。


第1次目録は次です。

(i)冷蔵庫(ボックス型 800リットル以下)

(ii)エアコンディショナ(定格冷却能力≤14000ワット))

(iii)洗濯機(洗濯量10kg以下で乾燥機能を含む)

(iv)電気温水器(500リットル以下)

(v)プリンター(各種)(印刷領域≤A3、印刷速度≤60枚/分)

(vi)コピー機(印刷領域≤A3、印刷速度≤60枚/分)

(vii)ファックス(スキャン機能を含む)

(viii)テレビ(チューナーがないがTV用であれば含める)

(ix)モニター(LCDやCRTを含む)

(x)マイクロコンピュータ(ディスクトップ、ハンドヘルド、タブレット等)

(xi)モバイル通信・携帯電話(GSM/ GPRS、CDMA、CDMA1X等規格)

(xii)固定電話(IP電話を含む)


RoHS(II)管理規則第18条で「国は電器電子製品有限物質制限使用合格評価制度を構築する。

目標達成目録に記載された電器電子製品は、電器電子製品有害物質制限使用関連の国家標準あるいは業界標準を満たさなければならず、電器電子製品有限物質制限使用合格評価制度で管理される。


工業情報化部は、電器電子製品有害物質制限使用工作の状況に従い、国家認証認可監督主管部門に電器電子製品有害物質制限使用合格評価制度の構築を提案し、国家認証認可監督主管部門は、職責の範囲内で工業情報化部と共同で合格評価制度を制定、公表および実施する。

工業情報化部は、実際の状況に合わせて、財政部などの部門と共同で、合格評価結果について情報収集メカニズムを構築する。」としています。


2.合格評価制度の仕組み

第18条の「合格評価制度」は一般名称で、RoHS(II)管理規則の合格評価制度の告示が待たれていました。


(1)合格評価の方式

(i)電器電子製品への有害物質の使用制限の適合性評価システムは、電器電子製品への有害物質の使用制限の国家推進自発的企業認証(以下、国家推進自発的認証)と電器電子製品への有害物質の使用制限のサプライヤー適合宣言 (以下、自己宣言)の二つの方法があります。

国家推進自発的認証とは、有害物質の使用に関する関連規格および技術仕様に準拠するために企業によって自主的に適用され、第三者の認証機関によって認定され、国家によって一様に実施および規制される認証活動を指します。

提供された電器電子製品が有害物質の使用および技術仕様の要件を満たしていることを確認するために、自己評価活動による妥当性評価を完了させ、製品適合性情報を提出するために合理的な方法で行います。


(ii)「目録」に含まれる電器電子製品の供給者は、電器電子製品の有害物質の非含有である適合性評価を完了するために、国家推進自発的認証または自己申告方法を選択します。


(iii)電器電子製品中の有害物質を制限するための公共サービスプラットフォームを確立し、情報共有を図ります。

公共サービスプラットフォーム管理は、順法管理リストに電器電子製品の有害物質の使用に関する適格な評価情報を組み込み、電器電子製品の適合性評価結果を公表します。

この公共サービスプラットフォームとは、2019年5月7日に公布された「グリーン(環境配慮)商品識別管理規則」5)による仕組みです。


(2) 国家推進自発的認証

国家推進自発的認証は、「電器電子製品の有害物質使用制限に関する自主的認証実施規則」(付属文書1)で規定された要求に基づき実施します。

この実施規則は、「国家統一推進電子情報製品汚染制御自発認証実施規則(2011年8月30日公示)が改定されたものです。


(3) 自己宣言

自己宣言は、供給者による製品の適合性評価を完了した後、「電器電子製品有害化学物質使用制限の供給者による適合宣言規則」(付属文書2)に従って、「製品の適合性情報を報告する」ことが要求されています。

自己宣言は、製品の上市後30日以内に、公共サービスプラットフォームに適合情報の報告を行います。

工業情報化部は、市場監督管理総局と共同で、公共サービスプラットフォームにより、適合宣言の結果情報を公表します。


(4)合格評価ラベル

合格評価ラベルは「グリーン商品識別管理規則」の手順によります。

第1次目録に示された製品で「実施規則」による場合は、グリーン商品識別管理規則」の「認証活動2」の手順により、認証機関により認証を受けて、製品に認証機関のロゴ付のグリーンマークを貼付します。

同じ製品が複数の認証機関から発行されたグリーン属性認証を取得した場合、該当するすべての認証機関のロゴを付けます。

自己宣言の場合は、「グリーン商品識別管理規則」で、「自己宣言および関連する技術文書の真実性、完全性および一貫性について責任を負い、社会のすべての関係者による監督を受け入れることを公約する」と責任ある宣言が要求されています。

自己宣言は、自己宣言の要件が次としています。


(i) 「グリーン商品識別管理規則」のグリーンマークの基本パターンに、他の識別情報をマークする必要がある場合には、対応する制度計画で明確にする必要がある。

(ii)グリーン製品識別の使用など、グリーン属性適合性評価活動については、対応する制度計画に様式が明記する。


このグリーン属性適合性評価活動がRoHS(II)管理規則で、制度計画が合格評価制度やGB/T 36560-2018(电子电气产品有害物质限制使用-符合性证明技术文档规范/電気電子製品における有害物質の使用制限-適合証明技術文書仕様)になります。


3.附属文書

合格評価制度が引用する附属文書の概要は次となります。


(1) 「電器電子製品の有害物質使用制限に関する自主的認証実施規則」(付属文書1)

 「認証活動2」の場合は、認証機関による適合性確認をするもので、4方式があります。


(i)方式1:コンポーネントおよび部品製品、材料製品

型式試験+認証取得後の監督

(ii) 方式2:コンポーネントおよび部品

サンプル検査測定+認証取得後の監督

(iii) 方式3:完成品製品およびアセンブリ製品

最適化検査(サンプリング)測定+認証取得後の監督

(iv) 方式4:すべての製品

サンプル検査測定+ 初期工場検査+ 認証取得後の監督


手順は、①申請書類の提出、②書面審査、③サンプル検査、④工場立会い検査(方式4の場合)、⑤認証結果の評価と承認、⑥認証後監督となります。

認証証明書の有効期間は5年です。


(2) 「電器電子製品有害化学物質使用制限の供給者による適合宣言規則」(付属文書2)

自己宣言は、日本でも多用されている「不使用証明書」や「非含有証明書」などに相当するもので、次項を含めることが要求されています。


(i) 供給者の名称および連絡先

(ii) 電器電子製品の名称、仕様、技術支援文書の番号、技術支援文書の分類

(iii) 宣言の内容および関連する宣言書類の真実性、完全性、適合性に対する承諾

(iv) 授権者の署名、社印などを含む付加的な情報


供給者による適合宣言は、試験所による分析データによる場合と供給者が諸情報による場合の2方式があります。

供給者による適合宣言は自己宣言ですが、公共サービスプラットフォームに提出義務があります。中国国外企業は現地法人、輸入者または販売者などを授権代表者として、公共サービスプラットフォームへ提出することができます。 

自己宣言の意味合いが若干異なります。


4.関連規定

GB/T 36560-2018が順法の技術文書標準として、2018年7月13日に発行され、2019年2月1日から実施されました。GB/T 36560-2018はIEC63000-2016の翻訳標準です。

IEC63000-2016はEU RoHS(II)指令の整合規格EN50581-2012を取り込んだ標準で、RoHS(II)管理規則とRoHS(II)指令の適合性宣言の基本は同じで、RoHS(II)管理規則もリスクベース管理となります。

EU RoHS(II)指令の整合規格は2023年12月7日に、IEC63000-2016をヨーロッパ標準化したEN IEC 63000-2018に置き換えがされますので、完全一致になります。

RoHS(II)指令は、川下企業が上流に向かって順法情報を要求し入手するプル型が主流ですが、RoHS(II)管理規則は川上企業が順法情報を川下企業に提供するプッシュ型(源流管理)と、若干の差異は感じます。

順法管理に関する規定や標準から、RoHS(II)管理規則の考え方が見えてきます。


(i)直接引用されている標準類

・SJ/T 11364-2014(電気電子製品有害物質制限使用標識要求)

・SJ/Z 11388-2009(電子情報製品環境保護使用期限通則)

・GB/T 18455-2010 (包装回収標識)

・GB/T 26572-2011(電気電子製品の使用制限のある物質の含有量の上限)

・GB/T 26125-2011(電気電子製品の 6 種類の規制物質の測定)

(ii)関連する標準類

・GB/T 31274-2011(電気電子製品における使用制限物質の管理体系-要求事項)

・企業電子電気製品汚染制御適合性声明規範

標準類の名称は機械翻訳によるものですが、当初の「電子情報製品」から「「電子電気(電子電気)製品」に代わり、最近は「電器電子製品」に替っています。

「電器」は家電製品を含む用語ですが、RoHS(II)管理規則のFAQで産業用機械などを含むと説明しています。中国の政策の流れが見える気がします。

関連する規定や標準類は、用語の不整合などがあり、これまで関連が明確ではなかったのですが、合格評価制度の告示で、関連が明確になったようです。

(松浦 徹也)


当説明内容は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制の解釈は機械翻訳により部分意訳していますので必ず原文を参照してください。

合格評価制度については、(一社)産業環境管理協会から和訳情報の提供をいただき参考にさせていただきました。


引用

1)

http://gkml.samr.gov.cn/nsjg/rzjgs/201905/t20190517_293827.html

2) http://www.miit.gov.cn/n1146295/n1652858/n1652930/n4509607/c6086973/content.html

3)http://kunming.customs.gov.cn/customs/302249/302266/302267/1477689/2018040815283550980.pdf

4) http://kunming.customs.gov.cn/customs/302249/302266/302267/1477689/2018040815290659825.pdf

5)

http://gkml.samr.gov.cn/nsjg/rzjgs/201905/t20190507_293448.html

6,595回の閲覧

最新記事

すべて表示

韓国「電気・電子製品及び自動車の資源循環に関する法律」(韓国RoHS法)改正および施行令の改正案

2020年09月25日更新 韓国「電気・電子製品及び自動車の資源循環に関する法律」(韓国RoHS法)が2020年5月26日に改正・施行され、その細則を定めた施行令案が2020年7月10日から10日間再立法予告され、関係者からのフィードバックを行った上で2021年1月1日実施予定です。 いわゆる韓国RoHS法は、EUのWEEE、RoHS、およびELVを一つにしたような法律です。 以下に今回の主要改正

© 2011-2019  一般社団法人東京環境経営研究所

  • Facebook - White Circle
  • YouTube - White Circle
  • アマゾン - ホワイト丸