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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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フランスが求める修理の可能性表示

2022年11月11日更新

1.EUの戦略

EU委員会ライエン委員長が就任時に「EU グリーンディール」(*1)を発表しました。


i. EU の 2030 年と 2050 年の気候目標を高くする

・「Climate Law」を立案(済) し2050 年までに気候中立目標を法制化する。

ii. 手頃で安全なクリーンエネルギーの供給

・気候中立への移行のためには、スマートなインフラも不可欠である。

iii. 産業をクリーンな循環型経済へ動員する

・気候中立と循環型経済を実現するために、産業界全体を動員する必要がある。

iv. エネルギー効率・資源効率が高い建設と改修

・建物のエネルギー効率に関する法律を厳格に施行する。

v. 持続可能なスマートモビリティへの転換の加速化

・複合輸送を強力に推進する必要がある。

vi. 「農場から食卓まで」:公平で健康的な環境に優しい食品システム

・持続可能な食品消費とすべての人のために手頃で健康的な食品を奨励する。

vii. 生態系および生物多様性の保護と再生

・すべての EU 政策はEUの自然資本の保護および再生に寄与する

viii. 汚染のない環境を目指すための汚染ゼロ目標

・汚染ゼロの環境を保証するために、持続可能性を目指した化学戦略を提示する。

・製品中の懸念物質を最小限にすると共に安全なリサイクルを増やし、廃棄物(特に廃プラスチック)の輸出を減らす投資を支援する

 

EU グリーンディールのアクションプランとして、「新循環型経済行動計画」(*2)が策定されました。


新循環型経済行動計画のなかで、持続可能な製品の設計の「立法イニシアティブ」として、以下の項目が掲げられました。


(i)製品の耐久性、再利用性、アップグレード性、修理性の向上、製品中の有害化学物質の含有への対応、エネルギー効率と資源効率の向上

(ii)製品の性能と安全性を確保しながら、製品のリサイクル材の含有量の増加

(iii) 再生と高品質のリサイクルの可能化

(iv)二酸化炭素の削減と環境フットプリント

(v)使い捨ての制限と短期間での陳腐化への対応

(vi)売れ残り耐久消費財の破壊禁止の導入

(vii)デジタルパスポート、タグ付け、透かしなどのソリューションを含む製品情報のデジタル化


「立法イニシアティブ」により、WFD(2008/98/EC)(*3)の第9条(廃棄物の防止)で、修理性の向上を要件として改正されました。


1. 加盟国は、廃棄物の発生を防止するための措置をとる。

これらの措置は、少なくとも次のことを行わなければならない:

(a) 持続可能な生産・消費モデルの推進・支援をする。

(b) 資源効率が良く、耐久性があり(寿命及び計画された陳腐化の欠如を含む)、修理可能で、再利用可能で、アップグレード可能な製品の設計、製造及び使用を奨励する。

(c) 重要な原材料を含む対象製品が廃棄物にならないようにする。

(d) 電気・電子機器、繊維・家具、包装・建設資材・製品等の修理・再利用を促進するシステムを構築する。 

(e) 適宜、知的財産権、予備部品、取扱説明書、技術情報、または製品の品質と安全性を損なうことなく、製品の修理と再使用を可能にするその他の機器、装置またはソフトウェアの利用可能性を奨励する。

(以下略)


また、消費者が修理を受ける権利を明確にするために「商品の売買契約法」((EU)2019/771)(*4)が改正されました。


2.フランス国内法

WFDの改正を受けて、フランスはL.1020-105(廃棄物と循環経済との闘いに関する法 2020年2月10日)(*5)で、環境法典を改正しました。


L.1020-105により拡大生産者責任が明確になり、L.541-9-1の「廃棄物を生成する製品の環境品質および特性に関する消費者情報に関する義務」の実施のために、 2022 年 4 月 29 日に政令 2022-748 (D.(Décret)2022-748)(*6)(廃棄物となる製品の環境品質および環境特性に関する消費者への情報)が公布されました。


(1) D. 2022-748の位置づけ

D. 2022-748 (2022 年 4 月 29 日)(廃棄物となる製品の環境品質および環境特性に関する消費者への情報)(D.2022-748)により、L. 541-9-1及びL.541-9-2(*7)で規定する修理の可能性などの情報を消費者に提供する義務が明確になりました。


D.2022-748の要求のポイントをご説明します。

(2)義務者

生産者、輸入業者、消費者向けの廃棄物を生成する製品の販売業者またはその他の販売者、 ウェブサイトを利用している者も含めてフランスでの商業活動の一環としての拠点またはその他のオンライン配信チャネルそしてこれらの製品の消費者。

(2)L.541-9-1の規定 (部分記述)

L. 541-9-1は、WFD(指令(EC)98/2008)の2018年の改正などを受けた消費者用製品のラベル表示規定で、具体的にしたのが、D. 2022-748となります。


L.541-9-1の要求は次です。

消費者情報を改善するために、将来廃棄物となる製品の生産者および輸入者は、マーキング、ラベル付け、表示、またはその他の適切なプロセスによって、消費者にその環境品質と特性について 、特にリサイクル材料の組み込み、使用、欧州連合の法律に従って、再生可能資源、耐久性、堆肥化可能性、修復可能性、再利用の可能性、リサイクル可能性、および有害物質、貴金属または希土類の存在を知らせる。

これらの品質と特性は、製品ライフサイクル全体の分析を優先することによって確立される。


L. 541-10-3(*8)により、製品が性能基準を満たしている場合にエコ組織などの集団スキームによって生産者に付与されるプレミアム(ボーナス)または、製品が性能基準を満たしていない場合に生産者が集団スキームに支払う割増(ペナルティ)について、消費者に通知される。

この提供される情報は、購入時に消費者が目にし、アクセスできる必要がある。

生産者または輸入者は、前記の品質および特性に関連するデータを、簡単に再利用可能で、自動処理システムによって集約され使用できる形式で、電子的に一般に公開する責任がある。


(3)L.541-9-2の規定 (部分記述)

I. 電気電子機器の製造業者、輸入業者、流通業者、またはその他の販売者は、自社製品の販売者およびそれを要求するすべての人に、この装置の修理可能性指数、およびそれを確立することを可能にしたパラメータを無料で伝達する。

この指数は、関係する製品の修理能力を消費者に知らせることを目的としている。


電気・電子機器の販売者およびウェブサイトの利用者は、フランスにおける商業活動の一環としての拠点またはその他のオンライン流通チャネルを通じて、購入行為の時点で消費者に機器の修理可能性指数のマーキング、ラベル付け、表示、またはその他の適切なプロセスによって無料で通知しなければならない。

製造業者または輸入者は、この情報を電子的に、集約された形式で自動処理システムにより使用できる再利用可能な形式で一般に公開する責任がある。


販売者はまた、適切なプロセスによって、製品の修理可能性指数を確立するために使用されるパラメータを消費者に提供する。


国務院令は、電気および電子機器のカテゴリー、特に指数を確立するために使用される基準と計算方法に従って、このIの適用条件を定義する。

修理可能性指数を確立するために使用される基準には、製品の適切な機能に必要なスペアパーツの価格と、関連する場合はいつでも、消費者に見える使用メーターの存在が含まれていなければならない。


II.2024年1月1日から、特定の製品の生産者または輸入者は、販売者およびそれを要求するすべての人に、これらの製品の持続可能性指数、およびそれを確立することを可能にするパラメータを無料で通知しなければならない。

この指数には、特に、製品の信頼性や堅牢性などの新しい基準が含まれており、前項Iで提供されている修理可能性指数が存在する場合に補足または置き換える。


販売者、ならびにフランスでの商業活動に関連してウェブサイト、拠点、またはその他のオンライン流通チャネルを使用する者は、商品の購入時に、マーキング、ラベル付け、表示、またはその他の適切なプロセスによって、これらの製品の耐久性指数を消費者に無料で通知する。

販売者はまた、適切なプロセスによって、製品の耐久性指数を確立するために使用されるパラメータを消費者に提供する。


(4) 修理可能性指数

前記の修理可能性指数は2020年12月29日に大臣命令(省令)「修復性指数を計算するための表示、ラベル、および一般パラメータの方法」(*9)が公布されています。


フロントローディング洗濯機、スマートフォン、ラップトップ、テレビモニター、電動芝刈り機(3種類:電気ケーブル付き、バッテリー付き、ロボット付き)、トップローディング洗濯機、食器洗い機、掃除機(3種類:電気ケーブル付き、バッテリー、ロボット付き)、高圧クリーナーについて、品目毎に計算式(*10)があります。


製品モデルごとの修理性指数の算出は、5つの基準に基づいています。


i.ドキュメンテーション:修理業者および消費者に技術ドキュメンテーションを無償で、何年にもわたって提供するという製造業者のコミットメントによって決定されるスコア

ii.分解およびアクセス、工具、締結具:製品の分解の容易さ、必要とされる工具の種類、および締結具の特性によって決定されるスコア

iii.予備部品の入手可能性:予備部品の入手可能性およびその納期に対する製造業者の約束によって決定されるスコア

iv.予備部品の価格:予備部品の販売価格と製品の価格との間の比率によって決定されるスコア

v.特定:当該製品カテゴリーに特有の下位基準によって決定されるスコア


修理可能性指数のガイド(*11)は2020年7月に公表されています。


表示は、L.541-9-2が適用される電気電子機器は2023年1月1日から修復可能性指数または2024 年 1 月 1 日から耐久性指数の表示が要求されます。

 

(5)その他の表示規定

表示すべき項目は、L.541-9-1で定められた項目ですが、次が注目されます。

危険物質情報として、REACH規則第59条(10)で特定された高懸念物質(Candidate List of substances of very high concern for Authorisation )及び大臣が特定した物質(*12)の含有表示が必要です。


情報はWeb等での提供が許容されていますが、上市後2年間利用できるようにする義務があります。


また、パッケージに、「生分解性」、「環境にやさしい」、またはその他の同等の環境クレームを含めることは禁じられます。


(6)ボーナスとペナルティ

前記のように、消費者には、環境パフォーマンス基準に従ってL. 541-10-3 に記載されているボーナスとペナルティについても通知します。

使い捨てプラスチック包装の3R戦略(リデュース、リユース、リサイクル)(*13)によれば、使用される材料の量、リサイクル材料の組み込み、 持続可能な方法で管理された再生可能資源、耐久性、修復可能性、再利用または再利用の可能性、リサイクルの可能性、製品の広告または販売促進目的、生態毒性の配慮やリサイクル可能性またはリサイクル材料の組み込みを制限する可能性があるL. 541-9-1で定義されている有害物質の含有により、「ボーナス」「ペナルティ」が適用されます。


この解説は、フランス語の原文を機械翻訳による部分的な意訳です。正確な情報は原文でご確認ください。


(松浦 徹也)


引用

*1:EU グリーンディール


*2:新循環型経済行動計画


*3-1:改正法


*3-2:改正後WFD(2008/98/EC)


*4:商品の売買契約法


*5:L.1020-105


*6:D.2022-748


*7:L. 541-9-1及びL.541-9-2


*8:L. 541-10-3


*9:修復性指数を計算するための表示、ラベル、および一般パラメータの方法


*10:品目毎に計算式


*11: 修理可能性指数のガイド


*12:高懸念物質及び大臣が特定した物質


*13:使い捨てプラスチック包装の3R戦略


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