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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

Q607.アメリカ各州における鉛規制について

執筆者の写真: tkk-labtkk-lab

2021年11月17日更新

【質問】

カリフォルニア州ではカリフォルニアRoHSにて、鉛に対する規制が行われれていますが、その他の州ではどうでしょうか。 連邦法を含めアメリカ各州における鉛規制について教えて下さい。

 

【回答】

アメリカでは政府が制定する連邦法と州が制定する州法があります。 連邦法第10条により連邦法と州の法律が矛盾する場合には、連邦法が優先します。


鉛についてはEU RoHS指令で禁止物質に指定されるなど、人の健康と地球環境に大きな悪影響を与えることから、様々な連邦法や州法で規制されています。


(1) RoHS関連規制

廃棄された電子電子機器に含有している鉛などの有害物質が環境や人の健康に悪影響を与えることから、世界中でEU RoHS指令に類似した規制を設けて電気電子機器に含有している有害物質を規制しています。アメリカでもカリフォルニア州等、一部の州では、EU RoHS指令に類似した規制を設けて、電気電子機器中の鉛の含有を規制しています。

連邦法については、過去に検討された経緯はあるものの、現状EU RoHS指令に類似した法律は制定されていません。


一方、州法については、例えばご質問のカリフォルニア注1)、ニュージャージー注2)、ミネソタ注3)、ニューヨーク注4)、ロードアイランド注5)、ウィスコンシン注6)などでEU RoHS指令に類似した廃電気電子機器規制を制定しています。


(a)重金属の含有禁止:カリフォルニア州、ニュージャージー州 など

(b)製造者登録の際にEU RoHS対応の情報開示:ミネソタ州、ニューヨーク州、ロードアイランド州、ウィスコンシン州 など


それぞれの一例としてニュージャージー州とニューヨーク州の法規制を挙げておきます。


◆ニュージャージー州

ニュージャージー州では「電子廃棄物リサイクル法」を制定して、鉛の規制を行っています。 テレビ、コンピューター、モニターなどの電子電子機器中に鉛、水銀、カドミウム、六価クロムがEU RoHS指令の閾値以上含有している場合にニュージャージー州内での販売を禁止しています。


◆ニューヨーク州

ニューヨーク州では「電子機器リサイクルおよび再利用法」で鉛の規制を実施しています。 ニューヨーク州内で販売する電気電子機器中に鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、およびポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)がEU RoHS指令の閾値以上含有している場合には、閾値以上含有していることを開示する必要があります。

 

(2)その他の規制

包装紙や食器などの製品に含有している鉛が人体に接触することで体内に取り込まれ、人の健康に悪影響を与えることから、アメリカではこれらお製品に含有する鉛を制限する法規制が定められています。 鉛を長期間にわたって摂取し続けることで、子供の認知発達、知的行動に悪影響を与えることから子供向けの製品については特に厳しい規制を設けています。


連邦法では「消費者製品安全改善法(CPSIA)注7」が制定され、各州においても子供向け製品や包装材、塗料等を対象に様々な州法が存在します。各種州法については、全米州議会議員連盟(NCSL)注8)や包装材に関する有害物質クリアリングハウス(TPCH)注9)等のサイトで紹介されています。


注1)

注2)

注3)

注4)

注5)

注6)

注7)

注8)

注9)

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