2024年01月05日更新
【質問】
自社でSCIP登録をする場合、登録費用はどれくらいかかるのでしょうか。
【回答】
SCIP情報はECHA(欧州化学物質庁)が無料で公開しているソフトウェア(IUCLID)からデータや情報を入力して、SCIPデータベースへ無料で登録することができます。 このため自社でSCIP登録する場合に必要な費用は、データや情報の収集や入力作業に要する人件費等になります。 また、登録対象の製品(成形品、複合体)に他社(サプライヤ)から供給される部品(成形品、複合体)や材料を使用する場合は、サプライヤからSCIP登録に必要な情報を提供してもらう必要があります。
SCIPデータベースへの登録方法は、前述のIUCLIDからの登録とシステム連携による登録があります。 また、SCIP登録済みの情報を利用して登録作業を簡略化する方法もあります。 ご参考のために以下に概説します。
【IUCLIDからの登録】
IUCLIDは、ECHAが有害化学物質の管理データベース用に無料で公開しているソフトウェアで、最新版は「IUCLID6」になります。 IUCLID環境でSCIP情報を登録しますが、ECHA Cloud services 1) にアクセスして直接登録する方法と、ソフトウェアをダウンロード 2) して登録する方法があります。 情報を登録して作成したdossier(登録する技術文書)をECHAへ提出します(ECHA Submission portal から)。 IUCLIDのマニュアルはECHAが公開しています 3)。なお上記登録作業の前にECHA accountの取得が必要となります。 4)
【システム連携による登録】
登録する情報が多量の場合は、画面操作が不要でSystem to System にて自動登録する方法があります。 IUCLID形式で作成したdossierを公開されているREST APIに準拠した方法で提出します。 システム連携による登録方法のマニュアルはECHAが公開しています 5) 。
【簡易SCIP登録、SCIP登録済書類参照】
すべてのサプライヤが同じ成形品の情報をSCIPデータベースに登録するのは非効率なため、簡易SCIP登録(Simplified SCIP Notifications (SSN))やSCIP登録済書類参照(“Referencing” in a SCIP notification dossier)というしくみがあります。簡易SCIP登録は、販売業者などが製造元からSCIP登録済製品(成形品、複合体)のSCIP番号(16新36桁)を入手し、dossier提出の代わりにSCIP番号で登録する方法です。 また、SCIP登録済書類参照は、組立業者などがIUCLID形式でdossierを作成する際に構成要素(成形品、複合体)の情報を登録する代わりに、サプライチェーン上流側で登録済みのSCIP番号で登録する方法です。6) これらのしくみを利用してSCIP登録作業を簡略化することができます。
【参考資料】
1) ECHA Cloud services
2) IUCLID6 ダウンロード
3) IUCLID 6 User Manual
4) ECHA account
5) System-to-System submission service manual
6) Tools to refer to SCIP data already submitted to ECHA
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