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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

Q722.REACH規則における「上市」について

  • 執筆者の写真: tkk-lab
    tkk-lab
  • 4 時間前
  • 読了時間: 2分

2025年07月18日


【質問】

REACH規則における「上市」は、RoHS指令の定義と同じでしょうか。

例えば、輸入時にEUの倉庫に入庫した場合は上市にあたるのでしょうか。

_________________________________________


【回答】

REACH規則における「上市(placing on the market)」の定義は、RoHS指令での定義とかなり類似していますが、倉庫への入庫においては同義ではないので注意が必要です。


REACH規則での上市について、第3条12項に、「上市とは、第三者に対して有償無償を問わず、供給すること、または利用可能にすることを意味する。輸入は上市であると見なされるものとする。」と規定しています1)。

また、同条10項に、「輸入とは、EUの関税領域への物理的導入」と規定しています。

従って、輸入の場合、EUの関税領域に入った時点で上市と見なされることになります。


RoHS指令での上市について、第3条(12)項に、「上市とは、EU市場において電気電子機器(EEE)を最初に利用できるようにすることを意味する。」と規定されています2)。この最初に利用できるようにすることについては、同条(11)項で、「商業活動の一環として、有償、無償を問わず、電気電子機器をEU市場での流通、消費または使用のために供給すること」と規定しています。

RoHS指令などの製品規則のガイドであるBlue Guide 2022の2.3項で、「製造者または輸入者が製品を初めて流通業者または最終使用者に供給するときに、上市となる」と解説されています3)。

輸入の場合、輸入者から川下の事業者に引き渡された時点が上市と考えられます。


従って、REACH規則では輸入者の倉庫への入庫は先に述べたように関税領域に入った後のことなので、すでに上市されていることになります。

一方、RoHS指令では輸入者の倉庫への入庫では上市にあたらず、そこからユーザーに引き渡された時点が上市となり、REACH規則と同一とはなっていません。



1) REACH規則


2) RoHS指令


3) Blue Guide 2022

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