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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q668.EU電池規則におけるCEマーク対応について

2023年10月06日更新

【質問】

EU 電池指令からEU 電池規則に変更するにあたり、CEマーク対応はいつから必要になるでしょうか。

 

【回答】

EU電池規則において、バッテリーのCEマーク対応が必要になるのは2024年8月18日以降です。


EU電池規則(電池および廃電池に関する規則(EU) 2023/1542)(1)は2023年7月28日に官報公示されました。 同規則第96条(発効及び適用)には、「官報公示後20日目に発効する」とありますので、同年8月17日に発効しています。 一方、同規則の第95条に、電池指令(2006/66/EC)(2)は、「以下の項目を除いて2025年8月18日に廃止される」と記載されています。 電池指令ではCEマーキングを義務付けていませんが、電池指令が廃止される2025年8月18日までCEマーク対応が必要ないわけではありません。


同規則の適用については、第96条に、「以下の項目を除き2024年2月18日から適用される。」と記載されています。 その項目中(第2項(b))に、「第17条(適合性評価手順)および第6章(第7章及び第8章の義務以外の経済事業者の義務)は2024年8月18日から適用される。」と記載されています。 第6章の第38条では製造業者の義務として以下のように規定されています。


・第2項「バッテリーを上市または使用開始する前に、附属書Ⅷで言及されている技術文書を作成し、第17条で言及されている関連する適合性評価手順を実行するか実行させる必要がある。」


・第3項「第17条で言及されている関連する適合性評価手順によって、バッテリーが適用される要件への準拠が実証されている場合、製造業者は、第18条に従ってEU適合宣言を作成し、第19条および第20条に従ってCEマーキングを貼付する。」


なお、第17条は適合評価手順が示されており、バッテリーの製造方式や対象要件により附属書ⅧのパートA~Cが適用されます。第19条(CEマーキングマーキングの一般原則)では、「CEマーキングは、規則(EC)No 765/2008(3)の30条に定められた一般原則に従うものとする。」とされており、第20条にはCEマーキングを貼付するための規則と条件が記載されています。


すなわち、同規則において期日が設定されていない一般要件は2024年2月18日から適用されますが、第6章第38条にてCEマーキングを貼付する義務が記載されていることから、CEマーキングの義務は2024年8月18日からと解釈することが出来ます。


ただし、上記第96条第2項(b)には、「第17条第2項については、第30条第2項によるリストが最初に発行されてから12ヶ月後から適用される。」と記載されています。


第17条第1項は「第6条(物質の制限)、第9条(汎用バッテリーの性能と耐久性の要件)、第10条(充電式産業用バッテリー、LMTバッテリー、電気自動車バッテリーの性能と耐久性の要件)、第12条(定置型バッテリーエネルギー貯蔵システムの安全性)、第13条(バッテリーのラベリングとマーキング)、および第14条(バッテリーの状態と予想寿命に関する情報)に定められた要件」についての適合性評価手順について述べられています。


一方、第17条第2項は第7条及び第8条に定められた要件を備えたバッテリーの適合性評価手順に関するもので、第7条は「電気自動車用バッテリー、充電式産業用バッテリー、LMT(軽量輸送用)バッテリーのカーボンフットプリント」、第8条は「産業用バッテリー、電気自動車用バッテリー、LMTバッテリー、SLI(始動、照明、点火用)バッテリーのリサイクル含有量」です。


また、第30条は「識別番号と通知機関のリスト」で、第2項には「欧州委員会は、この規則に基づいて通知された機関のリスト(それらに割り当てられた識別番号及び通知された適合性評価活動を含む)を公に利用可能にし、かつ、最新の状態に保つ。」と記載されています。


すなわち、第7条、第8条におけるバッテリーの適合性評価については、欧州委員会が作成した通知機関のリストが発行されてから12ヶ月後ということになります。 これは、第7条、第8条の適合性評価には通知機関による評価や検証が手順に含まれるため、通知機関がリストアップされないと対応が出来ないためです。


EU電池規則において、バッテリーの適合性評価やCEマーキングについては、2024年8月18日より適用となりますが、適合性評価の対象となる各条項は、バッテリーのカテゴリーや要求事項ごとに適用開始の期日が異なっています。 特に、第7条、第8条はそれらの要件の期日がより細かく設定されていますので、自社の製品がどのカテゴリーに該当するかを確認の上、スケジュールを確認、整理しておくことをお勧めします。


(参考リンク)

(1)電池および廃電池に関する規則 (EU) 2023/1542


(2)電池指令(2013/56/EU) 改訂版


(3)製品のマーケティングに関連する認定と市場監視の要件 規則(EC) 765/2008

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