top of page

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q611.医療機器のUKCAマーキングについて

【質問】

当社は医療機器メーカーです。 ドイツに輸出するために第三者認証によるCEマーキングの適合宣言書をすでに作成済です。 新しく英国(GB)から引き合いが来ました。英国(GB)では、CEマーキングをいつまで利用できますか。 また、UKCAマーキングに変更するためにこの適合宣言書は使用可能でしょうか。

 

【回答】

一般的には英国(GB)で、移行措置として2022年12月31日まではUKCAマークの代替としてCEマークを利用し続けることができます。 この期間は、新型コロナウィルスのパンデミックの影響のために2021年8月24日に英国政府が1年延長した結果です。


例外は医療機器で、2023年6月末日まではCEマークを表示した医療機器を英国(GB)で販売することが可能であり、UKCAマークは必要ありません。 それ以降この製品を英国(GB)で販売するためには、UKCAマークが必要になります。(*1)


ご質問の「ドイツに輸出するために作成済みの第三者認証によるCEマーキングの適合宣言書」を「UKCAマーキングの適合宣言書」としてそのまま利用することはできません。


UKCAマーキングのためには、まず、改めて英国向けの技術文書の作成が必要です。 次に、英国で承認された適合性評価機関が英国の指定基準に対する技術文書の審査をして、英国適合宣言書を作成します。(*2)


英国は2020年1月31日にEUを離脱し、移行期間を経て2021年1月1日に完全離脱しました。 EUのCEマークに相当する英国グレートブリテン島(Great Britain:イングランド、ウェールズ、スコットランド。以降「英国(GB)」と略します。)のUKCAマークは、2021年1月1日から適用されます。


注意すべき点として、英国であっても北アイルランド(以降「英国(NI)」と略します。)では、北アイルランド議定書が2021年1月1日に発効し、EU規則に準拠しています。 英国(NI)で販売される製品には、CEマークもしくは、CEマークとUKNIマークの両方(UKNIマークが単独で使用されることはありません)が必要です。(*3) 英国(NI)への輸出対応は、英国(GB)とは全く異なりますので、今回の回答では詳細に触れません。


英国で承認されている適合性評価機関は、英国市場適合性評価機関(UKMCAB)データベース(*4)で検索できます。本稿執筆時点で151機関がありました。英国に126機関、米国に19機関ありましたが、日本にはありません。

もし、輸出する医療機器がクラスIの医療機器や汎用体外診断医療機器の場合は、第三者認証ではなく、製造者自身がUKCAマークに対して適合する自己宣言書を作ることができます。(*5)


英国(GB)では、医療機器についてEU規則とは異なる独自の法令が適用されます。 EUの医療機器データベース(Eudamed)ではなく、英国の医薬品医療製品規制庁(MHRA)に医療機器を登録する必要があります。


英国外の製造業者がこの登録をするためには、英国に事業所を持つ英国責任者を任命し、その英国責任者がMHRAに登録手続きを行ないます。 その医療機器が英国で適用される医療機器規制2002(修正済みSI 2002 No 618)(UK MDR 2002)に準拠している必要があります。(*6)


医療機器の詳細な規制内容は英国政府のガイダンス(*5) を参照してください。医療機器について英国で適用されているEU指令は、

・アクティブな埋め込み型医療機器に関する指令90/385/EEC(EU AIMDD)

・医療機器に関する指令93/42/EEC(EU MDD)

・体外診断医療機器に関する指令98/79/EC(EU IVDD)

です。

これらの規制は、2021年1月1日に存在した形で、英国離脱後も英国で引き続き有効です。 これは、英国の市場へのルートとUKCAマーキングの要件は、2021年1月1日のEU法から導き出された要件に基づいていることを意味します。


EU MDDとEU IVDDは、それぞれ2021年5月26日と2022年5月26日にEU医療機器規制(EU MDR)とEU 体外診断医療機器規制(EU IVDR)に変更されてEU加盟国に適用されます。

しかし、これらの規制は2021年1月1日には発効していないため、EU離脱協定法によって自動的に英国に保持されるEU法ではなく、英国には適用されません。

必要なすべての規制をまとめた統合リストが、それぞれ「指定基準:アクティブな埋め込み型医療機器」(*7)、「指定基準:医療機器」(*8)、「指定基準:体外診断医療機器」(*9)のように英国政府によってガイダンスとして公表されています。 新たに作成する英国適合宣言書は、これらに記載された基準を満たす必要があります。 多くはEU MDDなどと同等ですが、EUの基準番号ではなく英国の基準番号を示すことが必要です。


*1:英国政府のUKCAマークに替りCEマークを使用できる期間の延長通知


*2:英国政府ガイダンス「英国で製造品を市場に出す」


*3:UKNIマーキングの使用


*4:英国市場適合性評価機関(UKMCAB)データベース


*5:英国における医療機器の規制


*6:英国および北アイルランドの市場向けに医薬品医療製品規制庁(MHRA)に医療機器を登録する方法


*7:指定基準:アクティブな埋め込み型医療機器


*8:指定基準:医療機器


*9:指定基準:体外診断医療機器

閲覧数:1,444回

最新記事

すべて表示

Q643.EU RoHS指令におけるPack27とPack22について

2024年04月12日更新 【質問】 EU RoHS指令でPack27のパブコメが行なわれました。 Pack22と重複しているようですが、Pack22は廃案になるのでしょうか。 ご教示ください。 【回答】 Pack27にはPack22の内容も一部重複していますが、Pack22の内容が全て破棄されるわけではありません。 RoHS(Ⅱ)指令1)において適用除外用途については、それぞれ有効期限が決められ

Q642.台湾電池規制に関する認可番号の取得について

【質問】 乾電池、ボタン電池を内蔵した産業用機械を台湾に輸入しようとしています。この電池が規制対象の電池の場合、この電池についてカドミウム、水銀の含有が無いデータを添えて、台湾当局に申請をして認可番号を取得する必要があるでしょうか? 【回答】 台湾では、「乾電池の製造、輸入、販売の制限」公告により1)、対象となる電池は、ご質問のように装置に組み込んで同梱する場合も含めて、指定分析機関での水銀及びカ

Q642.フランスのポリスチレン包装材の禁止法

2023年12月01日更新 【質問】 ポリスチレン包装材がフランスで禁止されると聞きました。 発泡スチロール容器も対象でしょうか。 【回答】 フランスの発泡スチロール容器の使用規制は「リサイクルできない」という条件があります。 貴社の販売方法などのビジネスモデルにより規制対象の該否が分かれます。 以下、規制内容をご紹介します。 §1 ポリスチレン包装材の規制 フランスのポリスチレン包装材は、環境コ

Comments


bottom of page