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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q600.アメリカにおけるPFOA規制について

2021年06月20日更新

【質問】

アメリカに業務用設備を輸出する商談を進めています。 設備の一部にPFOAを使用して撥水効果を出そうと思っています。エッセンシャルユースとして認められるでしょうか。

 

【回答】

PFOA(ポリフルオロオクタン酸)は2020年12月3日に発効したCOP9により附属書A収載物質となり規制されました。 POPs条約の締約国は発効後1年以内に各国国内法で整備されることになっています。


米国では、PFOA(CAS RN 335-67-1)に関する規則はTSCA(有害物質規制法)のSNUR(重要新規利用規則)(40 CFR §721.10536)で規定されています。1)


PFOAは人工化学薬品であるPFAS(ポリフルオロアルキル物質)のグループであり、1940年台以降、米国を含む世界中の様々な産業で製造及び使用されてきました。 PFOAは分解することがなく、時間の経過とともに環境や人体に蓄積する可能性があるため、米国ではPFOAスチュワードシッププログラムを含む段階的廃止計画の結果、主要な化学メーカー8社が自社の生産にPFOAを使用すること、及び施設からの排出物として使用することを2015年までに廃止することに合意しました。 そのため、米国ではPFOAはもはや製造されておりませんが、エッセンシャルユースは認められていますのでコンタミネーションを考慮した上で生産している国もあるため、カーペット、皮革、アパレル、繊維、紙とパッケージ、コーティング、ゴム、プラスチックなどの消費材として米国に輸出することができます。


しかし、2020年7月にEPA(米国環境保護庁)は、PFOAやPFOS(ポリフルオロオクタンスルホン酸)を含む特定のPFASの製品の広範なリストをレビューする権限をEPAに与える重要な新規使用規則を完成させました。 そして2021 年 1 月 19 日に重要な新規使用規則の対象となる輸入物品の概要を示す最終ガイダンス文書「長鎖パーフルオロアルキルカルボキシレートおよびパーフルオロアルキルスルホネート化学物質の対象となる表面コーティングを含む輸入品のコンプライアンスガイド」を発行しました2)。


上記ガイダンスにより、2015年以降段階的に廃止された化学物質を米国で製造または米国に輸入しようとする場合は、事前にEPAによる検査が必要となります。 さらに、表面がコーティングされたLCPFAC(長鎖ペルフルオロアルキルカルボン酸塩)成形品はSNUNを提出しなければ米国に輸入できなくなりました。


成形品の一部としての化学物質の輸入業者および加工業者は、通常、40 CFR 721.45(f)に従ってSNURから免除されますが、成形品または成形品のカテゴリーを通じて化学物質にばく露する合理的な可能性があるという認定をEPAが行った場合、特定のSNURでは免除が適用されないようにすることができます。

SNURの詳細は、上記ガイダンス中の”III.Guidance for Articles Subject to the SNUR”に記載されておりますのでご参照ください。


上記から、貴社が輸出しようとする業務用設備にPFOAを使用して撥水効果を出す場合、SNURで指定されている用途と同じであれば重要な新規使用通知(SNUN)を行い、リスク評価の上使用が認められることになります。 一方、SNURの用途と異なる場合、新規化学物質の届け出(PMN:Premanufacture Notification)をEPAに提出する必要があります。 そのため、SNURの用途と同様であるかどうかをあらかじめご確認いただき、ご対応方法を判断されることをお勧めします。


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