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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q615.Prop 65の発がん性判定方法について

2022年01月28日更新

【質問】

当社はカリフォルニア州への化学品の輸出を計画しています。 Prop 65のばく露量に対する発がん性の判定は現地の毒物科学者のコンサルティングが必要で費用が掛かると聞いています。 費用が掛からずに済む代替手段はあるでしょうか。

 

【回答】

カリフォルニア州へ化学品を輸出するに当たり、ばく露量に対する発がん性の判定などProp65の対応としては、以下などが考えられます。

①製造者(供給者)が自ら警告表示の必要がないことを証明する。

②専門家に依頼する。

③警告表示をする。


①は、外部に費用を支払う必要ありませんが、分析・評価の手順が大変複雑です。OEHHA(カリフォルニア州環境保護庁有害物質管理局)でも、専門家に相談することを推奨しています。


②は、専門コンサルタントに依頼する方法の他に、OEHHAに安全使用の判定(Safe Use Determination:SUD)1)を要求する方法もあります。 専門コンサルタントに依頼するより合理的な費用で判定できる可能性がありますので、以下にSUDについて説明します。


【SUDについて】

1.SUDの概要

SUDは、製品(及び事業活動)がProp65の要件に準拠しているかの検証や、社会に対しての保証を行うツールです。


2.SUD要求時に必要な事項

SUDを行うに当たり、依頼者は以下の情報や費用を提示する必要があります。


(1)情報

・製品や製造プロセス、事業活動に関する全ての関連情報と詳細説明

・製品や事業活動を通じて予想される消費者や公衆に対する化学物質のばく露レベル、製品分析データ(製品中の化学物質の濃度またはレベルなど)

・製品や事業活動の頻度と期間に関するデータ


(2)評価に必要な費用

・処理手数料として最初に$1000

・SUD受入れ可否を判定する初期審査費用は、別途OEHHAから見積提示

・SUD受入れ後の評価費用は、別途OEHHAから見積提示


3.SUDのプロセス

SUDは以下のプロセスで進められます。


(1)SUDの要求

・要求に必要なデータの種類と情報などのガイダンスをOEHHAへ照会

・SUD要求と処理手数料$1000をOEHHAへ提出

・OEHHAからの追加情報の要求があれば対応(この場合新しい手数料が必要)

・要求が受け入れられた後に、OEHHAから依頼者へ書面による受け入れ通知を送付(評価に必要な予想コストの見積も含まれる)

・受け入れの公告がCRNR(California Regulatory Notice Register: カリフォルニア州規制通知登録)に掲載される(必要に応じて公聴会開催)


(2)評価(SUD要求が受入れられた後)

・OEHHAで送付されたデータや情報の確認、及び妥当性を評価

(必要に応じて追加情報、データ、資料の提示要求の可能性あり)

・製品や事業活動を通じての、「The Proposition 65 List」2)(以下リスト)に記載の化学物質のばく露量を推定し、セーフハーバーレベルと比較。(セーフハーバーレベルがリストに記載されていない物質は、レベルの見積を作成)

・SUD発行、または発行拒否の通知、別の形式(情報レターまたは解釈ガイダンス)で意見提示


SUDでの評価を効率的におこなうために、OEHHAに提示する製品のばく露量などのデータは、適切な品質管理で科学的に有効な方法論(サンプリング方法等)に基づき収集する必要があります。評価に必要なデータが不足している場合はOEHHAから追加のデータや情報を要求されます。この場合は、適切なデータを特定して収集するのに役立つ資格のあるコンサルタントを雇うことも有効です。


また、SUDはある一定の手順に基づいて判断をするもので、日本の法律のように裁判のリスクを無くすものではないので、ご注意ください。


【参考資料】

1)Prop65 SUDプロセス


2)The Proposition 65 List

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