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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q628.EUに輸出する商品(成形品)にCLSが1%程度含有している場合の届出義務について

2022年06月16日更新

【質問】

当社は商社であり、国内で商品(成形品)を調達し、EUに輸出しています。 調達した商品にCLSが1%程度含有していることがわかりました。 ただ、この物質を含有した材料を使った商品は他社から販売されています。

当社には届出義務はないと判断しています。 正しいでしょうか。

 

【回答】

成形品中にCLSを0.1wt%を超えて含有する場合には、次のような義務に対応することが必要になります。


1. CLS届出(REACH第7条2項)

2. 情報伝達(REACH第33条)

3. SCIP届出(廃棄物枠組み指令)


1.REACH規則第7条2項に基づくCLS届出

成形品中にCLSが0.1wt%を超えて含有している場合は、届出の義務が発生することがあります。

REACH規則第7条2項で下記のように記載されています。

(1)CLSが成形品中に、0.1wt%を超える濃度で存在する。

(2)CLSが成形品中に、年間に1製造者または輸入者あたり1トンを超える量で存在する。

(3)CLSのREACH規則第6条に基づく物質登録においてその用途が含まれていない。


条件(2)のとおり、EU域内輸入者におけるCLSの製造・輸入量が1トン以下の場合、CLS届出の対象になりません。 また、CLS届出の義務は輸入者であり、日本の企業においてはCLS届出を行えるように情報提供する立場となります。


なお、ご質問にあります「他社から販売されている」場合であっても、貴社製品のCLS届出に影響はありません。 ただし、条件(3)のとおり、該当するCLS物質のEU内企業が実施したREACH規則第6条に基づく物質登録において、登録情報に貴社製品での使用用途が含まれている場合には、貴社製品のCLS届出は不要となります。


2.REACH規則第33条に基づく情報伝達

EU域内輸入者におけるCLSの製造・輸入量が1トン以下の場合においてもCLSの濃度が0.1wt%を超える場合にはREACH規則第33条により以下の情報伝達義務が生じます

(1) 川下企業へ物質名を含み当該成形品の安全に使用するのに十分な情報を提供する

(2) 消費者から要求があれば、最低当該物質を含み当該成形品を安全に使用するのに十分な情報を、消費者に要求を受けた日から45日以内に無償で提供する


情報伝達義務もEU内企業が対象となるため、貴社は、EU域内輸入者が川下企業等に情報伝達するために必要な情報を提供することが求められます。


3.廃棄物枠組み指令に基づくSCIP届出

廃棄物枠組み指令により、EU域内で0.1wt%を超えるCLSを含有する製品(成形品)を上市する事業者に対してSCIP届出の義務が定められています。 そのため、EU域内に輸出する場合には、輸入者に対し、SCIP届出に必要な情報の提供が求められます。


以上のことより、ご質問のようにCLSが1wt%程度含有した製品を輸出する際には、EU域内輸入者あたりで1トンを超える場合にはREACH規則第7条2項によるCLS届出義務が、1トン以下であってもREACH規則第33条による情報伝達義務とSCIP届出義務が、EU域内輸入者に求められることになり、貴社はEU域内輸入者がこれらの義務に対応するために必要な情報等を提供することが求められます。


1) ECHA 成形品中のCLS


2)EU官報 廃棄物枠組み指令



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