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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q637.SCIP登録されている部材を日本で成形品として組み立てEUに輸出した場合のSCIP登録について

2022年10月28日更新

【質問】

すでにSCIP登録されている部材をEUから日本に輸入し、日本で成形品を組み立ててEUに輸出する場合、EUの成形品輸入者はSCIP登録不要という理解で宜しいでしょうか?

 

【回答】

SCIP(Substances of Concern In articles as such or in complex objects(Products))の登録対象は、Candidate Listに収載されているSVHCを0.1w%超で含有する成形品です。 成形品は、成形品そのもの(Article as such)、及び成形品を含む複合体(Complex Object)のいずれか、と定義されています。 SCIP登録された部材(成形品)で組み立てられたもの(複合体)は、別の成形品とみなされるので、改めてSCIP登録が必要になります。


また、SCIP登録する責務があるのはEU域内の製造、輸入、流通等に関わる事業者(但し小売業者等は対象外)であるため、日本(EU域外)から輸出されたSCIP登録が必要な複合体を輸入する事業者は、登録を行う責務があります。 以上のように、今ケースのEU輸入業者はSCIP登録をする責務があるため、輸入業者へ登録に必要な情報を提供する必要があります。


ご参考のため、以下にSCIP登録の適用範囲とデータベースに登録が必要な情報について概説いたします。


【SCIP登録の適用範囲】

SCIPデータベースに登録が必要な情報等は、ECHAが公開している「Detailed information requirements for the SCIP database」 1) に記載されていますが、2.1項Definitions(定義)にデータベース登録の適用範囲について解説されています。

SCIPデータベースの適用範囲は「Candidate Listに収載されている物質を0.1w%を上回る濃度で含む成形品そのもの、または複合体」とされています。

複合体は2つ以上の構成部品からなり、構成部品とは成形品そのものであるかまたは別の複合体、とされています。 例として自動車を挙げ、成形品そのものであるOリングは、自動車(大型の複合体)の構成部品であるエンジン(複合体)の構成部品である、と説明しています。


【SCIPデータベースの登録情報】

SCIPデータベースに必須で登録が必要な情報は以下となります。

1.成形品そのものと複合体共通で必要な情報

・Name of the article(名称)

・Primary article identifier(識別子)

・Article category(カテゴリー)

・Production in European Union(EU域内での製造か否か)

・Safe use instructions(安全使用情報)


2.複合体のみに必要な情報

・Complex Objects components(複合体を構成する下位階層の特定情報)


3.成形品そのもの、のみに必要な情報

・Candidate List substance(SVHCの情報)

・Concentration range(含有濃度範囲)

・Material category or Mixture category(材料又は混合物カテゴリー)


複合体として登録する場合、構成部品の成形品そのものを登録し、その情報

を複合体に紐づけて階層的に登録します。


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