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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q678.カナダ環境保護法(CEPA)における成形品について

2024年01月19日更新

【質問】

染料の製造・販売しており、その染料にはカナダ環境保護法(CEPA)のSchedule Iに該当する物質を含んでおります。 川下ユーザーがその染料により染められた染色布をロール状にしてカナダに輸出している場合、この染色布はSchedule Iに該当する物質を含む成形品に該当するのでしょうか?

 

【回答】

1999年カナダ環境保護法(以下CEPA)1)は、持続可能な開発に寄与するため、公害の予防及び環境及び人の健康の保護を目的としています。


その第2条(k)に基づいて、カナダ政府は既存物質や新規物質に対し、その有害性或いは有害可能性を調査し、既存の物質またはカナダにとって新しい物質が有毒であるか、または有毒になる可能性があるかどうかを評価し、そのような物質が環境ならびに人間の生命と健康にもたらすリスクを評価するために、迅速かつ熱心に行動するよう努めるとされています。


CEPAの第64条で規制の対象となる有害物質とは、「本質的に有害な」という表現が現れる場合を除き、物質が有害であるのは、その物質が環境に量または濃度で、または次のような条件で侵入している、または侵入する可能性がある場合となっており、

(a) 環境又はその生物の多様性に即時的又は長期的に有害な影響を及ぼす又は与えるおそれのあるもの

(b)生命が依存する環境に対する危険を構成する、または構成するおそれのあるもの

(c)カナダで人命または健康に対する危険を構成する、または構成する可能性のあるもの

とされています。


第2条(k)での評価の結果、物質が有害であるとされた場合、Schedule 1の有毒物質のリストのPART 1または2に追加されます。(第90条(1))


そのPART 1で指定されている物質の場合、物質に関連する活動または環境への物質の放出を全面的、部分的、または条件付きで禁止することを優先させます。


さらに、第93条(1)では、カナダ政府は環境大臣および保健大臣の勧告に基づき、必要な規制を定めることができるとされています。


Schedule 1の収載物質に対する具体的な規制はCEPAそのものによるのではなく、その下位法令での定めによります。 各々どの様な規制がかけられているかは「カナダ環境保護法で管理されている有害物質のリスト(List of toxic substances managed under Canadian Environmental Protection Act)」2)に一覧になっています」。


また2012年カナダ特定有害物質禁止規制規則3)では、カナダ環境保護法にて有害物質として指定された、Schedule1およびSchedule 2に収載された物質の一部およびそれを含む製品を対象としてこれらの製造、使用、販売、販売の申し出又は輸入を規制しています。これにより成形品や混合物中に含有されるこれら物質の規制が図られています。


ご質問のカナダに輸出したSchedule1収載物質(有害物質)を含む成形品の扱いに関してですが、CEPAでは成形品は、“manufactured item”という用語で表現され、EUで使用されている”article”とは異なっています。しかし第3条(1)において、「その製造中に特定の物理的形状あるいはデザインに造り込まれていて、その形状或いはデザインの全てあるいは一部によってある機能(例えばその最終用途目的のための機能)を有しているもの」と説明され、articleとほぼ同じ概念です。


川下ユーザーによってその染料により染められた染色布がSchedule 1に該当する物質を含む成形品に該当するかは上記のmanufactured itemの定義に基づいて判断され、また必要な法規制への具体的な対応は、前記のCEPAの下位法令に基づいて行うこととなります。


1999年カナダ環境保護法 1)


カナダ環境保護法で管理されている有害物質のリスト 2)


2012 年カナダ特定有害物質禁止規則 3)

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