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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

Q725.韓国のK-REACHの共同登録協議体(CICO)におけるActiveとPassiveについて

  • 執筆者の写真: tkk-lab
    tkk-lab
  • 2025年8月22日
  • 読了時間: 4分

2025年08月22日


【質問】

韓国のK-REACHにおける共同登録協議体(CICO)に関して協議体に関して、ActiveとPassiveはどのような違いがあるのでしょうか。 Activeの場合、メリットがあるのでしょうか?

________________________________________


【回答】

ご質問の共同登録協議体(CICO: Consortium for Information Collection and Sharing of Existing Chemical Substances)は、化学物質の登録及び評価に関する法律(K-REACH)(*1)(*2)における共同登録の仕組みです。K-REACHに関するガイドの一つである「合同登録審議会実践ガイド(*3)」によると参加の区分は、「Leader」「Active member」「Passive member」の3つあり、自社の方針により選択することになります。それぞれの役割は以下のようになります。


・Leader: 協議体の運営と全体管理を主導し、協議体費用および試験資料費用を初期に負担

・Active member: Leaderと共に登録申請資料の準備に主導的に参加し、協議体費用と試験資料費用を初期に分担

・Passive member:登録意思はあるものの、資料の作成や流通には積極的に関与せず、LeaderやActive memberの先行支払い費用の一部を分担


この区別の場合、「Active member」は主体的に関与しデータ所有権を持つ一方、「Passive member」は必要なデータへのアクセス権などを購入しての参加となり、関与は限定的となります。したがって、Active memberとして参加するメリットは、データ所有権の確保、意思決定への参加、専門知識の共有による効率的な登録などが考えられます。


◆共同登録協議体(CICO)について

共同登録協議体(CICO)は、K-REACH第16条などに規定があり、既存化学物質の登録義務を負う企業が、重複する試験データの生成を避け、登録プロセスを効率化するために共同で情報を収集・共有し、登録書類を猶予期間中に共同提出することを主な目的としています。

2019年に改正されたK-REACHは第10条にて既存物質の登録について規定しており、事前申告することで猶予期間が与えられます。猶予期間は数量により設定されており、最近では年間100トン以上1000トン未満の猶予期間が2024年12月31日に終了しています。現時点で有効な猶予期間は、「10トン以上100トン未満:2027年12月31日」「1トン~10トン未満:2030年12月31日」の2つとなります。CICOに参加することで、1社で全てのデータを準備するよりも、時間的・経済的な負担を軽減できる利点があります。


◆Active member とPassive memberについて

Active memberは CICOの活動に積極的に参加し、共同登録プロセス全体に主体的に関与することになります。共同申請できる資料について、化学物質の登録及び評価に関する法律施行規則第16条では、以下のものを規定しています。


・分類及び表示に関するデータ

・物理的性質に関するデータ

・有害性に関するデータ

・試験計画


これらは、登録を申請する者全員が同意した場合に共同申請できるとされています。よって、費用分担に関することも含め、各段階で意思決定に参加でき対象となる化学物質の登録について、自社の意向を反映させる機会があると考えられます。

一方で、Passive memberは対象となる化学物質の登録において限定的な関与にとどまると考えられます。K-REACH第16条(既存登録申請資料の共同利用)の「他の登録者が提出した既存の登録申請資料を所有者の同意を得て、自己の登録申請の目的で利用することができる。」という規定を利用するものと考えられ、Active memberの企業が準備したデータへのアクセス権などを購入することで、登録が可能となります。登録に関する準備などの手間を削減できると考えられますが、相応の費用負担が発生する可能性があります。


以上のことからCICOに「Active member」として参加するメリットは企業にとって以下のようなものが考えられます。


・登録プロセスの意思決定への関与

・対象物質に関する専門知識と情報の共有による登録の効率化


Active memberとして関与した場合、どの試験を実施するか、どの既存データを採用するかなど、共同登録に関する重要な意思決定プロセスに直接参加できますので、登録の物質に関して自社の意向を反映させることが可能です。他の参加企業や化学物質規制の専門家などから登録物質に関する詳細な情報や専門知識が情報共有により得られることも期待ができると考えられます。


(*1)化学物質の登録、評価等に関する法律 (略称:化学物質の登録評価法、K-REACH)

(*2)化学物質の登録、評価等に関する法律、施行令、施行規則の比較

(*3)合同登録審議会実践ガイド

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