top of page

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q613.中国RoHSのマーク表示について

2022年02月15日更新

【質問】

当社は電気電子機器の中国への輸出を考えています。 当社の製品は中国RoHS合格評定制度における目録収載の12品目およびその構成品からは外れているようです。 当社製品はどのようなマーク表示をすればよいでしょうか。

 

【回答】

中国RoHS注1)の製品へのマーキング義務については二段階の規制を設けています。

中国RoHS13条では、電気電子機器の使用者および消費者が製品中の有害化学物質の含有を容易に確認できるように、生産者および輸入者に対して有害化学物質の表示に関する国家標準に従い、製品にマーキングすることを義務付けています。 対象となる電気電子機器はSJ/T11364-2014「電子電気製品有害物質制限使用標識要求」の内容に基づき、製品にマーキングを行う必要があります。 規制有害化学物質の含有の有無によりグリーンマークもしくはオレンジマークを製品に貼り付けることになります。(第一段階のマーキング義務)


次に中国RoHSの対象となる電気電子機器の中で「中国RoHS合格評定制度における目録」注2)に掲載されている12品目およびその構成品については合格評定制度注3)の規定する手法に基づき適合性手続きを行ったうえでCGP(China Green Products:中国グリーン製品)マークの貼り付けることを義務付けています。(第二段階のマーキング義務)


貴社の製品は「中国RoHS合格評定制度における目録」に掲載されている12品目の製品およびその構成品から外れているので、第二段階のマーキング義務については履行不要です。

一方、貴社の製品は中国RoHSの対象となることから第一段階のマーキング義務を履行する必要があります。 貴社は製品における規制有害化学物質の含有の有無を調査し、規制有害化学物質を含有する(基準値以上)場合は製品にオレンジマークを貼り付け、含有しない(基準値以下)場合はグリーンマークを製品に貼り付けることになります。 オレンジマークを貼り付けた場合には製品の説明書にSJ/T11364-2014で定められたフォームに従い含有している有害化学物質と内容を記載する必要があります。


■グリーンマーク

グリーンマークは電気電子機器に含有する規制有害化学物質の含有量が基準値以下の場合に貼り付けられるマークです。緑が推奨されていますが、必修ではありません。 貼り付けられていることで使用者または消費者は廃棄後にリサイクルできることを容易に確認できます。


■オレンジマーク

オレンジマークは電気電子機器に含有する規制有害化学物質の含有量が基準値以上の場合に貼り付けられるマークです。 グリーンマークと同様にオレンジが必修ではありません。 丸形の中に書かれた数字は、環境保護使用期限を表しています。 この数字の期間は有害化学物質が漏洩・変異せず、汚染や健康・財産への被害を気にせず使用することができます。 そして、期間が過ぎた後は適切に処理する必要があります。 環境保護使用期限は製品ごとに異なります。


貴社製品は現状、合格評定制度における12品目に該当しないことから、マーキングをはじめとした第二段階の義務は必要ありませんが、リストをみると第一次と明記されているように、今後該当製品が追加される可能性があります。 さらに、中国RoHSでは規制対象物質に「国家が規定するその他の物質」と明記されているように規制物質が追加される可能性もあります。 いずれも明確な動きはないものの、法改正が行われたときは自社製品の表示内容も対応させなければならないので、改正内容については随時注意する必要があります。


注1)


注2)


注3)

閲覧数:4,877回

最新記事

すべて表示

Q643.EU RoHS指令におけるPack27とPack22について

2024年04月12日更新 【質問】 EU RoHS指令でPack27のパブコメが行なわれました。 Pack22と重複しているようですが、Pack22は廃案になるのでしょうか。 ご教示ください。 【回答】 Pack27にはPack22の内容も一部重複していますが、Pack22の内容が全て破棄されるわけではありません。 RoHS(Ⅱ)指令1)において適用除外用途については、それぞれ有効期限が決められ

Q642.台湾電池規制に関する認可番号の取得について

【質問】 乾電池、ボタン電池を内蔵した産業用機械を台湾に輸入しようとしています。この電池が規制対象の電池の場合、この電池についてカドミウム、水銀の含有が無いデータを添えて、台湾当局に申請をして認可番号を取得する必要があるでしょうか? 【回答】 台湾では、「乾電池の製造、輸入、販売の制限」公告により1)、対象となる電池は、ご質問のように装置に組み込んで同梱する場合も含めて、指定分析機関での水銀及びカ

Q642.フランスのポリスチレン包装材の禁止法

2023年12月01日更新 【質問】 ポリスチレン包装材がフランスで禁止されると聞きました。 発泡スチロール容器も対象でしょうか。 【回答】 フランスの発泡スチロール容器の使用規制は「リサイクルできない」という条件があります。 貴社の販売方法などのビジネスモデルにより規制対象の該否が分かれます。 以下、規制内容をご紹介します。 §1 ポリスチレン包装材の規制 フランスのポリスチレン包装材は、環境コ

bottom of page