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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q621.電気電子機器の電気を使用していない消耗品に適用される規制について

2022年07月12日更新

【質問】

鉛とフタル酸エステル類はRoHS指令とREACH規則で規制されています。 電気電子機器の電気を使用していない消耗品はどちらの規制をうけるのでしょうか。

 

【回答】

ご質問の電気電子機器の消耗品とは、電気電子機器に使用しているネジ等の部品のことと考えます。


部品も指令の要件を満たさなければならないと規定されています。 電気電子機器は異なる部品で構成されているため、デスクトップコンピュータのプラスチックケースなどの電流または電磁界に依存しない部品も含めて、すべての構成部品がRoHS 指令の物質制限要件を満たしている必要があります。 したがって、RoHS 指令で規定された電気電子機器で使用される部品やまたは修理のための部品などもRoHS指令の規定を満たす必要があります。


消耗品の場合、プリンタカートリッジなど、電気電子機器のより具体的な定義を満たす機器構成を持つ消耗品のみが、RoHS指令の範囲内にあります。 石鹸パウダーや掃除機バッグなど、それ自体を単体で出荷する場合、電流または電磁界に依存しない部品は電気電子機器の消耗品と見なされず、RoHS 指令の範囲にはありません。


消耗品が電気電子機器の構成部品であればRoHS指令とREACH規則の両方の規制の対象になります。


・RoHS指令とREACH規則の違い

RoHS指令が「特定有害物質を含んでいる電気電子機器の規制」とすれば、REACH規則は「含んでいる化学物質の情報を登録し、開示できるようにする規則」といった違いがあります。 また、RoHS指令では、使用してはいけない物質、特定有害物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB 、PBDE、フタル酸エステル類)が特定されていますが、REACH規則はほとんど全ての化学物質が規制対象になります。


REACH規則とRoHS指令のフタル酸エステル類の算定量には以下のような違いがあります。


REACH規則で上市が制限される成形品の物質の含有量はフタル酸エステルの4物質(DEHP、DBP、BBP、DIBP)の合計で0.1重量%以上で、分母は、「可塑化材料」で、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ポリウレタンなどの樹脂、シリコーンゴム、表面コーティングや接着剤などです。


RoHS指令が適用される電気電子機器に組み込まれる部品などは、RoHS指令の要求が適用されます。 RoHS指令の要求は、フタル酸エステルの4物質の合計ではなく、個々のフタル酸エステルの濃度になります。


・RoHS指令が適用される製品

RoHS指令では、AC(交流)1000V、DC(直流)1500V以下の定格電圧を持ち、電流/電磁場を必要とする機能が1つ以上存在する全ての電気・電子機器が対象となります。


・REACH規則の対応

REACH規則では、「物質」、「混合物」、「成形品」という視点で製品をとらえます。REACH規則での対象となるのは、物質それ自体、混合物中の物質、成形品中の物質です。

今回は貴社製品の定義が成形品であると思われますので、成形品に関して必要なことをご説明します。


・成形品とは

REACH規則(第3条3項)によると、「成形品とは、化学組成によって決定されるよりも大きく機能を決定する特定の形状、表面またはデザインが生産時に与えられた物質を指す」と定義されています。

つまり、家庭や産業界で広く使われている部品・製品のほとんどは、成形品(例:家具、衣服、自動車、本、玩具、台所設備および電子機器)であると言えます。このような成形品も対象としていることがREACH規則の大きな特徴の一つです。


・REACH規則対応の具体的な進め方

1.登録および届出(Registration & Notification)

成形品をEU域内で製造または輸入する事業者は、成形品中の物質の登録あるいは届出が必要となります。

(1)次の二つの条件を満たす場合には、登録が必要です。ただし、その用途を含めてその物質が登録されている成形品中の物質は、登録が不要です。

(a) 物質の意図的な放出がある

(b) 成形品中に含まれる(a)の物質の総量が、年間1トンを超える

(2)次の二つの条件を満たす場合には、届出が必要です。ただし、その用途を含めてその物質が登録されている成形品中の物質は、届出が不要です。

(a) 成形品中に認可対象候補物質(SVHC)が0.1重量%を超えて含まれる

(b) 成形品中に含まれる(a)の物質の総量が、年間1トンを超える


2.制限(Restriction)

(1)成形品が、制限物質・制限条件に該当するかどうかを確認する

(2)製品が間接的にEU域内へ輸出されている可能性を調べる

(3)製品がEU域内に輸出されていない事が明らかな場合は、制限条項だけでなくREACH規則自体の対応が不要です。


3.情報の伝達(Communication of information)

(1)成形品について、「認可対象候補物質(SVHC)」の含有の有無を確認する

(2)成形品中に認可対象候補物質(SVHC)が0.1重量%を超えて含有される場合、成形品を安全に使用するための十分な情報(少なくとも物質名)を提供する必要があります。


貴社が製品をEUに輸出するためには以上のことが必要になります。



*2.REACH規則


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