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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q614.電気医療機器向け部品をEUに輸出する際の対応について

2022年02月04日更新

【質問】

当社は医療用の樹脂チューブを製造しています。 今回、電気医療機器を製造するEUの事業者より引き合いがあり、輸出を計画しています。 医療用の樹脂チューブはRoHS指令の対象になるでしょうか。

 

【回答】

RoHS(Ⅱ)指令の対象製品は交流1,000V、直流1,500V以下で稼働するすべての電気電子機器となります(1)。 RoHS(Ⅱ)指令における電気電子機器は、11製品群に分けられ、例えばカテゴリ8として医療用機器があります。 貴社は電気医療機器へ部品を供給するメーカーとして、顧客の要求に応じてRoHS(Ⅱ)指令に適合することを示す材料宣言などへ対応する必要があります。


◆RoHS(Ⅱ)指令への対応について

RoHS(Ⅱ)指令における特定有害物質は、鉛やカドミウム、フタル酸エステル類など10物質です。 それぞれ最大許容濃度が規定されており、カドミウム(0.01wt%)以外は0.1wt%です。 最大許容濃度の分母は均質物質と規定されており、「全体的に一様な組成」で「機械的に分離できる最小単位」となります。 ただし、RoHS(Ⅱ)指令には適用除外用途があり、その内容は最終製品が属するカテゴリによっても異なります。どのカテゴリに属するかについては、RoHS(Ⅱ)指令に具体的な例示がなく、最終製品を製造する企業の判断によると思われますので、貴社が適用除外を適用しようとする場合、輸出先のEUの事業者など川下メーカーへの確認が必要です。 例えば、最終製品がカテゴリ1の大型家電製品の場合、適用除外用途は附属書Ⅲに記載されている内容となりますが、カテゴリ8の医療用機器と判断されている場合、附属書Ⅲ、Ⅳに記載されている内容が適用除外となります。


適用除外用途については、定期的に見直しがされているため、適用除外と判断した製品は、その動向について最新の情報を入手する必要があります。


これらの内容を踏まえ、貴社は樹脂チューブの原材料メーカーからの情報収集や自社工程の管理状態を把握し、顧客からの問い合わせに対し特定有害物質を最大許容濃度以上に含有しないことを提示できる体制を整える必要があります。


◆材料宣言について

「EN IEC 63000:2018」は、RoHS(Ⅱ)指令における唯一の整合規格であり、4.4.3項(情報収集)における材料宣言は、IEC 62474:2012を引用規格としています。 IEC 62474データベースのDSL(Declarable Substance List)は、RoHS(Ⅱ)指令が規定する特定有害物質(10物質)を含む173物質(群)です(2022年1月17日時点)(2)。 DSLの適用はshall(強制)ではなく、should(推奨)のため、RoHS(Ⅱ)指令への対応であれば、貴社は特定有害物質(10物質)に関する材料宣言で対処が可能です。 ただし、DSLは電気電子部品に関する世界的な法規制物質を収載基準としているため、顧客から適合について要求される可能性があります。


上記内容を運用する方法として、情報伝達ツールの活用が考えられます。 例えば、「BOMcheck」は非営利団体であるCOCIR EuropeanTradeが立ち上げた共有Webデータベースシステムであり、EU圏で活用が進んでいるツールです。 貴社部品の化学物質含有状況などを「BOMcheck」へ登録すると指定する顧客がその情報にアクセス可能となり、貴社と顧客間の情報伝達が効率的になります。


また、日本国内で普及が推進されているchemSHERPAもIEC 62474データベースに対応していますので、川上メーカーなどと連携すれば、最新情報を反映する体制を効率的に構築することが可能となります。


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(2)

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