当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q625.インドRoHSの拡大生産者責任について

2022年09月09日更新

【質問】

インドRoHSの拡大生産者責任で日本企業の義務を教えてください。

 

【回答】

インドRoHSには拡大生産者責任(Extnded Producuer Responsibility:

EPR)があって、廃棄電気電子機器の処理ルートを構築する義務があります。


インドのRoHSは2016年公布の電気電子機器廃棄物(管理)規則(E-Waste (Management) Rules, 2016 1)に規定され、2018年に改正2)されています。


日本企業の貴社の対応の必要性とその義務を整理します。


1.貴社製品がインドのRoHSの対象なのかの確認

インドRoHSの対象製品は別表1で以下が示されています。


(1) IT機器、通信機器

ITおよび通信機器:

メインフレーム、ミニコンピュータ

個人用コンピュータ:

パソコン(入出力装置付きCPU)

ラップトップ型コンピュータ(入出力装置付きCPU)

ノートブック型コンピュータ

ノートパッド・コンピュータ

カートリッジを含むプリンタ

コピー機

電気電子タイプライタ

ユーザー端末およびシステム

ファックス

テレックス

電話

公衆電話

コードレス電話

携帯電話

留守番電話


(2) 消費者向け電気電子製品

テレビセット(液晶およびLEDのものを含む)

冷蔵庫

洗濯機

エアコン(中央空調機器は除く)

蛍光灯と 他の水銀を含むランプ


(3)上記対象製品のコンポーネント、消耗品、部品及びスペアパーツ


2.貴社がインドRoHSの対象者なのかの確認

対象者は、規制対象機器の構成部品や消耗品、部品やスペアパーツを含む機器の製造、販売、譲渡、購入、収集、保管におよび処理に関わる全ての製造者、生産者(含む輸入者)、消費者、販売者(ネット販売を含む)、修理業者、解体業者およびリサイクル業者です。


対象は、インド国内の法人または自然人です。

なお、消費者は廃電気機器を認可された解体業者またはリサイクル業者に引き渡しする義務があり、対象者になっています。


3.対象者の義務(体制の構築):

インドRoHSは第5条で、拡大生産者責任(EPR: Extended Producers Responsibility)を要求しています。

対象製品の廃棄物は拡大生産者責任-認可によって回収・流通させることとなっており、認定解体業者またはリサイクル業者に引き渡すために単独または共同で回収システムの確立または収集センターの設置を行う必要があって、処理ルートを確立して認可を取る必要があります。

さらに、使用済みの電気電子機器の返却を容易にするため、住所、電子メールアドレス、フリーダイヤルの番号等の連絡先をウェブサイトや製品使用説明書に記載することを求めています。

また、メディアや出版物、広告、ポスターその他製品使用説明書等を通じて、使用済み電気電子機器に関する有害成分の情報や不適切な取扱い等による危険性等の認識を高めることや製品または製品使用説明書に判別可能で消えないシンボルマークの貼付も求めています。


なお、拡大生産者責任は日本に存在する企業は直接認可が受けられません。インドの現地法人(輸入者)もしくは商社などの輸入者が拡大生産者責任を持つことになります。


4.対象者の義務(書類手続き):

生産者は本規則の様式1で拡大生産者責任計画(Extended Producers Responsibility Plan)を作成して中央汚染管理委員会に申請を行い、認可を得る必要があります。 認可は5年間有効で、更新する際は、また様式1を提出して認可を求めます。 認可された生産者は様式2で廃棄電気電子機器の記録を作成、保管し、毎年、前年度の活動に関して、様式3で中央汚染管理委員会に報告する必要があります。


5. 生産者(含む輸入者)の義務

日本企業は、現地法人(輸入者)もしくは商社などの輸入者を介して販売をします。

第5条で、電気電子機器の輸入は、拡大生産者責任の認可を受けた生産者以外は認めないとしています。

貴社製品が、インドRoHSの対象製品であれば、拡大生産者責任の認可が必要です。


貴社の現地法人が回収スキーム(拡大生産者責任計画)を構築することができますが、既存のスキームに加入する(共同履行)こともできます。

既存のスキームに加入するためには預託金が要求されます。


契約しインボイスで説明することになります。


6.最新動向:

インド環境森林気候変動省は、2022年5月に現行の2016年電気電子機器廃棄物(管理)規則からの新たな規則案3)を発表し、意見募集を行っていました。対象製品は、ソーラーパネルや乾燥機、掃除機、工具等、また、玩具・レジャー・スポーツ用品、医療機器にわたる大幅な拡大となっており、今後、新たな規則の動きにも注視していく必要があります。


1) 2016年電気電子機器廃棄物(管理)規則

http://www.greene.gov.in/wp-content/uploads/2018/01/EWM-Rules-2016-english-23.03.2016.pdf


2)2018年電気電子機器廃棄物(管理)規則の改正

https://pib.gov.in/pressreleaseiframepage.aspx?prid=1526177


3)電気電子機器廃棄物(管理)規則のドラフト(2022.5.19)(ヒンディー語と英語)

https://egazette.nic.in/WriteReadData/2022/235903.pdf

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