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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q639.CLSを含有する成形品を組み込んだ回路基板の取り扱いについて

2023年09月08日更新

【質問】

CLSが0.1重量%以上となる成形品がハンダ付けされた回路基板(複合物)の場合、CLSが年間1トンを超えるとCLSや成形品に加えて複合物(回路基板)の用途の通知も必要となるでしょうか?

 

【回答】

CLSが0.1重量%を超えて含有し、そのCLSが年間1トンを超える成形品が複合物の一部を構成する場合に、用途の通知は、そのCLSを含有する成形品の用途に関してのみ要求されていて、複合物の用途に関しては要求されていないと考えられます。 以下に詳しく説明します。


成形品にCLSが0.1重量%を超えて含有されていて、かつ、そのCLSが年間1トンを超える場合には、REACH規則第7条2項により、届出の義務が発生します。 ご質問は、複合物(例. 回路基板)の一部を構成する成形品(例. トランジスタ)にCLSが0.1重量%を超えて含まれていて、かつ、そのCLSが年間1トンを超える場合、その届出において、CLSおよび成形品の用途に加えて、複合物の用途も通知する必要があるかどうかについてです。 この届出の義務は、REACH規則 1) 第7条4項に規定されています。 以下に日本語訳を抜粋します。


第7条 成形品に含まれる物質の登録及び届出

4. 届出される情報は、以下を含むものとする:

(a) 附属書 VI の第 1 節に規定される製造者又は輸入者の身元及び連絡先;

(b) 第 20 条(1)で規定される登録番号(可能な場合);

(c) 附属書 VI の2.1項から2.3.4 項に規定される物質の同一性;

(d) 附属書 VI の4.1項及び4.2 項に規定される物質の分類;

(e) 附属書 VI の3.5項に規定された成形品中の物質の用途及び成形品の用途の簡単な説明;

(f) 物質のトン数範囲、例えば 1~10 トン、10~100 トンなど。


(e)項として通知すべきなのは、成形品に含有されるの物質の用途と成形品の用途の説明であり、複合物については言及されていません。 つまり、複合物の用途については通知する義務がないと考えられます。 しかしながら、複合物の一部を構成する成形品の用途を説明するにあたり、結果的には、その複合物の用途についても何らかの説明を記載することになるでしょう。


なお、成形品にCLSが0.1重量%を超えて含有される場合、年間の合計が1トンに満たない場合でも、川下事業者への情報伝達の義務がREACH規則第33条により定められていますので、CLS物質名と成形品を安全に使用するための情報を川下事業者に伝達しなければなりません。 消費者から要求がある場合も、要求を受けた日から45日以内に無償でCLS物質名と成形品を安全に使用するための状況を提供しなければなりません。


また、参考までに、廃棄を含む通常または合理的に予測可能な使用条件下において、人や環境へのばく露を除外できる場合には、CLS物質の届出は不要(REACH規則第7条3項)となります。


引用

1) REACH規則((EC) No 1907/2006) (2023年6月29日)

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