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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q641.トルコRoHSの輸入者の義務について

2023年11月03日更新

【質問】

トルコRoHSの輸入者の義務として輸入者情報の記載が求められています。 これは輸入通関時ではなく「トルコのユーザーに納入する時」という意味で現地代理店が対応するという認識でよいのでしょうか。

 

【回答】

トルコで電子・電気機器(EEE)を輸入する事業者は、EEEの上市前に「電気・電子機器の特定有害物質使用制限規則」(トルコ版RoHS指令:ELEKTRİKLİ VE ELEKTRONİK EŞYALARDA BAZI ZARARLI MADDELERİN KULLANIMININ KISITLANMASINA İLİŞKİN YÖNETMELİK 2022年12月26日付け官報32055号 1))に従い、CEマーキングを行う必要があります。 この規則の中に輸入者情報(名前、登録商標、住所等)の記載義務もありますが、同規則第4条で上市の定義として「商業活動を通じて、手数料の有無にかかわらず、流通、消費、または使用のためにEEEを国内市場に提供すること」とされていますので、輸入通関時にはラベル表示や情報の表記などを適正に対応しておく必要があります。

ご参考のために、トルコ版RoHS指令の最近の改正状況や、規則で定められたEEE輸入者の義務について、以下に概説します。


トルコ版RoHS指令は、EUのWEEE指令相当分を含む「廃電気電子機器の管理規則」(ATIK ELEKTRİKLİ VE ELEKTRONİK EŞYALARIN KONTROLÜ YÖNETMELİĞİ 2012年5月の官報28300号で公布)で運用されていましたが、2022年12月にEUと同様にRoHS指令相当分(前述の規則)とWEEE指令相当分(ATIK ELEKTRİKLİ VE ELEKTRONİK EŞYALARIN YÖNETİMİ HAKKINDA YÖNETMELİK 2))が分離されました。 また内容は、従来規則がEUのRoHS1相当だったものに対し、RoHS2相当に改正されています。

その第9条に輸入者の義務として、以下等が規定されています。


・EEEの上市前に製造者が第7条に定められた適合性評価を行い、必要な技術文書を作成し、この規則の要件に適合していることを証明したうえで附属書5の適合宣言書を作成していることを確認する。

・EEEの上市前に、CEマークが貼付けられていること、必要な情報(EEEの識別を可能にする型番やシリアル番号、製造者や輸入者の名前・登録商標・住所等)が記載(又は添付)されていることを確認する。なお連絡先等の情報はトルコ語等ユーザーや当局が理解できる言語で記述する。

・技術ファイルとEU適合宣言書のコピーをEEE上市から10年間保持し、当局の要求があれば提出する。


なお、EEEへのCEマーク貼付け義務は、安全であることを条件に2024年1月1日まで猶予期間が設けられています。


【参考資料】

1) トルコ版RoHS指令 ELEKTRİKLİ VE ELEKTRONİK EŞYALARDA BAZI ZARARLI MADDELERİN KULLANIMININ KISITLANMASINA İLİŞKİN YÖNETMELİK:https://www.resmigazete.gov.tr/eskiler/2022/12/20221226-2.htm


2) トルコ版WEEE指令 ATIK ELEKTRİKLİ VE ELEKTRONİK EŞYALARIN YÖNETİMİ HAKKINDA YÖNETMELİK:

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