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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q603.中国にインクリボンを輸出した場合のVOC規制対応について

2021年07月16日更新

【質問】

中国に輸出する製品に使用しているインクリボンカセットは中国VOC規制の対象となりますでしょうか。 また、それらは消耗品ですのでサービスパーツとして中国へ輸出する場合も対象となりますでしょうか。

 

【回答】

塗料、接着剤やインクなどに含有している揮発性有機化合物(VOC)は空気中に放出されると、大気汚染を促進させる原因物質になります。 中国国家標準化委員会は、大気へのVOCの放出を抑制し、事業者にVOCの含有の少ない製品への代替を促進させる意図から、VOCなどの有害物質の制限量に関する以下の9件の国家標準(GB規格)を制定しています。


・GB 38468-2019 室内フロア塗料中の有害物質含有限度

・GB 38469-2019 船舶塗料中の有害物質含有限度 

・GB 18581-2020 木材塗料中の有害物質含有限度

・GB 18582-2020 建築用壁塗料中の有害物質含有限度

・GB 24409-2020 車両塗料中の有害物質含有限度

・GB 30981-2020 工業用保護塗料中の有害物質含有限

・GB33372-2020 接着剤中の揮発性有機化合物の含有限度

・GB38508-2020 洗浄剤中の揮発性有機化合物の含有限度

・GB38507-2020 インク中の揮発性有機化合物の含有限度


ご質問のインクに関しては上記9件のGB規格のうち、GB38507-2020が適用されます。


GB38507-2020はインク中のVOC含有量の制限値を規定しています。 その他、インク用語および定義、分類、要件、試験方法、包装マークと禁止溶剤リストも提示しています。 水性インク、溶剤インクなど工場にて出荷状態にあるすべてのインクがこの標準の対象となります。


インクリボンは文字や記号を紙に転写するために必要なインクをしみこませた帯状の織布です。 VOCを含有しない水性インクも開発されていますが、一般的にインクリボンに使用されているインクにはVOCが含有しています。 中国国内において使用される際に、インク中のVOCが空気中に放出され、大気汚染を促進させることになります。 したがいまして、インクリボンに使用しているインクはGB38507-2020の規定しているインクに該当し、そのインクを使用しているインクリボンカセットはGB38507-2020の対象となると考えられます。


サービスパーツとして中国に輸出するインクリボンカセットについても同様の理由でGB38507-2020の対象となると考えられます。


中華人民共和国標準化法第25条では「強制標準に適合しない製品、サービスについて、生産、販売、輸入し、又は提供してはならない。」と規定されています。 貴社のインクリボンカセットを中国に輸出するには使用しているインクがインクに関するGB規格であるGB38507-2020に適合する必要があります。


インクがGB38507-2020に適合するにはVOCの含有量が限界値以下、そして、禁止溶剤の非含有が必要になります。 使用しているインクがGB38507-2020に適合しない場合はGB規格適合品のインクに代替する必要があります。

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