2022年09月15日更新
【質問】
REACH規則のCLSが半年毎に追加されますが、調査効率を高めるためにIEC62474のDSL収載物質に限定して調査したいと思います。 DSLにはすべてのCLSが収載されていませんが、どのように解釈すればよいのでしょうか。
【回答】
IEC規格は電気・電子業界の国際規格で、IEC62474はIECが作成した電気・電子機器の材料宣言の規格です。 従って、このデータベース1) には電気・電子機器に使用されることが多い化学物質(及び物質群)を収載しており、REACH規則のCLS(Candidate List of substances of very high concern for Authorisation)に収載されている物質が全て対象となる訳ではありません。
IEC62474データベースに収載されているDSL(Declarable Substance List)の最新バージョンは、DSLハイパーリンクから検索します。 個々の物質を対話形式で確認、又はリスト全体をExcelシートでダウンロードできます。 物質毎で、データベースの「Descripiton of basis」にREACH規制のCLSなど引用する規制も記載されています。
またIEC62474データベースの「Supplementary Lists and Information」にREACH規則のCLSなどに収載されているが、IEC62474データベースに収載されていない物質のリストが収載されていますので参照ください。
同データベースの「Update schedule」に、データベースの更新予定が記載されています。DSLの更新状況を効率良く確認できますので、こちらも参照ください。
参考に、DSLに収載されている報告対象物質(Declarable Substances:DSs)及び報告対象物質群(Declarable Substances groups:DSGs)などが、IEC6247データベースに収載される選定基準を以下に説明します。
【IEC62474データベースへの収載基準】
IEC62474( Material Declaration for Products of and for the Electrotechnical Industry:電気・電子製品及び電気・電子業界のためのマテリアルデクラレーション)は、規格書とデータベースから成っており、データベースに収載するデータを選定する基準は、規格書に記載されています。 DSsやDSGsの選定基準は規格書の5.2項に定められています。この選定基準は以下の3つに分類され、5.2項の表1に示されています。
・基準1(Criteria1)「現行法規制(Currently Regulated)」
・基準2(Criteria2)「評価用(For Assessment)」
・基準3(Criteria3)「情報提供用のみ(For Information only)」
基準1の選定基準は、表1のA) 項に、「以下の場合、DS又はDSGをIEC62474のDSLに追加し「必須」報告要件としなければならない」としています。
1. IEC加盟国の現行の各国内法又は規制に明確に含まれており:かつ
2. その法律又は規制が電気・電子機器に適用され:かつ
3.その法律又は規制が電気・電子機器におけるその含有を禁止又は制限
するか、又は電気・電子機器内のその存在のために、その法律又は規制
が:報告を要求、又はラベルを要求し、かつ
4.その法律又は規制が、そのDS又はDSGに関し、上記3の記述に該当
する要件の具体的な発効日(将来に可能性がある)を挙げている。
また5.4項にはDSs、DSGsの報告閾値レベルについて規定されています。 5.2項の選定基準1、2のDSs、DSGs報告閾値は「適用される規制限度がある場合はその最低値に基づくものとする」とされています。 異なる複数の報告用途に対して異なる複数の限度が存在する場合、異なる複数の報告閾値を設定してもよいとしています。
データベースに収載される内容は、検証チーム(Validation Team 62474:VT62474)によりアップデートされます。
1)IEC62474データベース
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