当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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Q598.RoHS(II)指令の整合規格変更に対する川下メーカーの対応について

2021年07月02日

【質問】

RoHSの整合規格が2021年11月18日にEN50581:2012からENIEC63000に変更になるため、対応を進めたいと考えております。 2つの規格は基本的には同じという情報があり、川下メーカーの対応としては適合宣言書の整合規格の文言を変更するだけでよいのでしょうか。

 

【回答】

EN IEC 63000:2018は、委員会実施決定 (EU) 2020/659(1)により、EN 50581:2012と併存した移行期間が終了し、2021年11月18日からRoHS(Ⅱ)指令における唯一の整合規格となります。 貴社が整合規格を「EN IEC 63000:2018」と変更した場合、文書中の文言を変更するだけでなく、以下の内容についても対応を検討する必要があると考えられます。


◆調査対象物質について

EN IEC 63000:2018 4.4.3項(情報収集)には、収集すべき情報として以下のものがあげられています。


a:供給者の宣言及び/又は契約上の合意

b:材料宣言

c:分析試験結果


これらのうちaとcの部分には変更がありませんが、EN IEC 63000:2018は、bの材料宣言について、従来のEN 50581:2012において参照情報としていたIEC 62474:2012を引用規格とするよう変更しています。 IEC 62474:2012 4.2.3項における材料宣言は、要件を満たす物質(群)について、情報収集して報告しなければならないとしています。 使用用途や閾値などの要件や物質(群)(168物質(Entry 174は欠番)、 2021年4月28日時点)は、IEC 62474データベースにDSL(Declarable Substance List)として記載されています。 DSLは電気電子部品に適用される法規制に適用される物質を収載基準としており、EU以外のアメリカなども含む世界的な法規制物質に対応した内容となっています。また、DSLに記載されている物質(群)に属する参照物質リストとしてRSL(Reference Substance List)があり、これらのリストはIECのホームページから確認することができます(2)。


つまり、貴社が適合宣言書の整合規格の文言をEN IEC 63000:2018へ変更した場合、IEC 62474:2012が引用規格となるため、調査物質の範囲がDSLに収載の物質へ拡大します。 ただし、材料宣言に関する対象物質の適用はshall(強制)ではなく、should(推奨)としていますので、貴社においては、この点を踏まえて対応することになります。


◆貴社の対応について

材料宣言に関する対象物質の適用はshould(推奨)ですので、RoHS(Ⅱ)指令のみへの対応であれば、規定の10物質に関する情報収集で対応できるといえます。 ただし、貴社のような川下メーカーは、販売先で適用される法規制を確認し、該当する部分は調査物質とする必要があります。 また、先述した DSLはすべての法規制物質を網羅しているわけではありませんので、この点にも留意しながら調査物質を設定する必要があります。

今回の整合規格が変更される目的は、世界的なより広範囲の物質規制への対応を視野に入れているとしています。貴社においては、EN IEC 63000:2018の適用を機会として、例えばchemSHERPAなどを活用し、川上メーカーから情報伝達を受ける体制を構築するなど、IEC 62474データベースに記載されている物質(群)の情報収集手段についても検討することをお勧めします。


(1) https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32020D0659&from=EN


(2) https://std.iec.ch/iec62474/iec62474.nsf/Index?open&q=070934

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