2023年12月01日更新
【質問】
ポリスチレン包装材がフランスで禁止されると聞きました。 発泡スチロール容器も対象でしょうか。
【回答】
フランスの発泡スチロール容器の使用規制は「リサイクルできない」という条件があります。
貴社の販売方法などのビジネスモデルにより規制対象の該否が分かれます。
以下、規制内容をご紹介します。
§1 ポリスチレン包装材の規制
フランスのポリスチレン包装材は、環境コードL.541-15-10(III)(*1)に規定があります。
2025 年 1 月 1 日以降、全体または一部がスチレン系ポリマーまたはコポリマーで作られた、リサイクル不可能でリサイクル ルートに入ることができない包装は禁止する。
政令(Décret)541-330(*2)にスチレン系ポリマーまたはコポリマー(ポリスチレン包装材)の定義が規定されています。
L. 541-15-10 (III )およびこのセクションの目的のために、次の定義を適用する。 (以下部分意訳)
1°「プラスチック」とは、2006 年 12 月 18 日の欧州議会および理事会の規則 (EC) No 1907/2006 (REACH規則)の第 3条(5)に定義されているポリマーからなる材料を意味する。
化学修飾されていない天然ポリマーおよび塗料、インク、接着剤を除き、最終製品の主な構造成分として機能する可能性のある物質が添加されているものをいう。
2° 「使い捨てプラスチック製品」とは、全体的または部分的にプラスチックで作られ、その寿命の間に生産者に返却されて再充填されることによって数回の移動またはローテーションを完了するように設計、作成、または市場に投入されていない製品を意味する。
または、設計された目的と同じ目的で再利用されるように設計、作成、または市場に投入されていないものをいう。
(中略)
10°「発泡スチロール製の容器または容器」:
(a) 現場または外出先での消費を目的とした発泡ポリスチレン製の食品容器、つまり、その場でまたは外出先ですぐに消費することを目的とした食品を入れるために使用される、密閉手段の有無にかかわらず、箱などの容器を意味する。
持ち帰り、通常は容器に入れたまま消費され、調理、煮沸、再加熱などのさらなる準備をすることなくすぐに消費できるものをいう。
ただし、飲料の容器、皿、パウチ、および食品が入ったパッケージは除く。
(b) 発泡ポリスチレン製飲料容器(キャップおよび蓋を含む)。
11° 「医療目的での使用を目的としたストローを除くストロー」とは、指令 (EU) 2019/904 (特定のプラスチック製品の環境への影響の低減指令)の付属書パート B で言及されているストローを意味する。
ただし、指令 90/385/EEC (能動埋め込み型医療機器指令)、指令 93/42/EEC(医用機器指令)または 規制 (EU) 2017/745(医療機器規則)の対象となるストローは除く。
(以下略)
§2 規制要件
発泡スチロール容器は、L. 541-15-10 ( III)の「リサイクル不可能でリサイクル部門に組み込めないスチレン系ポリマーまたはコポリマーの全部または一部で構成されたパッケージ」という条件であれば規制対象となります。
貴社の発泡スチロール容器の扱いは、輸入者が大きく関与しますので、輸入者と協議することが肝要と思います。
*1:環境コードL.541-15-10(III)
*2:政令(Décret)541-330
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